車のメンテナンス
更新日:2025.02.28 / 掲載日:2025.02.28

DATSUN「フェアレディ」再起動!!【VOL.62】

テストドライブで発覚してしまった大小のトラブルたち。特にエンジン&ミッションはなかなか深刻で、この先もかなりの手がかかりそうな気配でいっぱい。今回は頼れる助っ人を招集することで、最善の方法を見つけることにしました!

●文&写真:ハリー山崎
●協力=日本工学院北海道専門学校自動車整備科

半世紀以上にわたり日産車のプロメカニックとして活躍する中西 俊夫氏(右)。「整備を楽しむ姿勢」はプロにとっても大切! そのことを若いメカに笑顔で優しく伝える中西氏は頼りになる存在なのだ。

学生さんに集合してもらって力技で解決することに

再び、ミッションをエンジンに合体させて、エンジンとミッションを一体でエンジンルームから持ち上げる方法に急遽変更。学生さんのヘルプのおかげもあって、ここから超スピードで作業が進んでいくことに。

エキマニはインマニの下。なんとか分解できそう

すでにオリジナルとは異なる配線取り回し&部品の取り付けを行っているフェアレディ。エンジンまわりもそんな痕跡が確認できるが、基本的に大丈夫だったのが幸い。なんとか分解できそうだ。

狭くて厄介なボルトと遭遇!スパナのヘッドをスリムに改造

実習用の国産ブランドのスパナだとヘッド部分が大きいために緩めることができなかった。ただ自分のスパナはもともとスリムな欧州工具なので、さらにヘッドを少し研磨することで対処できそう。SST的な工具に生まれ変わりました(笑)。

厄介なインマニを外すことに成功

吸気と排気がヘッドの片側にあるターンフロー形式のエンジンなので、主な作業は左側に集中する。排ガス規制関連の複雑なホース類がないので作業もスムーズ。もしかしてエンジンと一緒に降ろす方法が良かったのかも?

あとはエンジンを持ち上げるだけと思っていたのですが……

エンジンマウントを分離したら天井クレーンを使って持ち上げ開始。エンジンを降ろすと重心が変わるため、リフトやジャッキスタンドの上でズレやすくなるので注意。安全第一で慎重に持ち上げていきます。

何かにぶつかっていてエンジンが外れない……

あともう一歩で外れるのだけど……。最初はホースかアースケーブルの取り忘れと思っていたけど、エンジンの脱着を妨げているのはエキゾーストマニホールドのみの模様。でもテールパイプまで一体なので、取り外しは不可能っぽい。

エンジンとミッションを緊急分離することに

押しても引いても、エキゾーストマニホールドがエンジンブロック下部にあたるため、エンジンが取り出せない。どうするかな?と、途方にくれていたところ、「こちら側にはスペースがあるので、エンジンを分離してこちら側にずらせば外れるかもしれませんよ」と、ありがたいアドバイスが……。

なんとか問題解決!エンジン降ろし終了

想定外のトラブルで鬼気迫るエンジン降ろし作業が続く。座学どころではなくなってしまった学生の皆さんも息を呑む緊張の一瞬もあったが、なんとか解決できた。自分ひとりではここまでたどり着けなかったはず。皆に感謝なのです。

分離箇所が溶接されていたことがこのトラブルの原因

エキマニと排気管はオイルパンの横あたりで分割できる構造なので、エキマニを取り外してからエンジンを降ろせるし、仮に溶接されていても横にずらせばどうにかなるかと思っていた。後日、載せる作業は相当の難作業が予想される……。

外れたエンジンは、実習棟の倉庫で冬眠。ミッションを先に仕上げることに

保管中のエンジンは、インテークポートに異物(ナットやワッシャー等)が入ってしまうケースが……。エンジントラブルの原因になることも少なくないので、ウエスで処置を行って異物をシャットアウト。ミッションの完成を待つことに。

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大音安弘(おおと やすひろ)

ライタープロフィール

大音安弘(おおと やすひろ)

1980年生まれ。埼玉県出身。クルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者に転身。現在はフリーランスの自動車ライターとして、自動車雑誌やWEBを中心に執筆を行う。歴代の愛車は全てMT車という大のMT好き。

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1980年生まれ。埼玉県出身。クルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者に転身。現在はフリーランスの自動車ライターとして、自動車雑誌やWEBを中心に執筆を行う。歴代の愛車は全てMT車という大のMT好き。

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