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更新日:2018.10.26 / 掲載日:2017.09.01
フランス生まれのSUV・ルノー カジャー Boseはデザインで勝負!

文と写真●ユニット・コンパス
使い勝手や性能は普通にしっかりしていればいいけど、デザインだけにはこだわりたい。自分の感覚にマッチしたプロダクトと生活したい。そんなひとにこそぜひ注目してもらいたい新型SUVがルノーから登場した。
ルノーの生まれ故郷であるフランスでは、夏季にはバカンスと呼ばれる長い夏休みを取り、家族や気心の知れた人々と遊休地で過ごすというのがメジャーなライフスタイル。このカジャー Boseのコンセプトは、大切なバカンスをアクティブに過ごすためのクルマというもので、多人数乗車でもリラックスできる居住性としっかりとした荷室、長距離ドライブでも疲れにくい足まわりとシート、そして経済性と運動性能を両立するパワートレインを実用的なボディサイズに凝縮させている。
筋肉質なカーブを描く魅力的なスタイリング

カジャー Boseの特徴は、抑揚のあるスタイルにある。通常SUVは力強さを演出するべくスクエアなボディラインを採用するケースが多いが、カジャー Boseはルノーならではの有機的な面構成を採用しつつ、そこにSUVならではのプロテクター的なディテールが追加されていることで、どこか知的な雰囲気が漂う独特の個性を生み出しているのだ。そんな大きさを感じさせるスタイルに反して、実際の寸法はじつはちょっとコンパクトというのもユニークなところ。ボディサイズは全長×全幅×全高が4455mm×1835mm×1610mmで、ルノーブランドで言えばメガーヌに近く、マツダのCX-5よりも全長は90mmほど短い。日本の路上でもちょうどいい大きさと言えるだろう。
先進安全装備も備える使いやすいコックピット

一方インテリアにはSUVらしい見晴らしのいい視界を強調する水平基調のデザインを採用。上質さを感じさせるサテンクロームのモールやフルカラーTFTを採用したメーターパネルも見どころだ。このメーターは、表示色をレッド、ブルー、ブラウン、グリーン、パープルの5色から変更することも可能となっている。また、バカンスのような長距離ドライブを想定し、シートは骨格を作り込んだ上で、背中とお尻を支えるパッドを厚みのあるものにしているという。
また、マルチメディアへの取り組みにも力を入れており、オーディオには車名にもあるとおりBOSE社製のサウンドシステムを採用。センタースピーカー、前席にミッドとツイーター、後席用ミッド、そしてラゲッジ床下のウーファー(スピーカー2つ)と計9つのユニットを搭載し、ボリュームの大小に関わらず聴き疲れしにくい、包み込まれるような音響を提供するという。このほか、インパネにビルトインされた7インチモニターはタッチ操作に対応。車両の設定のほか、スマートフォンのミラーリングを行うことも可能。
運転支援システムについても、カジャー Boseはルノー車でもっとも進んだ内容を採用している。車線逸脱警報、後側方車両検知警報、オートハイ/ロービーム、イージーパーキングアシスト、そして前方車両との衝突被害を軽減するエマージェンシーブレーキサポート(30~140kmで作動、最大2秒の緊急ブレーキ)だ。
気になるパワートレインは、1.2L直4ターボに7EDC(デュアルクラッチ式7速AT)の組み合わせ。7EDCは従来のものより段数を増やした上で湿式を採用し、SUVの負荷に備えたもの。このユニットはパワーと低燃費を高次元で両立し、パフォーマンスは自然吸気の2Lに匹敵するという。なお、駆動方式はFFとなる。
非常に意欲的な内容をスタイリッシュなデザインに盛り込んだルノー カジャー Bose。残念なことに100台限りの限定車ということだが、2018年1月から正式なカタログモデルとしてもラインアップされる予定となっている。ルノーによれば、カタログモデルとの性能面での差異はほとんどなく、BOSEサウンドシステムを装備している分、今回の限定モデルはお買い得であるということだ。
ルノー カジャー Bose(7速AT・7EDC)
全長×全幅×全高 4455×1835×1610mm
ホイールベース 2645mm
トレッド前/後 1560/1560mm
車両重量 1420kg
エンジン 直列4気筒DOHCターボ
総排気量 1197cc
最高出力 131ps/5500rpm
最大トルク 20.9kgm/2000rpm
サスペンション前/後 ストラット/トーションビーム
ブレーキ前/後 Vディスク/ディスク
タイヤ前後 225/45R19
販売価格 344万円(限定100台)