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更新日:2020.07.03 / 掲載日:2020.07.03
【プジョー 208 フルモデルチェンジ】先進装備も充実! 電気自動車バージョンも存在する

プジョー 新型208
文●大音安弘 写真●プジョー
プジョー・シトロエン・ジャポンは、2020年7月2日、YOUTUBEを活用したオンライン発表会にて、Bセグメント・コンパクトハッチバックモデル「208」シリーズのフルモデルチェンジを発表した。新シリーズの価格は、239.9万円~423万円となる。
欧州カーオブザイヤー2020に輝いた実力派

新世代プラットフォーム「CMP」
8年ぶりに刷新されたプジョー208は、2019年3月のスイス・ジュネーブモーターショーで世界初公開され、欧州にて販売が開始された。その評価は上々で、「欧州カーオブザイヤー2020」に輝いたほどだ。日本でも、昨秋に先行公開イベントが実施されており、その導入が待ちわびられていた。
新型208の大きな特徴は、新世代プラットフォーム「CMP」や新世代「i-コクピット」の採用、ADAS機能の強化。そしてEVの初設定など、新型コンパクトというだけでなく、最新プジョーモデルとしても見どころ満載だ。
一目惚れ間違いなし!?若々しく洗練されたスタイル

より伸びやかでスポーティなシルエットをとなった新型208
新型208はトピックにあふれているが、最大の魅力は、人々の視線を奪うスタイリッシュなスタイルだろう。5ドアのハッチバックスタイルを基本とするが、従来型と比べ、ワイド&ローを強調することで、より伸びやかでスポーティなシルエットを手にしている。
そのプロポーションを可能としたボディサイズは、全長4095mm×全幅1745mm×全高1445mm(※アリュール)と、全長は、なんと+120mmも拡大。さらに全高も-25mmとすることで、サイズの変化がもたらす、プロポーションの変化も大きかったようだ。ただし、車両重量は、従来型とほぼ同等で、最小回転半径も5.4mをキープしており、サイズアップの影響がないように、十分な配慮がなされている。
フロントマスクには、新生代プジョーの象徴といえる3本爪をモチーフとしたフルLEDヘッドライトや通称セイバーと呼ばれるシャープなデイタイムランニングライトを備えた精悍なマスクが与えられている。ノーズにモデル名のエンブレムが輝くのも新生代モデルの特徴だ。サイドビューでは、Cピラー周りの変化が大きく、グラマラスなラインを描き、安定感を演出するボリューミーなリヤビューと相まって、ファストバックスタイルに纏められている。リヤセクションでは、508などの最新モデル同様に、ブラック化されたガーニッシュを組みわせたテールランプと同じくブラック仕上げのディフューザーが力強さを表現する。
デザインは、EV版である「e-208」も踏襲するが、ボディ同色がアクセントカラーに加えられるラジエーターグリル、角度により色味が変化するダイクロイックライオンのエンブレム、Cピラーの専用エンブレムなどが加えられ、差別化が図られている。

全長4095mm×全幅1745mm×全高1445mm(※アリュール)と、全長は+120mmも拡大された

EV版である「e-208」はラジエーターグリル、角度により色味が変化するダイクロイックライオンのエンブレム、Cピラーの専用エンブレムなどで差別化
進化したi-Cockpitのインテリア

小径ハンドルによる独自のドライビングスタイルを継承しつつも、メーターパネルを改良した「3D i-Cockpit」を採用
従来型208から採用された「i-Cockpit」は、新型208で新しい扉を開く。それが「3D i-Cockpit」だ。小径ハンドルによる独自のドライビングスタイルを継承しつつも、メーターパネルを改良。メーターパネル自体をより立体的なデザインとしただけでなく、表示もホログラム技術を取り入れることで、3次元的に表現。情報を2層表示とすることで、ドライバーの情報反応スピードを高めているという。
シートは、スポーティなGT Lineには、ホールド性の高いダイナミックシートを採用。また量販グレードとなる充実装備のアリュールは、長距離移動でも疲れにくいコンフォートタイプとした。
快適なドライブを支える機能である7インチのタッチスクリーンは、Apple CarPlayとandroid Autoに対応。センターコンソールには、ワイヤレスチャージング機能も採用している。またGT Lineでは、フランス車らしいパノラミックグラスルーフも用意される。
新プラットフォームにより強化されたADASは、衝突被害軽減ブレーキ、バックソナー、バックモニター、標識認識機能、車線逸脱抑制機能などの基本機能を全車に標準化。さらに仕様に合わせて、ACC、インテリジェントハイビーム、アクティブブラインドスポットモニターシステムなど機能を追加し、内容を充実させている。
ホログラム技術を取り入れることで、3次元的に表現したメーター
7インチのタッチスクリーンは、Apple CarPlayとandroid Autoに対応
スポーティなGT Lineには、ホールド性の高いダイナミックシートを採用
ガソリン車かEVをお好みでチョイス

航続距離は、340km(WLTPモード)を確保
プジョーモデル初採用となるPSA新世代コンパクトカー用のプラットフォーム「CMP」は、軽量化や高効率化に加え、快適性の向上や先進の安全運転支援機能の対応を可能とし、208の性能全般を飛躍的に向上させている。そのひとつがEVへの対応だ。
目玉であるEVモデル「e-208」は、最高出力136馬力(100kW)、最大トルク260Nmを発揮する電気モーターと50kWhの大容量リチウムイオン電池を搭載。力強い走りを可能とするモーター性能を与えながらも、航続距離は、340km(WLTPモード)を確保と実用的なスペックを備える。
EV性能を最大限活用するため、ドライバーのニーズに合わせ、パフォーマンス重視の「スポーツ」、バランス重視の「ノーマル」、航続距離を最大化させる「エコ」の3つの走行モードを用意。またブレーキモードは、エンジン車に近い、回生ブレーキを強調しない「D」モードとエネルギー回生を強化し、アクセル操作で積極的な減速もコントロールする「B」モードをシフト操作で選べるようにしている。
充電については、200Vの普通充電とCHAdeMO急速充電に対応。200V充電の場合、コンセントタイプに対応する3kW・15A・200Vケーブルを標準搭載。フル充電まで約18時間を要する。出力の大きい6kW/200Vウォールボックスタイプの利用も可能で、こちらでは、フル充電まで約9時間となる。また急速充電(50kW)なら、80%充電まで約50分と公表する。ただコンセントタイプでも、通勤など1日の移動量の目安である50km走行に必要な電力なら、約4時間弱で行えるとする。
さらにEVの利便性を向上させるべく、専用アプリ「eリモートコントロール」を無償提供し、スマートフォンによる遠隔でのエアコン操作や充電予約などを行えるようにした。
ポピュラーなガソリン車は、定評のある1.2L直列3気筒DOHCターボエンジンに8速ATの組み合わせ。最高出力100馬力(74kW)/5500rpm、最大トルク205Nm/1750rpmを発揮する。最新仕様では、GPFフィルターの装着により、排ガスのクリーン化に加え、約7%の燃費改善を実現。JC08モードで19.5km/Lの走行を可能とした。

1.2L直列3気筒DOHCターボエンジンは最高出力100馬力(74kW)/5500rpm、最大トルク205Nm/1750rpmを発揮
EVのコスト的な特別感の払しょくを目指す

プジョー・シトロエン・ジャポンでは、EVとガソリン車の月額の同程度に抑えるプランを提案する予定
グレード構成は、ガソリン車が、エントリーグレードの「スタイル」、充実装備の「アリュール」、スポーティ仕立ての上級グレード「GT Line」の3タイプを用意。一方、EVのe-208は、「アリュール」と「GT Line」の2タイプとなる。基本的に、EV専用装備を除けば、グレードによる装備差はないという。但し、価格帯は、ガソリン車が239.9万円~293万円であるのに対して、EVは389.9万円~423万円となり、同グレード比だと130万円も高価だ。
ただプジョー・シトロエン・ジャポンでは、EVとガソリン車の月額の同程度に抑えるプランを提案することで、ユーザーの好みに合わせたパワートレイン選択の自由を提供するとしている。まだまだ高価なイメージが強いEVだけに、この施策にも注目したい。
プジョー e-208 GTライン(CVT)データ
■全長×全幅×全高:4095×1745×1465mm
■ホイールベース:2540mm
■トレッド前/後:1495/1495mm
■モーター:交流同期電動機
■駆動用バッテリー:50kWh
■最高出力:136ps/5500rpm
■最大トルク:26.5kgm/300-3674rpm
■サスペンション前/後:ストラット/トーションビーム
■ブレーキ前/後:Vディスク/ディスク
■タイヤ前後:195/55R16