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更新日:2020.09.30 / 掲載日:2020.09.30

TOYOTA ハリアー 注目すべき7大ポイント

icon TOYOTA ハリアー

発売1か月で4万5000台を超える受注を集めるなど、好調な滑り出しをみせる新型ハリアー。このままの勢いでいけば今年1番の注目モデルになることは確実。ここではこれほどの人気を集める理由を改めて確認してみたい。

POINT1 基本性能

TNGAの恩恵は明らか その実力は想像以上

 デビュー直後とはいえ、4万5000台を超える受注は驚き。実力モデルが揃うミドルSUVの中においてもこれほどの人気を集める理由はいろいろあるが、まず注目したいのはクルマとしての基本性能、“走る/止まる/曲がる”が、際立って良くなっていることだろう。

 その性能向上の核となるのがシャシー関連。プラットフォームはTNGA技術が注がれた新世代GA-Kに一新。足回りや操舵、ボディ構造などの基本構成はRAV4系と共通になるが、程よい柔らかみを持つサスチューンや一体感の高いハンドリング特性、さらに静粛性を高める防振処理を多用するなど、細部の味付けを変えることでRAV4とは上手に差別化されている。先代との比較でも、オンロードに重きをおいた味付けは共通だが、新型はより快適性や寛ぎ重視の乗り味に仕上げており、最近のプレミアムSUVのトレンドを上手にキャッチアップしている印象だ。

 また安全&運転支援機能の充実も見逃せない。トヨタセーフティセンスは夜間歩行者や自転車を検知するプリクラッシュセーフティや強力な操舵支援を行うLTAなど、高機能を持つ最新仕様が全グレードに標準装着される。周辺検知機能のアップデートも著しいなど、一世代以上の進化を遂げている。

スタイリングの方向性はまったく異なるが、ボディ&シャシー設計にはRAV4譲りの最新技術を投入。従来に比べ剛性向上と軽量化が図られたことで、大幅な性能向上を達成している。

静粛性の向上もハリアーのこだわりの一つ。車室内の各所に吸音材を配置したほか、ダッシュボード裏に遮音構造を持つサイレンサー制振材、エンジンルームやフロント/リヤライナーの裏面に吸遮音材を配置している。

重厚感としなやかな走り味を狙ったサスチューンもハリアー独自のセッテイング。バネ特性を最適化し上下挙動を巧みに制御することで、路面の凹凸やアップダウンに対して高い反応特性を手に入れている。

  • 最新のトヨタセーフティセンスの標準化も新型の強みの一つ。高速道路などで強力な操舵支援を行うLTAを筆頭に、ロングドライブ時に重宝する機能が目白押しだ。

  • 先代は後側方からの車両の接近を検知するBSM(ブラインドスポットモニター)は設定されていないが、新型はZ系には標準装備、G系とSはOPで用意されている。

POINT2 パワートレーン

新世代ユニットに一新。FF・ハイブリッドが選べるのも◯

 パワートレーンはガソリン車もハイブリッド車も、RAV4同様の新世代ユニットに一新。ガソリン車が2L直噴NA+ダイレクトCVT、ハイブリッド車は2.5L直噴NA+モーターの組み合わせだ。共に十分以上のパフォーマンスを備えているが、ガソリン車の方がちょっと軽快で元気すぎる印象が強い。動力性能の余力感と落ち着いたフィーリングを好むユーザーには、ハイブリッド車の方が“ハリアーらしさ”を感じるだろう。

 ちなみに新型はFF駆動のハイブリッドモデルが設定された。先代に比べて約30万円ほど低い価格帯で、ハイブリッド車を狙えることも魅力的だ。

icon ハイブリッド車

価格帯:358万-504万円

 RAV4と同じ2.5L直4ダイナミックフォースエンジン+モーターの新世代THS 2を採用。メカニズム構成のみで比べると、先代と同等レベルと思ってしまうが、レスポンスや余力感、経済性など圧倒的に性能が高まっている。FF車が選べるようになったことで、ガソリン車との価格差が縮まっていることも見逃せない。

■主要諸元(ハイブリッド Z “Leather Package” FF)  ●全長×全幅×全高(mm):4740×1855×1660 ●ホイールベース(mm):2690 ●車両重量(kg):1680 ●パワーユニット:2487cc直4DOHC(178PS/22.5kg・m)+モーター(88kW/202N・m) ●トランスミッション:電気式CVT ●WLTCモード総合燃費:22.3km/L ●ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F)/ディスク(R) ●サスペンション:マクファーソンストラット式(F)ダブルウィッシュボーン式(R) ●タイヤ:225/60R18 

icon ガソリン車

価格帯:299万-443万円

 ガソリン車は、近年、トヨタのミドル級モデルに採用が進んでいる、2L直4ダイナミックフォースエンジン+ギヤ付きのダイレクトシフトCVTという組み合わせ。出足の効いたレスポンスや一体感があるステア反応などはハイブリッド車と同様だが、落ち着いた雰囲気が強いハイブリッド車に対して、ガソリン車の走りは軽快さが強調される印象だ。

■主要諸元(ガソリン Z “Leather Package” FF)  ●全長×全幅×全高(mm):4740×1855×1660 ●ホイールベース(mm):2690 ●車両重量(kg):1600 ●パワーユニット:1986cc直4DOHC(171PS/21.1kg・m) ●トランスミッション:ダイレクトシフトCVT ●WLTCモード総合燃費:15.4km/L ●ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F)/ディスク(R) ●サスペンション:マクファーソンストラット式(F)ダブルウィッシュボーン式(R) ●タイヤ:225/60R18

POINT3 キャビン&ラゲッジ

上質感と快適性の バランスが絶妙 派手さは控えめだが 満足度は高い

 触り心地にもこだわったレザー調加飾に加え、ウッド調パネルやパイピング処理を巧みに織り込んだキャビン空間は、先代に比べるとフォーマル感が強まった印象。カジュアル感が強いRAV4とは異なるイメージを楽しませてくれる。キャビンスペースは、ルーフ中央から後端にかけて絞り込まれたデザインが採用されたこともあって、後席の頭上空間は少々の圧迫感を感じるが、収まりの良いシートのおかげもあって居心地は良好。先代の上位グレードほどの派手な仕立てではないが、バランスの良いパッケージングは大きな武器になっている。

センターにはディスプレイが配置される基本レイアウトはRAV4系と共通だが、基本意匠は完全に別物。スイッチ類が目立たない配置の工夫や、1ランク上の質感を感じるトリム類やパネル素材などでも差別化が図られている。

足元のゆとりは十分確保されるなど寸法的には十分だが、頭上のゆとりや前方視界には少々圧迫感も感じる。ラゲッジ床面は防汚仕様ではないが、広さや使い勝手で不足に感じるシーンは少ないだろう。

POINT4 車載インフォテインメント

“ハリアー専用”を 全グレードに標準装備

 車載インフォテインメント機能の進化も、新型ハリアーの見所の一つ。新型は8インチのDA(ディスプレイオーディオ)もしくは、12.3インチのSDナビが標準装着される。DAはスマホとの接続を前提としたシステムだが、OPでナビキットを組み込めば、従来同様の独立型ナビを使用することも可能。OP価格が高価だった先代の純正ナビシステムに比べると、導入のハードルは大きく下がっているのだ。

新型は全グレードにハリアー専用の車載システムが標準採用。最上位のZ系は12.3インチモニター+SDナビ(左)、SとG系は8インチモニター+DA(右)が装着される。ただモニターのベース部は共通のため、8インチモニターだと左右のベゼルが大きくなってしまう。

Z系の12.3インチモニターのナビ画面。地図領域の横に情報画面が表示される仕様のため、地図1枚を広々と確認できるワイド表示に対応していない。

POINT5 グレード&装備選び

絶妙な価格設定も見逃せない。ただ、最上位=ベストにあらず

 性能/機能面で優れていることが新型の魅力であることは間違いないが、絶妙な価格&装備設定も人気を集める理由。最新のパワートレーンやシャシー、安全&運転支援機能が装着されているにzもかかわらず、スタート価格は300万円を切るなど、ライバルモデルが真っ青になるようなプライスで勝負しているのだ。

 ただし、グレード間の装備と価格の違いには注意が必要。上級装備満載のZ系はハリアーらしさを満喫できるグレードだが、その下のG系でもプレミアムSUVとして十分な内容を持っている。パワートレーンの価格差も大きい(約60万円)だけに、ガソリン・Zよりもハイブリッド・Gというような選び方を検討するのも悪くない選択だ。

  • 車両後方カメラの映像をインナーミラー内に表示するデジタルインナーミラー。前後方録画機能も備わるが、記録できる画像の画角がやや狭め。本格的な記録を求めるならば専用品の装着がベターだ。

  • ガラス自体に調光・透過機能を持たせた調光パノラマルーフは、Z系にメーカーOPで設定される。オーダー時の装着比率も高い新型の目玉装備の一つだが、OP価格が19万8000円とやや高価だ。

POINT6 カスタマイズ

メーカー系チューナーがいち早く参入 個性豊かなハリアーにも注目すべし

 歴代ハリアーはいずれも人気モデルゆえに、アフターパーツ市場でも注目を集めているモデルだ。当然、新型も大きな期待を集めており、独自のエアロスタイルが登場するのは間違いない。

 そんな流れの中、いち早くカスタマイズプログラムを発表したのがTRDとモデリスタだ。いずれも完成度が高く、純正スタイルとは違ったハリアーを楽しませてくれる。

 また、メーカー直系チューナーということも魅力の一つ。新車購入時にプログラムをディーラーOPとして注文することができるため、美しいスタイリングを確実に手に入れることができる。自分だけのオリジナルハリアーを求めるユーザーにとって、TRDとモデリスタが手がけたハリアーは魅力的な選択になるだろう。

icon TRD

icon MODELISTA

POINT7 最新購入情報

車体本体目標値引き 18万円

納期目安 4-6ヶ月

 新型ハリアーの発売リリースに記載されていた月間の目標販売台数は3100台。1か月の初期受注が約4万5000台なので、約15倍の受注が集まったことになる。当初の目標販売台数は低すぎたのは間違いないが、コロナ禍の中でも新型は相当な人気を集めていることが分かる。そこで問題になるのが、手元に届くまでの納期の長さ。グレードやボディカラー、装備仕様などで差はあるが、都内ディーラーでは4か月、人気のハイブリッド・Zレザーパッケージなどは半年近くとアナウンスしているほどだ。

 一方、購入時に気になる値引き額は、品薄の新型車とは思えぬほど拡大傾向。トヨタ全車種併売化の流れもあってディーラー同士の競争が激化しているため、しっかりと競合させればかなりの良い条件が引き出せる。編集部には値引き総額30万円超えの報告例も来るほどだ。

トヨタのサブスク「KINTO」にハリアーもラインナップ

 月々いくらの支払いで新車に乗ることができる、トヨタの「KINTO」。税金や保険も含めた金額を月々払いすることで、クルマを所有できる新しいサブスクサービスに、ハリアーはいち早く対応している。設定グレード・契約期間で月々の支払い額は異なるが、ガソリン車のG(FF)の7年契約で、月々の支払いは5万4010円(税込)。税金や諸費用、任意保険代、車検費用までコミコミになることを考えれば、一考の価値はあるのでは?

●文:月刊自家用車編集部

提供元:月刊自家用車

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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