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更新日:2019.01.07 / 掲載日:2019.01.07

最上級FFサルーンを体感! LEXUS ES公道テストレポート

北米を中心に、レクサスの最上級FFセダンとして長らく人気を集めてきたES。日本ではウィンダムの名前で以前親しまれていたが、最新のプラットフォームとパワートレーンを得て大幅に進化。その走りとほかのクルマにはない魅力をお伝えしよう。
●文/川島茂夫 ●写真/奥隅圭之

icon ES300h F SPORT

●発売日:2018年10月24日 ●価格帯:580万~698万円 ●販売店:レクサス店 ●問い合わせ先:0800-500-5577

ESバリエーション&価格

■主要諸元(ES300h F SPORT)

●全長×全幅×全高(mm):4975×1865×1445
●ホイールベース(mm):2870
●車両重量(kg):1730
●パワートレーン:2487cc直4DOHC(178PS/22.5kg・m)+モーター(88kW/202N・m)
●WLTCモード燃費:20.6km/L
●燃料タンク容量(L):50[レギュラー]
●最小回転半径(m):5.9
●最低地上高(mm):145

FF最上級サルーンの品格と心地よい走り

 ベテランドライバーならウィンダムの最新モデルと言ったほうが分かりやすいかもしれないが、ウィンダム時代から快適性を第一とするコンセプトで開発され、それはレクサスブランドでの国内デビューとなった新型車でも変わっていなかった。ダイナミズムを主訴求点のひとつに掲げるレクサスらしさもあるのだが、4名で快適なツーリングを愉しむ最上級FFサルーンの立場は崩していない。

 ひとつの見所は静粛性だ。2.5Lのハイブリッドシステムはカムリと同様。アクティブノイズコントロールを採用しているせいか、純電動走行からエンジン稼働走行に移行しても騒音量に目立った変化はない。最新のTHS-II系らしくアクセル開度との一体感の高いエンジン回転数制御もあり、エンジンの稼働頻度は高いものの深く踏み込めばそれなりのエンジンの存在感を示すが、同級のセダンとしては静かに速いタイプ。走行モードをスポーツSやスポーツSプラス(AVS車)にすれば踏み込みに対して鋭い加速反応と高めのエンジン回転制御で、レクサスらしいスポーティさも十分ある。

 静粛性では穏やかなロードノイズも利いている。バージョンLには消音機構を備えた専用ホイールを採用しているが、その他のモデルでも耳障りな高周波の少ない音質で体感静粛性や会話明瞭度に優れていた。和やかなロングドライブを楽しむためのプレミアムサルーンらしい気配りが実感できた。

 フットワークについてだが、標準サス車では細かな路面凹凸の振動に対して抑制が効いており、しなやかかつ据わりのいいストローク制御が印象的。FFセダンにしては重質を感じる乗り心地であり、路面のうねりやコーナリングでの急激な揺れが少なく安心感も高い。

 電子制御サスのAVSを装備するFスポーツは硬めの専用サスチューンを採用。ただし、スポーツS+モードを選択しても同乗者に不快感を与えるような硬さはなく、逆にノーマルモードでも高速やコーナリング時には挙動を適度に押さえ込んでくれる。Fスポーツ系としては少し大人しい印象だが、ラインコントロール性と方向安定に優れた操縦特性は初見のワインディング路でも扱いやすく、ハイアベを維持するのも容易である。

 「世界初」の売り物装備にデジタルアウターミラーがあるが、距離感や解像度の点で好き嫌いが分かれそうだ。そういった各論よりも品良くまとめられた快適性やドライブフィールこそESの最大の魅力であり、快適に過ごせる上級セダンを求めるユーザーには最有力の一車と言っても過言ではない。

ES300h version L

  • 舗装の粗さや凹凸など、路面の状況を問わない非常に滑らかな乗り味。従来のクラウンロイヤル系にも通ずるところがある。

  • 2.5Lダイナミックフォースエンジンに定評のあるTHS-IIシステムの組み合わせはカムリと同じ。スペックも同様だ。

  • 最新のレクサスデザインでまとめられており、さながらミニLSといった雰囲気。

  • ホイールベースは2870mmとカムリより45mm長い。

  • 水平基調で品良くまとめられたインテリア。

  • 上質なレザーがふんだんに使われており、くつろげる空間になっている。

  • 最上級のバージョンLにオプション設定されるデジタルアウターミラー。

  • 従来の光学式とは異なるため慣れは必要だが、安全性の向上に大いに貢献する。

ESの見どころはココ! あからさまな高性能は謳わないが品の良さと上質な寛ぎが魅力

 基本設計ではカムリと姉妹車の関係になるが、走りの質感も快適性も車格が異なるほどの違いがある。クラウンがFMCでスポーツキャラを濃くしていることから、従来のロイヤルサルーン系の代替モデルとしても勧められる。レクサス車としてはスポーティやファントゥドライブの側面がやや薄味に感じられるかもしれないが、総じて高速操安性が高く、長距離ツーリングも得意だ。高性能な中にも寛ぎを感じられる良質を求めるユーザーに勧めたい。

新型ESグレード別 主要諸元&装備

緑:標準仕様 黄色:メーカーオプション

提供元:月刊自家用車

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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