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更新日:2019.04.08 / 掲載日:2019.04.08
BRP、「Can-Am Ryker」を発売
BRPジャパンは、AT限定普通免許で運転可能な3輪モーターサイクル『Can-Am Ryker(カンナム ライカー)』を2019年3月29日(金)に発売した。「Ride Like No Other / 思いのままに、乗りこなせ」をコンセプトに、手軽さ(Accessible)、楽しさ(Fun)、カスタマイズ性(Customizable)を追求し、未経験者、女性、ベテランなど、幅広いユーザーに満足のいく走りと唯一無二のライフスタイルを提案する。車両本体価格は135万9000円から。
エンジンは600ccと900cc、ギアチェンジ不要なCVTを搭載
Can-Am Rykere Rally Edition
Can-Amの3輪モーターサイクルは、これまで「Spyder(スパイダー)」のみをラインナップしていた。スパイダーはライカーと同じく前2輪/後1輪のシステムを採用し、パドルシフト付6速ATを搭載しており、1330cc 3気筒エンジンは最高出力106psまたは117ps、最大トルク13.3kg-mを誇る。車両本体価格は237万円からで、2名乗車が可能な仕様もラインナップしている。
一方、今回発売となったライカーは、よりカジュアルに3輪ライディングを楽しめるよう、車体サイズや価格を抑えたモデルだ。
スパイダーと同じくロータックスエンジンを搭載し、バリエーションは600cc並列2気筒(48ps/4.8kg-m)と900cc並列3気筒(78ps/7.7kg-m)の2タイプ、トランスミッションはいずれもCVTを採用。ボディサイズはスパイダーよりひとまわり小さく、価格は135万9000~176万4000円とかなりリーズナブルだ。
ラインナップはライカー600/ライカー900/ラリーエディション(900)の3タイプ。全車にVSS(ビークル・スタビリティ・システム)を搭載し、900は2モード(エコ/スポーツ)の切替え機能を備える。ラリーエディションは悪路走行に対応した足回りや各部のプロテクションを採用し、モード切替えはラリーモードを加えた3モードとなる。
グリップを回してスロットル操作を行うなど、基本操作はバイクに似ているが、バイクのように車体を傾けるのではなく、ハンドルを切って曲がる。ABS付きのブレーキは前後別の2系統ではなく、右足でペダルを踏むだけの1系統。左足で操作できる切り替えレバーによって後退することも可能だ。
デビューイベントでは試乗もできたが、クルマともバイクとも違うその走りはまさに新感覚。600cc版でも動力性能は十分で、スロットルグリップを大きく捻る際には上体が置いて行かれないように軽く前傾させることになる。ハンドル操作は軽く、特に腕力を必要としない一方、適度な手応えで安心感がある。踏ん張りのいいサスによりコーナリング時のロールが抑え込まれていて、不安や恐怖を感じさせない。
バイクのように車体にまたがって操る爽快感がしっかり味わえ、しかも(通常の運転なら)転倒知らず。例えば毎日の通勤さえ、退屈な移動からちょっとしたアクティビティに・・・そんな変化を与えてくれる一台だ。
純正アクセサリーで7万5000通り以上のカスタマイズが可能
自分だけの一台を楽しめるのもライカーの大きな魅力のひとつ。「UFitシステム」によって、工具を使うことなくパーツの脱着が可能で、ボディパネルを付け替えて日替わりでカラーコーディネートを楽しむといったことも簡単にできる。
カスタマイズはドレスアップに留まらず、機能性&快適性の向上など、様々な目的に応じた豊富なパーツが用意され、その組み合わせは7万5000通り以上。例えば、MAXマウント(5万5080円/ラリーエディションは標準装備)とパッセンジャー・コンフォートシート(7万3440円)により2人乗りも可能となる(構造変更申請が必要)。
主要諸元/価格
デビューイベントにはBRPジャパン代表取締役・大貫陽介氏(中央)のほか、BRP本社から経営陣や開発者も駆け付けた。
スペシャルゲストのDJ/ディレクター/シンガーのマドモアゼル・ユリア氏(左)、プロインラインスケーターの安床武士氏。
サイドビュー。オレンジのホイールデカール等装着。
ラリーエディションのフロントビュー。アルミニウム・ハンドガードやフロントグリル・プロテクションを標準装着。
前進/後退切換えレバーはボディ左サイド、フットレストの上に配置。
奥がパーキングブレーキ、手前はイグニッションキー。
BRPとは
BRPは、1937年にスノーモービルの原型となる雪上車の開発で最初の特許を取得したジョゼフ・アルマン ボンバルディエが1942年に設立した「BOMBARDIER」をルーツとし、レクリエーション分野の乗り物を開発・生産するカナダの企業だ。
BOMBARDIER社は1959年に世界初の大量生産スノーモービル「Ski-Doo」の生産を開始、1968年には世界初のパーソナルウォータークラフト「Sea-Doo」、1998年にはATV(全天候対応車)を発売。他方では航空機や鉄道車両も手がけ、世界的な企業に成長を遂げていった。
2003年、そのBOMBARDIER社からRecreational Products部門が独立して「BRP」社が誕生。「顧客に究極のパワースポーツ体験を提供する」を使命に掲げ、レクリエーショナル用の車両/エンジンの開発・製造を行っている。
2006年にはATVの名称として「Can-Am」のブランド名が誕生、翌2007年には3輪モーターサイクルの「Can-Am Spyder」がデビュー。その技術とノウハウが今回発売された「Can-Am Ryker」へと繋がっている。