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更新日:2019.08.22 / 掲載日:2019.06.21

マクラーレンから新コンセプト「GT」が登場。軽さにこだわった高級グランドツアラー

文と写真●ユニット・コンパス

 高級スポーツカーメーカーであるマクラーレンがニューモデル「GT」を発表、発売した。優れた乗り心地と上質感を持つグランドツアラーで、軽量設計によりドライバーとの一体感のある走りを実現した。価格は2645万円。

スポーツカーブランドとして成長してきたマクラーレンが新型「GT」で目指したもの

 新しい挑戦の始まりだ。レーシングコンストラクター直系のブランドとして軽量かつハイパフォーマンスのスーパースポーツを矢継ぎ早に送り出してきたマクラーレンが、新型「GT」によってグランドツアラーという異なるカテゴリーに進出する。そもそもGTカーは長距離を快適かつ速く走れるという性能と快適性、利便性を兼ね備えたものだが、マクラーレンは、そこに「軽さ」と「ドライバーとの一体感」という新しい価値を提案。これまでの常識を覆す新時代のグランドツーリングカー像を作り上げた。

2シーターに割り切ることで小旅行に対応する利便性を備えるマクラーレンの「GT」

 「GT」のボディサイズは4683×2095×1213mm(全幅はドアミラー展開時のもの)で、4LV8ツインターボエンジンをミッドシップに縦置きに搭載。従来のスポーツカーシリーズに対して全長を長く、全高をわずかに高く設定することで、長距離ドライブでの快適な車内空間を設計。さらに、最低地上高とアプローチアングルをグランドツーリングカー向けに設定することで路面の段差や歩道とのギャップへの対応力を高めている。また、車両定員を2名と割り切ることでシート後方に広大な荷室空間を確保。フロントのトランクと合わせて旅行やゴルフなどのレジャーにも対応する利便性を与えたという。

マクラーレンらしさを受け継ぎながら「GT」ならではの優雅さを演出

 スタイリングについても新しいテーマが盛り込まれた。今回の発表に合わせて来日したマクラーレンのチーフデザイナーであるゴラン・オズボルト氏は「GT」のデザインについて「マクラーレンらしさとグランドツーリングカーとしての様式を融合させた、異なるカテゴリーのクルマとしてデザインしました。グランドツーリングカーとしての使いやすさを確保するためにノーズを上げ、そのラインがテールまでシームレスに流れるように。マクラーレンの特徴であるティアドロップ型のキャビンは後方に長く伸び、リヤのラゲッジスペースを実用的なものとしています」と解説した。まるでガラスドームのような「GT」の特徴的なキャビンはCピラーもガラス張り。これはカーボンファイバー製のクラムシェル構造によるもので、開放感はもちろんのこと、斜め後方を含めて優れた視野をドライバーに提供する。

「GT」では新しいグランドツーリングカーのインテリアデザインに挑戦

 インテリアはスポーティかつラグジュアリーというグランドツーリングカーの伝統に則ったもの。新しい提案は、用いられるマテリアルだ。従来このカテゴリーの定番であったウッドパネルを排除。上質なレザーとローレット加工仕上げのアルミ素材、アルカンターラを組み合わせることで、新しい時代のラグジュアリー空間を演出。ラゲッジスペースにはNASAと共同開発したSuperFabricという新素材を採用。さらにカスタマイズプログラムによる幅広いオプションも用意。そのなかにはカシミアのようなこれまで自動車で用いられなかったような高級素材も準備されている。
 インフォテインメントについても新開発で、パワフルな10クアッド・コア・チップを採用し、中央の7インチスクリーンはタッチパネルによるスマートフォンライクな操作性を提供。ナビゲーションシステムにはリアルタイム交通情報が含まれ、Bluetoothによるスマートフォンとの連携にも対応する。

カーボンファイバー製モノコックといったスポーツカーのテクノロジーを「GT」にも受け継ぐ

 メカニズムのコアとなるのは、カーボンファイバー製シャーシ「モノセルII-T」で、従来的な構造に比べて数百kgもの軽量化と高い剛性を確保。ミッドシップに搭載される4LV8ツインターボエンジンは最高出力620馬力で最大トルクは64.2kgm。これによるパフォーマンスは0-100km/h加速が3.2秒、0-200km/h加速が9.0秒で、トップスピードは326km/h。
 サスペンションシステムは油圧式ダンパーによって減衰力をリアルタイムにコントロールできるもので、これにケンブリッジ大学と共同開発したソフトウェア「オプティマル・コントロール・セオリー」を組み合わせることで、前方の路面状況を認識、優れたハンドリング性能と快適な乗り心地を両立させたとしている。

魅力的なモデルを続々と追加し成長を続けるマクラーレン

マクラーレン・オートモーティブ・アジア日本支社代表の正本嘉宏氏(左)とマクラーレン・オートモーティブ チーフデザイナー ゴラン・オズボルト氏(右)

 プレゼンテーションに登壇したマクラーレン・オートモーティブ・アジア日本支社代表の正本嘉宏氏は「マクラーレンオートモーティブは、最高のプロダクトとカスタマーエクスペリエンスを提供する、エンターテインメントカンパニーです」と挨拶。今後もブランドのモットーである挑戦し続ける姿勢を忘れず、最先端のテクノロジーによる最高のモデルを1台1台ハンドメイドで送り出していくと語った。日本はマクラーレンにとってアメリカ、イギリスに次ぐ世界で3番目の市場で、本年度の販売台数は対前年比で64%増と成長を続け、国内累計販売台数が1000台を超えた。今回発売する「GT」は、2018年に発表された中長期ビジネスプラン「Track25」に基づく4番目のニューモデルとなる。

マクラーレン(7速AT)※諸元は欧州参考値

全長×全幅×全高 4683×2095×1213mm
ホイールベース 2675mm
エンジン V8DOHCツインターボ
総排気量 3994cc
最高出力 620ps/7500rpm
最大トルク 64.2kgm/5500-6500rpm
ブレーキ前後 Vディスク
タイヤ前後 225/35R20・295/30R21

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グーネットマガジン編集部

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