輸入車
更新日:2026.09.05 / 掲載日:2026.09.05
なぜ輸入車は心を揺さぶるのか?デザイン、歴史、走りから魅力の源泉を探る

今となっては便利で性能に優れた国産車はたくさんある。それを理解したうえでそれでも輸入車を選ぶのは、理屈ではなく「心」に訴えかける何かがあるからだ。

人は何を求めて国産車ではなく輸入車を選ぶのだろうか。
日本は世界的に見ても自動車メーカーが多い国だ。だから国産車にもたくさんの選択肢が用意されている。国産車はコストパフォーマンスにも優れ、選び放題と言っていいだろう。
でも、あえてそれを選ばない人も少なくない。輸入車という選択だ。
なぜ輸入車を選ぶのか? 筆者は思う。そこに“共感”とか“感動”があるからではないだろうか。国産車では得られない「何か」を求めて人は輸入車を選ぶのではないだろうか。心を捉える何かがそこにあるのだ。

まずは、デザインである。
もちろん、国産車にだって優れたデザインのモデルは少なくない。しかし、輸入車の個性は多くの国産車を上まわる。たとえば「MINI」や「ポルシェ」は独自性が強く、誰が見てもすぐにそれだとわかるデザイン。そして個性が強い。

個性が強いデザインは、好みが分かれるデザインでもある。でも、それがいいのだ。無難ではないから「普通がいい」という人には向かないかもしれない。けれどその個性を魅力と感じられる人にとっては「やっぱり輸入車」なのだ。
ストーリー性も輸入車の魅力のひとつだ。それはメーカーやそれぞれの車種のストーリーもあるし、メーカーがずっと提唱してきたこだわりも含めてである。
国産車にだってストーリーはあるが、それとは異なる海外ブランドの独自ストーリーに共感し、そのブランドを選び続ける人もいるだろう。

たとえば「最善か無か」を掲げる「メルセデス・ベンツ」は、これまでたくさんの神話を作り上げてきた。ラインアップする「911」が「スポーツカーのメートル原器」ともいわれるポルシェはドライバビリティを重視するクルマ作りであると同時に、機械としての理想を愚直に追求してきたメーカーだ。そしてスウェーデンの「ボルボ」は世界で初めて市販車に3点式シートベルトを採用しただけでなく「安全は独占するべきではない」として特許を無償公開し、世界中に普及させた。安全に対するこだわりが会社のストーリーと言っていい。それに共感してボルボを選ぶ人もいることだろう。

そしてドライブフィール。輸入車は個性が強く味が濃い運転感覚を楽しめることが多い。運転好きにとっては、それも至極の体験だ。
【DESIGN】所有する喜びにつながる高いデザイン性

多くの人が輸入車を求める理由。それはデザインであり、そのデザインがもたらす雰囲気だろう。MINIやポルシェのような超個性的なデザインはもちろん、メルセデス・ベンツGクラスのように伝統に基づいたデザインで独自の個性を放つモデルもある。いずれにせよ感じるのは、「このデザインは、このブランドだ」とわかる独自性。多くの国産車のように万人受けとはいかず好き嫌いは分かれるかもしれないが、その世界観にシンクロできる人にとっては大きな喜びとなるはずだ。

【STORY】語り継ぎたくなる歴史と伝統

こだわりのモノ選びにおいて「ヘリテージ」は欠かせない。もちろん新興ブランドならではのよさもあるが、いっぽうで積み上げてきた歴史と伝統に基づくブランドの存在感は、ほかに代えがたい魅力としてクルマ選びの指標となる。そのメーカーやブランドはどんなポリシーを掲げてクルマを作ってきたのか。ユーザーにどんな体験を提供してきたか。そこに共感できるかが、ブランドストーリーのカギとなるだろう。たとえばBMWは、新世代シリーズを「ノイエクラッセ」と名付けた。これは1960年代にBMWをブレイクさせた名車「1500」から継承したものだ。

【DRIVING FEEL】こだわり抜いた走りの世界観

運転好きは、国産車とは一味違う輸入車の運転感覚に感動する人も多い。たとえばポルシェをはじめとするドイツ車は、アウトバーンと呼ばれる速度無制限区間がある高速道路で育てられるから超高速域においても安定性が高いのが特徴で、それは乗り心地よりも優先される。「走りの味」とはそんな個性を指す言葉だが、国産車と違う運転感覚は操作系の操作性といった些細な部分でも実感。それもまた楽しい。

文●工藤貴宏 写真●ユニット・コンパス、MINI、BMW、ポルシェ ※ナンバープレートは、はめ込み合成です。
(掲載されている内容はグーワールド本誌2026年10月号「欲しいのは感動をもたらす運命的な1台【輸入車に魅かれる理由】」記事の内容です)