車のメンテナンス
更新日:2026.10.03 / 掲載日:2026.10.03
次期トヨタGR86は直4ターボへ! レースで鍛えた車体とトヨタ主導の開発で新境地に

手の内に収まるサイズと、後輪駆動ならではの操る楽しさ。その魅力を磨き続けてきたトヨタGR86が、次の世代で大きな転換点を迎えそうだ。今回のスクープ情報から浮かび上がるのは、新開発の直列4気筒ガソリンターボを搭載し、現行型をベースに車体を大幅に進化させるという構想。スーパー耐久シリーズで蓄積した知見を惜しみなく注ぎ込み、トヨタ主導で開発を進めるという。以下、その情報をもとに、次期型の姿を予想していこう。
最大の注目点は、やはりパワートレーンだ。現行型の2.4L水平対向4気筒自然吸気エンジンに代わり、候補に挙がるのは新開発の1.5L直列4気筒ガソリンターボ、もしくは2.0L直列4気筒ガソリンターボ。両方の排気量がラインアップされるという意味ではなく、どちらを採用するかが今後の焦点となる。トヨタは実際に1.5Lおよび2.0Lの新しい直列4気筒エンジンを公開しており、次期GR86への搭載は未発表ながら、この新世代エンジン群の動向は見逃せない。
1.5Lターボが選ばれれば、コンパクトなエンジンと過給によるトルクを生かし、軽快さと扱いやすさを両立する方向が考えられる。一方、2.0Lターボなら、より余裕のある加速性能を確保し、サーキットでの速さにも期待が膨らむ。いずれの場合も重要なのは、最高出力の数字以上にアクセル操作と駆動力のつながりだ。コーナーの立ち上がりで右足に力を込めたとき、狙いどおりに後輪へトルクが伝わるか。GR86らしさを守るうえで、過給の立ち上がりやスロットル制御の作り込みが大きな鍵を握るだろう。
その新しい心臓を受け止めるプラットフォームは、現行型をベースに大幅な改良を加える見通しだ。素性を生かしながら必要な部分を鍛え直すという方針は、熟成を重ねてきたFRスポーツにふさわしい。ただし、水平対向から直列へとエンジン形式を変更するなら、搭載位置や周辺部品の配置、重心高、前後重量配分まで検討が必要になる。さらにターボ化に伴う冷却系や吸排気系の変更もあり、既存の骨格を用いるからといって、開発内容が小規模にとどまるわけではなさそうだ。
そこで力を発揮すると期待されるのが、スーパー耐久シリーズへの参戦で得た知見である。トヨタはGR86を用いたレース活動を通じ、その学びを市販モデルやパーツ開発に生かす方針を公表してきた。長時間にわたって高負荷が続く耐久レースは、速さだけでなく、熱への対応や耐久性、走行を重ねても変化しにくい操縦性を磨く場でもある。
次期型では、こうした経験が車体剛性や足まわり、冷却、空力などの作り込みに広く反映されると予想する。狙いたいのは、一発のタイムだけでなく、周回を重ねてもドライバーが安心して踏み込める走りだ。公道でも、路面の変化に対する落ち着きや操作への応答のわかりやすさとして、その成果を感じられる仕上がりに期待したい。
兄弟車となるスバルBRZも存続するというのが、今回の情報のもうひとつのポイント。ただし、次期型の開発はトヨタが主導し、BRZにはスバル独自の味付けが施される見込みだ。共通の基本設計を使いながら、ステアリングの応答やサスペンションの設定、車体の動きの整え方によって、それぞれの個性を描き分けることになるだろう。
たとえばGR86が積極的に車体の向きを変えて操る楽しさを重視し、BRZが安定感と滑らかな応答を前面に出すという方向も考えられる。具体的な設定はまだ予想の域を出ないが、同じ土台から異なる走りを生み出せる点は、この兄弟車ならではの魅力。トヨタ主導となることで、スバルがBRZにどのような個性を与えるのかにも注目が集まる。
発売時期は2028年後半と予想する。出力や価格などの詳細は今後の情報を待つ必要があるが、ターボ化による性能向上とともに、軽さや価格の親しみやすさをどこまで維持できるかも見どころだ。新世代の直4ターボと耐久レースで磨いた車体が組み合わされたとき、GR86の「操る楽しさ」はどう進化するのか。次期型は、国産FRスポーツの新たな可能性を示す一台となりそうだ。