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更新日:2021.05.11 / 掲載日:2021.05.07
【ペット×クルマ】心を癒してくれる愛犬との旅【九島辰也のクルマのある時間 第5回】

文●九島辰也 写真●ホンダ、ユニット・コンパス
日本のペット飼育頭数はかなり多いようです。2020年12月に発表された一般社団法人ペットフード協会によると、ワンちゃんは848万9000頭、猫ちゃんは964万4000頭飼育されているとか。かなりの数ですよね。家の前の道でも散歩中のワンちゃんをたくさん見かけます。
さらに興味深いのは、ここ5年間はほぼ横ばいなのに対し、一年以内の新規飼育者が増えていることです。これはアンケートによるとコロナの影響で、ペットに癒しを求めたり、家族のコミュニケーションを深める役目を果たすために飼われ始めたのが要因になっているそうです。わかります、その気持ち。
【釣り×クルマ】釣果も格好も欲張るオススメ車はこちら【九島辰也のクルマのある時間 第4回】
「ワンちゃん=ステーションワゴン」の図式は2020年代でも当てはまる!?

ボルボのステーションワゴンは1990年代から愛犬家たちに親しまれてきた
ということで、今回はペットとクルマのお話をしたいと思います。ワンちゃんをクルマに乗せてドライブに出かける方は多いことでしょう。ご主人もそうですし、ワンちゃんも喜びますから。窓から顔を出したりして。その仕草たまりません。
ご多分に漏れずウチも数年前まで年に何度かそんな日々を送っていました。リアシートにクッションを積み込んで海までドライブって感じです。ステーションワゴンでも持っていたらゲージごとクルマに乗せられますけど、そう都合よくはいきませんでした。セダンやコンパクトカーの車内ではとにかく大人しくしてもらうしかないですね。
でも、思い起こすとフォードエクスプローラーの時はいい感じでした。3列シートの2列目を畳んでそこにクッションを並べます。でもって家人は1列目と3列目に座りますからワンちゃんは大喜び。前へ行ったり後ろに行ったり、駐車中は車内を飛び回っていました。まぁ、小型犬だからできるんですけどね。中型犬以上は無理かな。それにしてもトイプードルはほんと可愛いです。
「ワンちゃん=ステーションワゴン」の図式は90年代のボルボによってイメージが植え付けられました。当時爆発的にヒットしたボルボ850がその代表選手です。それこそゲージごとカーゴに積んで海へドライブ。海岸でワンちゃんを散歩させるシーンが雑誌などで描かれました。いま考えると、ちょっとしたセレブの休日ってところでしょう。ご主人はサーフィン、奥さんはワンちゃんと散歩。場所は湘南の海。850のボディカラーはやはり赤ですかね。
それを現代に置き換えると、クルマはポルシェカイエンやメルセデス・ベンツGクラスあたりでしょうか。もちろん、ボルボもありですが、V90やV90クロスカントリーよりはXC90やXC60の方が今っぽい気がします。それも“リチャージ”と呼ばれるプラグインハイブリッドモデル。省燃費もそうですが、クリーンなイメージが好印象です。ただ、ワンちゃんの乗り降りはどうなんでしょうね。小型犬であれば抱えて乗れますが、自分で乗り降りするのであればSUVは少々車高が高いかもしれません。逆に大型犬であれば余裕でしょうが。
ワンちゃんの居住性もそうですが、もうひとつ見逃してはいけないのが乗り心地です。車酔いしやすいワンちゃんも多いですからそこも要チェック。特にリアシートもそうですが、カーゴスペースの乗り心地はわかりにくいから吟味する必要があります。
そこで効果が発揮されると思われるのは、サスペンションの硬さを変更するドライブモードの有る無し。ここ数年は乗り心地を硬めに設定するクルマが多いので、これが効果を発揮します。ドライブモードを標準よりも柔らかいコンフォートにすれば車酔いの確率は減るでしょう。さらに言えば、ロングホイールベースであればなおOK。しなやかな足のセッティングがキャビンの乗り味をよくします。ホイールベースは3mくらいあればいいかな。
九島氏がオススメするのがボルボXC90。フラッグシップSUVだが、中古車であれば購入はかなり現実的だ
人気のSUVタイプでホイールベースの長さが乗り心地のよさにも貢献している
3列目シートはこのようにフラットに収納可能。ワンちゃんにとってもくつろげるスペースになる
九島氏オススメモデルその2 ポルシェ カイエン(先代モデル)。セレブ気分を味わえる1台で、中古車であればこちらも現実的な価格で手に入る
九島氏オススメモデルその3。高級オフローダーの代名詞であるメルセデス・ベンツ Gクラス。車高が高いため、ワンちゃんが乗り降りできるかは購入前に確認したい
愛犬と出かけたい九島氏オススメの施設

「小谷流の里 ドギーズアイランド」公式サイトから。こちらは愛犬家のためのリゾート施設となっている
それじゃ、そんなクルマに乗ってどこへ出かけるかですが、海岸もいいですが千葉にあるドギーズアイランドがオススメです。整備された天然芝のドッグランやドッグプールがありますし、ワンちゃん関連のグッズもたくさん売っています。それに愛犬と同席できるレストランも。テラスだけ同席できる店はたくさんありますが、ここは店内も一緒にいられ食事ができます。それに一緒に泊まれるホテルも併設されます。部屋にはゲージが常設されているので便利。いちいちクルマから下さなくて済みます。
この他にワンちゃんと泊まれるホテルはいくつかあります。ハイアットリージェンシー箱根リゾート&スパや小田急箱根ハイランドホテル、星野リゾートリゾナーレ八ヶ岳などなど。ラグジュアリーなクルマでラグジュアリーなホテルに泊まり、ワンちゃんとの楽しい一夜を過ごすのは飼い主にとっても贅沢な時間。アフターコロナはそんな風に過ごしたいものですね。
ホンダでは愛犬家のための用品「Honda Dogシリーズ」を展開中。こちらは、ペットシートプラスわんの使用イメージ。超小型犬2匹か小型犬1匹用
「Honda Dogシリーズ」からペットドアライニングカバー。キズや汚れからドアを守ってくれるアイテム
「Honda Dogシリーズ」からペットシートサークル。25kgまでのワンちゃんに対応するワンちゃん用シート
執筆者プロフィール:九島辰也(くしま たつや)

自動車ジャーナリストの九島辰也氏
外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの”サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。