輸入車
更新日:2019.11.08 / 掲載日:2019.11.08

【メルセデス・ベンツ SLクラス】高級ロードスターが新車の半額!? 買うべきグレードはコ

 中古車の楽しいところは、思いもよらぬ高級モデルが、驚くほど安く手に入ること。視点を変えると、高級モデルは中古車になると値落ちが大きい傾向にあるとも言える。たとえば、今回紹介するメルセデス・ベンツ SLクラスもそんな1台に該当するだろう。現在の新車価格は1329万円~1783万円(AMGを除く)と、簡単には手が出せない価格帯にある。それが、中古車ならば400万円の予算で狙えるとしたら、購入の現実味が増すのではないだろうか。さらに、先代モデルなら100万円台の物件も夢ではないとしたら……? そんなわけで、ここではメルセデス・ベンツ SLクラスの相場を紹介していきたい。

メルセデス・ベンツ SLクラスってどんなクルマ?

 SLクラスのルーツとなる300SLが世に誕生したのは1952年のこと。レーシングマシンの公道向けモデルとして生まれた300SL(W198)は、ガルウイングドア、ガソリン車初の直噴エンジンを採用するなど、非常に斬新で高性能なリアルスポーツカーだった。また、同時に190SLという安価で扱いやすいモデルも登場。これらが現在まで連綿と続くSLの初代に当たる。その後1963年には2代目(W113)、1971年には3代目(R107)、1989年には4代目(R129)とモデルチェンジを重ねてきた。

 時代は21世紀に入り、2001年10月には5代目SLクラス(R230)がデビュー。連なった丸型ヘッドランプ、電動格納式ハードトップを採用するなど、すべてが新しく生まれ変わったのが特徴。その後2012年3月には現行型となる6代目(R231)へとフルモデルチェンジ。メルセデスの量産車では初となるアルミモノコックボディを採用し、電動格納式ハードトップはそのまま継承されながらも、先代から大幅に軽量化したのがトピックである。より凛々しくなった外観と合わせ、高級2座ロードスターとしての存在感が一層高められたのだった。

メルセデス・ベンツ SLクラスの年式別中古車価格相場は?

 ここでは、現行型SLクラスの改良遍歴を振り返り、各年式の中古車平均価格をみていこう。日本に導入されたのが2012年3月のこと。当初のラインアップは、3.5L V6の「SL 350」、4.7L V8ツインターボの「SL 550」、さらに高性能バージョンとして5.5L V8ツインターボ「SL 63 AMG」の3モデルが展開された。同年8月には、6.0L V12ツインターボを積む「SL 65 AMG」も登場。2013年8月には、「SL 350」と「SL 550」にAMGスポーツパッケージを標準装備とするなど、価格は据え置きながら商品力を高めた。

 2014年8月の一部改良では、「SL 350」と「SL 550」に「マジックスカイコントロールパノラミックバリオルーフ」を標準装備。これは、スイッチひとつでルーフの透過率を変更し、クリアモードとダークモードを好みに応じて切り替えられる装置。クローズ時でもオープン気分を味わえる装備となっており、悪天候時には嬉しい装備と言えよう。また、「SL 63 AMG」は、従来から最高出力48馬力アップの585馬力を達成し、さらにLSDを採用してコーナーリング性能を高めた。

 2015年に入るとメルセデスのラインアップ各車のネーミングが変更され、SLクラスは単に「SL」と呼ばれるようになる。その年の8月には、もっともベーシックな「SL 350」にもアクティブ・ボディ・コントロール、ナッパレザーシート、ハーマン・カードンサウンドシステムが標準装備となるなど、魅力をアップ。さらに「SL 550」は、最高出力を従来比20馬力アップの455馬力を達成し、動力性能を高めた。

 2016年6月には、現行型では初となるビックマイナーチェンジが行われた。角ばったフロントデザインは、先代を思わせる丸みのあるスタイルに変更され、大胆なイメチェンを図ったのが新型の特徴。また、新世代3.0L V6ツインターボを搭載した「SL 400」を設定し、「SL 550」と併せて、走行モードを切り替える「ダイナミックセレクト」や新世代9速ATが組み合わされた。

年式別中古車平均価格
年式中古車平均価格
 2012年式  539万円 
 2013年式  572万円 
 2014年式  507万円 
 2015年式  547万円 
 2016年式  752万円 
 2017年式  790万円 
 2018年式  975万円 
※中古車平均価格はグーネット2019年10月31現在のデータによる。


2012年式が物件豊富で手頃な相場

 2016年に大幅改良を受けたSLだが、これ以降の後期型は軒並み高額。2016年式でも平均価格は752万円だから、こちらの買い時はモデルチェンジ以降となりそうだ。しかし、前期型は概ね500万円~600万円のゾーンにある。とくにデビュー年となる2012年式の物件がもっとも充実しており、平均価格は539万円。探せば400万円前後の物件もそれなりの数が流通している。

メルセデス・ベンツ SLクラスのグレード別中古車価格相場は?

 現行型のグレード構成は、エントリーモデルとして3.5L V6を積む「SL 350」、上級モデルに4.7L V8ツインターボを積む「SL 550」を設定。2016年のマイナーチェンジで「SL 350」が廃止され、3.0L V6ツインターボを搭載する新たなエントリーモデル「SL 400」が登場。そのほか、AMGモデルとして5.5L V8ツインターボの「SL 63」と6.0L V12ツインターボの「SL 65」を設定し、幅広いバリエーションが展開されている。ここでは、AMGを除いた現在の平均価格を算出してみた。

グレード別中古車平均価格
グレード中古車平均価格
SL 350474万円
SL 400771万円
SL 550607万円
※中古車平均価格はグーネット2019年10月31現在のデータによる。


購入後も維持しやすい「SL 350」がオススメ

 SLクラスを購入する際、6気筒か8気筒かで悩むことが多い。価格は当然ながら6気筒が安くなっており、物件数も豊富。その一方で、8気筒のパワフルなフィールは一度味わうと6気筒では物足りないと感じるひともいる。このクルマは、実用車ではなく趣味車なのだから、そこは妥協したくないとの考えもあって然るべき。しかし、両者のあいだで平均価格に100万円以上の差があるため、8気筒は手が出しにくいというのが現状である。そんなわけで、ここでのオススメは6気筒の「SL 350」。車両本体価格はもちろん、維持費の負担も軽い。そして何より、物件数が8気筒の倍以上流通しているから探しやすい。

メルセデス・ベンツ SLクラスの中古車価格相場のまとめ

 現行型は、新車時の半額から購入できるとはいえ、最低でも400万円前後の予算は必要。しかし、先代ならばさらに安く入手できることを、ぜひ知っておこう。先代モデルは2001年から2012年まで10年以上に渡って販売されたから、現行型以上に物件は充実している。全年式を通じて平均価格は243万円にまで下がり、低予算で狙えることに注目したい。2008年に大幅改良を受けてデザインが変更されたが、これ以降のモデルは物件がやや控えめ。狙うならそれ以前の前期型がオススメだ。

 先代SLクラスは、物件自体は100万円前後の個体が存在するが、このような車両は多走行車が中心。走行距離5万kmの良質な物件を探すなら200万円は見積もっておきたいところ。高額車両ゆえ、記録簿の有無なども事前にチェックしよう。先代、現行ともにSLクラスは、現実的な選択となっている。

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グーネットマガジン編集部

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