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更新日:2019.10.29 / 掲載日:2019.10.29

TOYOTA グランエース超解剖

全長5.3m、全幅1.97mと今までの日本にはなかったフルサイズワゴンが遂に登場する。ネーミングもハイエースの上をいく「グランエース」。年内にも発売が予定されているが、この大きさはミニバン感覚で使えるのか? 先取り検証してみよう。

icon TOYOTA グランエース

大型の金属調加飾付きグリルをはじめ上質なしつらえが随所にみられる。3210mmというロングホイールベースを活かした存在感あるサイドビューも魅力。ドアミラーなどのクロームメッキがプレミアム感を演出する。

多人数が快適に移動できる欧米的な価値観のミニバン

 ファミリーカーとしてミニバンが豪華さや高級さを競うのは、日本を中心としたアジアの一部だけ。海外でのミニバンは、バンというよりも小さなバスに近い位置づけで、大人数が快適に移動できる機能がまず重視される。
 トヨタ車体ブースに展示され、年内の発売が予定されているトヨタのグランエースは、そうした海外のミニバンに近い商品企画の大型多人数乗車モデルだ。なにしろ全長5.3m、全幅1.97m。高級Lクラスミニバンとして人気のアルファード/ヴェルファイアをもしのぐ巨体なのだ。
 その大きなボディに3列のキャプテンシートをゆったり並べた6人乗りは、どこに座ってもファーストクラスの快適さ。4列シートの8人乗りでも、定員乗車でロングドライブが楽しめるだろう。
 もっとも、巨大なメッキグリルでサイズに応じた風格が与えられ、本革シートなどの上級装備が用意されるが、このクルマはいわゆる高級車ではない。エンジンも2.8Lのディーゼルのみ。主な用途は高級ホテル/旅館の送迎車や、ハイヤーなどのプロユース。もしかしたら、キャンピングカーなどの特殊車両の架装用ベース車としても、人気になるかもしれない。

●主要諸元
全長:5300mm、全幅:1970mm、全高:1990mm、ホイールベース:3210mm、トレッド前/後:1670/1670mm、室内長:3290mm(6人乗り)・3365mm(8人乗り)、室内幅:1735mm、室内高:1290mm、エンジン型式:1GD(クリーンディーゼル)、エンジン排気量:2754cc

グランエースは、ここに注目!

圧倒的なサイズがもたらす大空間

6人乗りの室内長は3290mm。8人乗りになると室内長は3365mmに達する。アルファード/ヴェルファイアは3210mmなので15.5cm長い。室内幅もグランエースは1735mmとアル/ヴェルより14.5cm広い。逆に室内高はアル/ヴェルの方が11cm高い。

アル/ヴェルのライバルになり得るか?

問題はボディサイズによる取り回しになってくるだろう。全長5.3m、全幅1.97mというサイズが気にならない環境ならば、アルファード/ヴェルファイアを超える存在感を手に入れることができる。海外向けのハイエースがベースになっているが質感も文句無しだ!

インパネはブラックを基調としているが、金属調加飾や木目調加飾を効果的に配置して、シンプルながら高級感を醸し出す。メーターフードには表皮巻きと本ステッチを施し、質感を高めている。

シートレイアウトは3列6人乗りと4列8人乗りが用意される予定。6人乗り2-3列目のシート形状はまったく同じで、専用本革キャプテンシートを採用。シートにはLEDサイドカラーイルミネーションも組み込まれ、乗員を優しく包む。

  • 4列8人乗り

  • 3列6人乗り

  • FRプラットフォームを採用し、1GD型2.8Lクリーンディーゼルエンジン+6速ATを搭載する。

  • グレードでサイズが違う可能性はあるが、モーターショー出品車のタイヤサイズは235/60R17。

  • 6人乗り3列目シートのアレンジは前後スライドのみ。ラゲッジスペースの拡大は、シート座面下のレバーでハッチゲート側から操作が可能だ。

  • 1列目と2列目間の天井には後席用エアコンスイッチとフリップダウンモニターが用意されている。天井埋め込みの照明付きバニティミラーは2-3列目にそれぞれ人数分計4個用意されている。

ライバル仮想対決

VS アルファード/ヴェルファイア

  • ヴェルファイア

    ●価格:343万8600~764万1700円

  • アルファード

    ●主要諸元
    (アルファード2.5G・7人乗りFF)
    全長:4945mm、全幅:1850mm、全高:1935mm、ホイールベース:3000mm、トレッド前/後:1600/1605mm、室内長:3210mm、室内幅:1590mm、室内高:1400mm、エンジン:2493cc直4DOHC(182PS/24.0kg・m)

普段使いならば、やっぱりアル/ヴェルのサイズが便利

 アルファードの全長は、最大のエグゼクティブラウンジでも4950mm。全幅も1850mmと1.9mを切る。いくらLクラスと言っても、普通のドライバーが街中で取り回すには、この程度が限界だろう。しかし、グランエースは全長5300mm、全幅1970mm。ここまで大きいと、取り回しはもちろん、街中の駐車場でも入れるところは限られる。奥様が買い物の足に使うには、完全にミスマッチだ。一方、低速トルクに優れる2.8Lのディーゼルエンジンと6速ATにFR駆動の組み合わせは、高速巡航で最高の経済性と快適性を引き出せる。たとえば地方都市から成田空港などへの乗り合いタクシーなどに最適だろう。東京オリンピック/パラリンピックでの観光客らの足としても、きっと活躍するはずだ。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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