輸入車
更新日:2020.11.04 / 掲載日:2020.11.04

アストンマーティン|ブランドヒストリー vol.7|

文●ユニット・コンパス 写真●アストンマーティン
※中古車参考価格はすべてグーネット2020年10月調べ。
※写真は一部本国仕様の場合があります。
(掲載されている内容はグーワールド本誌2020年12月号の内容です)


イギリスを代表する高級スポーツカーブランド アストンマーティンは、いかにして現在の地位を確立させたのか。

モータースポーツの成功でブランドが発展

 栄枯盛衰の激しいイギリスの自動車産業界において、ひとり気を吐くのがアストンマーティン。創業は1913年、一貫して高級スポーツカーを手掛けてきた老舗だ。
 現在、主力であるスポーツカーに加えて、4ドアモデルやSUVとラインアップを拡大。さらにブランド初のハイパーカーである「ヴァルキリー」を2020年後半のデリバリーを予定して開発中と、勢いに乗っている。
 そんなアストンマーティンの歴史を語るにあたっては、1947年から2代目オーナーとなったデイビッド・ブラウンの存在を抜きにすることはできないだろう。現在でも車名として使われる「DB」は、彼のイニシャルに由来しているからだ。
 創業者であるライオネル・マーティンとロバート・バムフォードのモータースポーツへの情熱を受け継いだデイビッド・ブラウンは、市販モデルの開発を行いながらレースにも積極的に参戦。特に1956年のル・マン24時間レースでデビューを果たした「DBR1」は、57年、58年、59年と立て続けに優勝を飾り、アストンマーティンの名声を高めることに大きく貢献した。
 モータースポーツで培った技術で市販車を高性能化し、「DB4」(1958年)では市販車として初めて停止状態から時速160kmまで加速、完全停止までのタイムが30秒を切ることに成功。さらに映画「007」で主人公ジェームス・ボンドが愛車とした「DB5」(1963年)などの傑作を生み出すことで、高性能で、なおかつ美しいスポーツカーを作るブランドとして認知された。
 その後、幾たびもオーナーが交代するなど、順風満帆とは言い難い時期もあった。だが、美しく、高性能なスポーツカーを作り続けるというアストンマーティンの信念は決して揺らがない。それこそが、創業から受け継がれてきた価値だからだ。

アストンマーティンが目指す道を決めた2人のカーガイ

 1913年、ライオネル・マーティンとロバート・バムフォードがロンドンの小さな工房を立ち上げた。そこで2人はモータースポーツに参加しながら、より速く、パワフルで快適、そしてなにより美しいクルマを作ることに専念したという。ブランド創立から100年以上経った今でも、その志は変わっていない。

[CLOSE UP]2020年に70周年を迎えた伝統の名前「ヴァンテージ」

 DB2から始まった、アストンマーティンでもっとも有名な「ヴァンテージ」という名称。当初はエボリューションモデル的な意味合いだったが、現在では車名そのものとして使われている。その車名の歴史が2020年に70周年を迎えた。アストンマーティンにとってかけがえのないアイコンであり、象徴的な存在だ。

  • 創業100周年を記念して作られた美しきスピードスター

     2013年に迎えた創業100周年記念事業の一環として制作されたコンセプトカーが「CC100スピードスター・コンセプト」(写真下)。1959年のレースカー「DBR1」をモチーフにした究極のスピードスター。

  • これで貴方もジェームス・ボンド価格は3億8000万円也

     スクリーンの勇姿そのままに再現された映画007仕様の「DB5 ゴールドフィンガー コンティニュエーション」モデルの第1号車が2020年7月に完成した。限定25台で価格は約3億8000万円とのこと。

  • アストンマーティンとして初のSUVとなるDBXを発売

     2019年にはブランド初のSUVとなるDBXを日本でも発売。アストンマーティンならではのデザイン言語とパフォーマンスを、オンロードだけではなくあらゆる路面で発揮するニューフェイスだ。

  • ル・マン24時間レースでダブルタイトルを獲得

     2020年のル・マン24時間レースでは、GTE ProクラスとGTE Amクラスでダブル優勝という快挙を達成。FIA世界耐久選手権(WEC)のシリーズにおいてもマニュファクチャラーズタイトルを獲得した。

いまオススメの中古車で探せる[アストンマーティン]

DB9

 5.9LV12エンジンを搭載した高性能GTカー。DB7の後継モデルにあたり、当時のラインアップでは中間的なポジショニングであった。2013年にはビッグマイナーチェンジを受けている。
中古車参考価格帯:500万円~1600万円(04年~16年)

V8 ヴァンテージ(先代)

 高性能モデルに与えられた名称を受け継いだ、軽量な2シータースポーツモデル。初期型は4.3LV8(385馬力)を、後期型は4.7LV8(426馬力)を搭載。クーペのほかオープンモデルも存在。
中古車参考価格帯:500万円~1050万円(05年~18年)

DB11

 現在のラインアップで中核モデルとなるDB11。エンジンは5.2LV12ツインターボを搭載。2018年からはV12の「DB11 AMR」と4LV8ツインターボの「DB11 V8」を販売している。
中古車参考価格帯:1800万円~2400万円(18年~20年)

ラピード

 同時期に販売されていたDB9とメカニズムを共有した4ドアセダン。その名称は、60年代のラゴンダ・ラピードにちなんだもの。パワートレーンは5.9LV12で最高出力は477馬力。
中古車参考価格帯:700万円~1150万円(10年~20年)

V12 ヴァンキッシュ(先代)

 21世紀が始まった年にデリバリーが開始されたフラッグシップモデルで、5.9LV12を搭載。年間生産台数は300台ほどで、トータルでの生産台数でも3000台以下というレアモデルだ。
中古車参考価格帯:1100万円~1300万円(01年~07年)

ヴァンテージ

 DB11から導入された新デザイン言語を採用している第2世代ヴァンテージ。上位車種よりホイールベースを短縮し、よりピュアなスポーツモデルとして作られた。エンジンは4Lツインターボ。
中古車参考価格帯:1500万円~2250万円(17年~20年)

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グーネットマガジン編集部

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