モータースポーツ
更新日:2021.06.14 / 掲載日:2021.06.14
トヨタガズーレーシング FIA世界耐久選手権第2戦でワンツーフィニッシュ!
ポルティマオで優勝したブレンドン・ハートレー、セバスチャン・ブエミ、中嶋一貴
現地時間の6月13日、ポルトガルのアルガルヴェ・サーキットで2021年シーズンFIA世界耐久選手権(以下、WEC)第2戦ポルティマオ8時間レースの決勝レースが行われ、トヨタガズーレーシング(以下、TGR)のGR010 HYBRIDは、トヨタにとって参戦100戦目となる世界耐久選手権を1-2フィニッシュで飾った。
チームは前日の予選でポールポジションを惜しくも逃したが、決勝レースではセバスチャン・ブエミ、中嶋一貴、ブレンドン・ハートレーのGR010 HYBRID 8号車が、チームメイトであるマイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペスの7号車と、ポールシッターのアルピーヌ36号車との三つ巴の首位争いを展開。最後まで接近戦を繰り広げ、僅か1.8秒差で7号車を制した8号車が開幕から2連勝。トヨタは世界耐久選手権100戦目で、通算32勝目を挙げた。
開幕戦のスパ6時間レースに続き2連勝を飾ったTGRは、チームの選手権ポイントで2位との差を22点とし、ドライバーズ選手権では8号車の3名が、2位の7号車に20点差をつけて首位を守った。
今季より新たな時代を迎えたハイパーカーカテゴリーの争いは、先月の開幕戦スパに続き、WEC初開催となったポルトガルでも三つ巴の激戦を展開。8時間の決勝レースは8号車のブエミが2番手、7号車のロペスが3番手グリッドからスタートを切り、序盤からポールスタートのアルピーヌ36号車を追撃した。
ワンツーフィニッシュを飾ったGR010 HYBRID
最初の給油ピットストップ時には、トップ3台は10秒ほど離れていたが、首位のアルピーヌ36号車は燃料タンクが小さいため、やや早めにピットインし、これにより8号車のブエミが首位に浮上。アルピーヌ36号車は給油間隔が短く、回数が多くなる代わりに、燃料搭載量が軽く、ピット時の給油時間が短くなる。
2台のGR010 HYBRIDは、2時間経過直前にコンウェイとハートレーへとドライバー交代。75周を終えたこの時点でも首位のアルピーヌ36号車とTGRの2台によるトップ3台の差は10秒ほどという接戦が続いた。
8号車はハートレーに交代した直後、ブエミも序盤に苦しんだ、LMP2車両をかわすことに手こずりタイムロス。これによりコンウェイの7号車が8号車をかわし2位へと浮上。次の給油ピットストップ時には、ハートレーの8号車のピットイン時に、再逆転するかと思われたが、コース上のトラフィックに阻まれ、7号車が再度先行した。
レースが半分を過ぎた時点で、TGRの2台はアルピーヌ36号車をかわし、7号車の小林と8号車中嶋が約10秒差での首位争いを展開。
残り3時間ほどになった頃、コースアウトしたLMP2車両がグラベルエリアにつかまり、セーフティカーが導入。これによりここまでに築いてきたTGRの2台とアルピーヌ36号車とのマージンは帳消しとなり、トップ3台の差は再び縮まることに。
残り2時間半となったところでレースが再開されると、ロペスへと交代した7号車が首位をキープ。ブエミへと交代し、燃料をセーブする作戦を採る8号車が2位で続く形となった。
レースは残り30分のところでフルコースイエローが出され全車スローダウン。ここでロペスの7号車は短い給油ピットストップを行い、最後まで走り切る作戦の8号車の3秒後方でコースに復帰。7号車のロペスは8号車に迫り、チームは2台の首位争いを見守りましたが、ブエミが守り切り、8号車が今季2勝目を挙げた。そのすぐ後でフィニッシュラインを越えた7号車が2位。8時間、300周のレースを終えた時点で、3位のアルピーヌ36号車とトップとの差は僅か1分8秒597だった。
ハイパーカーによる戦いが続く次戦WEC第3戦は7月18日、イタリアのモンツァ・サーキットで行われる。