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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.11.29

フィアット パンダは立派に育っておりました!

初代パンダ

昔、我が家にあった初代パンダ。隣に少し写っているベルトーネ時代のジウジアーロのデザインによる850スパイダーよりも走りは楽しかった

昔、我が家にあった初代パンダ。隣に少し写っているベルトーネ時代のジウジアーロのデザインによる850スパイダーよりも走りは楽しかった

【本記事は2013年6月にベストカーに掲載された記事となります。】3代目となるフィアットパンダが6月1日からいよいよ日本で発売される。個人的なことで恐縮だが、パンダには相当思い入れがある。もう約30年近く前のことだが、我が家にデビューしたての初代パンダがやってきた。子供の頃からジウジアーロのファンだった弟が初任給+ローンで買ったものだが、この小さなパンダの小気味のいい走りとシンプルな内装に感心したし、なにより走る楽しさを教えてもらった。サーキットやワインディングという特別な場所ではなく、街の中を走っても楽しい、というラテンの実用車の楽しさを実感したのだった。

パンダの発展

初代パンダのデビューは1980年。ジウジアーロの手によるイタルデザインが担当した。エンジンは652cc 2気筒の30と903cc 4気筒の45が用意され、日本には45が持ち込まれた。2代目は2003年の登場。SUV的な実用性の高いデザインでヨーロッパ・カー・オブ・イヤーを受賞

初代パンダのデビューは1980年。ジウジアーロの手によるイタルデザインが担当した。エンジンは652cc 2気筒の30と903cc 4気筒の45が用意され、日本には45が持ち込まれた。2代目は2003年の登場。SUV的な実用性の高いデザインでヨーロッパ・カー・オブ・イヤーを受賞

この第一印象が強烈すぎて、大きく変わった’03年デビューの2代目パンダには、申し訳ないことだが、“食わず嫌い状態”で乗ったことは一回だけ。それもほとんど記憶にない。そんなこともあり、今回のニューパンダにはちゃんと乗っておかないといけないと思い、2~3日、通勤と取材など、実際に使ってみた。デザインは2代目を踏襲したもので、初代のような簡潔さはないが、2代目よりもバランスがいいし、男女を選ばず好まれるハズだ。初代パンダはひとつの完成型だろうが、今の時代、安全面からいっても当然通用しないから、現実的にはこれがパンダの発展した今流のコンセプトと考えるべきだろう。

パンダの遊び心

近代的にデザインされたインパネ回り。シフト上部の4つの四角い部分は各種スイッチが収まる。ドアの内張りのブラックの部分のシボは"PANDA"の文字がビッシリ。シートの座り心地もいい。ドライバーズシートはアジャスター付き

近代的にデザインされたインパネ回り。シフト上部の4つの四角い部分は各種スイッチが収まる。ドアの内張りのブラックの部分のシボは"PANDA"の文字がビッシリ。シートの座り心地もいい。ドライバーズシートはアジャスター付き

イタリア車らしいというか、パンダらしい遊び心は内装のパネル類にも現われている。ブラックのドアパネルのシボは“PANDA”という文字でできているし、インパネだっておシャレっぽくデザインされている。やはりこのあたりは国産車にないところだ。

懐かしいエンジン音

非力なようで充分なトルクを発生する2気筒8バルブツインIPエンジン。燃費もよく、想像以上に活発に回る

非力なようで充分なトルクを発生する2気筒8バルブツインIPエンジン。燃費もよく、想像以上に活発に回る

エンジンはフィアット500に使われている2気筒8バルブの875ccターボ。始動した瞬間、ちょっと懐かしい2気筒独特のチープ(失礼)な感じのエンジン音が聞こえてくるが、これが走り出すと、けっこうトルクがあって愉快。

デュアロジックと呼ばれるセミATはシングルクラッチと5速ミッション組み合わせたもの。電動ステアリングにはシティモードがあり、市街地と高速道路などで切り替えができる

デュアロジックと呼ばれるセミATはシングルクラッチと5速ミッション組み合わせたもの。電動ステアリングにはシティモードがあり、市街地と高速道路などで切り替えができる

ミッションはデュアロジックと呼ばれるセミATで、シングルクラッチの5速。AUTOではアクセルの踏み込み量に応じて自動的にシフトアップされるが、この“間”が微妙。もっと加速してほしいところでクラッチが切られると、体だけ前のめりになったりする。だが、慣れてくるといいタイミングでアップしてくれる。マニュアル操作で積極的に走れば、驚くほど活発に走る。とても875ccとは思えないほど元気がいい。アイドリングストップもついていて、エンジン停止から発進するのにちょっとタイムラグを感じるが、ブレーキペダルをゆるめることで事前にエンジンをスタートさせるコツをつかめば、解決できる問題ではある。こうして市街地を中心に約270kmを走っての燃費は18.0km/L。JC08モードが18.4km/Lだから、ビックリするくらいの燃費だった。最近、このJC08モードの数値と実際の燃費の差が問題になっているが、この数字は立派だ。

確かに国産のコンパクトカーは安いし、経済的だ。だが、このニューパンダは相当上級の装備がついて208万円。いろいろ装備をつけると国産のコンパクトカーもすぐに200万円近くなることを考えると、それほどパンダは高くないと思った。なにしろ、“楽しさつき”なのだ。30年ほど前に乗った初代パンダの実用車としての楽しさは、この新型でも立派に受け継がれ、育っていた。

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グーネットマガジン編集部

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