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更新日:2021.07.02 / 掲載日:2021.07.02
日産、新世代クロスオーバーEVを英国の工場で生産予定 世界初の電気自動車生産ハブ計画を発表

新世代のクロスオーバー EV(イメージ)
日産自動車株式会社は7月1日、欧州におけるカーボンニュートラルの実現に向け、世界初の電気自動車(EV)生産のエコシステムを構築するハブとして「EV36Zero」プロジェクトを公開。その中で、新世代のクロスオーバーEVを英国のサンダーランド工場で生産すると発表した。
「EV36Zero」
EV36Zeroにより日産は、サンダーランド工場を中心にカーボンニュートラルへの取り組みを加速し、ゼロ・エミッション実現を目指す。このプロジェクトには、日産とエンビジョンAESC、そしてサンダーランド市議会によって10億ポンドが投資され、EV、再生可能エネルギー、バッテリー生産という3つに取り組むことになる。
英国のボリス・ジョンソン首相は、「日産がサンダーランドで新世代のEVを生産すること、そしてエンビジョンAESCがギガファクトリーを建設すると発表したことは、英国とその北東部の高度に熟練した労働者に対する大きな信頼の証です。この地域には30年以上の歴史がありますが、今回の発表はまさにEV革命の重要な瞬間であり、今後何十年にもわたって未来を約束するものです。これらのコミットメントは、環境に配慮した多くの雇用を創出し、英国の産業を活性化するとともに、人々が気候変動へ影響を与えることなく、手頃な価格かつ持続可能な方法で移動できるようにしていきます」と語った。
発表されたプロジェクトは、35年の歴史をもつ日産のサンダーランド工場を基盤とし、日産と英国のサプライヤーで6,200名の雇用を創出。長期的には日産の英国におけるEV生産を近代化し、年間最大10万台分のEV用バッテリーを供給することが可能になるとみられる。
新世代のクロスオーバー EV
この新世代EVは、日産の強みであるクロスオーバーの知見と、世界で「リーフ」を販売してきた実績をもとに、新たなスタイリングと効率性、バッテリー技術を備えた車両になるという。この新世代EVはグローバルカーとして設計され、欧州市場にも輸出される予定。ほかの生産拠点は現時点では未定で、価格や技術など新世代EVの詳細は、販売開始に向け順次発表していくという。
次世代EV用電池

エンビジョンAESC社
エンビジョンAESCが設立したバッテリー工場では、これまで9年間にわたり英国で「リーフ」および「e-NV200」にバッテリーを供給してきたノウハウをもつ。エンビジョンAESCは4億5,000万ポンドを投資し、英国初のギガファクトリーを建設する。このギガファクトリーは再生可能エネルギーで稼働し、次世代バッテリーを生産するという。新工場では、航続距離と効率性を向上させるためにエネルギー密度を30%向上させた新しい第5世代のバッテリーセルを採用するなどし、日産の新型EVに搭載される見通しだ。
英国における日産
1986年7月に日産はサンダーランドで生産を開始。以来、同工場は英国の自動車産業史上最大の工場に成長してきた。現在、サンダーランドでは、「キャシュカイ」「ジューク」「リーフ」などの車種を生産し、その多く(約70%)を欧州諸国に輸出、約20%を英国内で販売、約10%を南米、オーストラリア、北欧、南アフリカなど、世界各地の市場に輸出している。