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更新日:2026.04.17 / 掲載日:2026.04.17
【日産 サクラ|実車チェック】使い勝手とコスパを高めた骨太なマイナーチェンジ

文●内田俊一 写真●ユニット・コンパス
日産は軽の電気自動車、サクラをマイナーチェンジ。価格は244.9万円からと大きく見直された。
普通の軽自動車と比べられるクルマへ

今回の商品改良に向けて最もキーとなったのは誰に買ってもらうかだった。もともと2022年にサクラがデビューした際は、どちらかというとアーリーアダプター、先進的な技術や試しに電気自動車を買ってみようかというユーザーが多く、日産としてもそこを狙い、下取り車もコンパクトカーやそれ以上のクラスが多かった。
しかし、時を経るごとに例えばデイズやルークスなどの通常の軽ガソリン車を購入する層と同じようなユーザー、つまりサクラの指名買いではなく、他の軽自動車と比較して購入に至る層が増え、現在ではそこがメインになってきた。当然下取り車も軽自動車の占める割合が増加。
そこで今回のマイナーチェンジではターゲットユーザーをそこに据え、「軽のガソリン車のお客様に新しい選択肢として“普通”のクルマとしてサクラを捉えていただきたい」とコメントするのは、日産日本マーケティング本部チーフマーケティングマネージャーオフィスマーケティングマネージャーの戸井田聡氏だ。
ユーザーの意見を踏まえた商品改良

そのために大きく2つを軸に据えた。まずは商品力強化だ。
エクステリアは上級グレードでグリルをカラード化。同時にコの字型のカッパーの加飾を追加することで上質さや先進的な印象を強調し、タイヤは14インチから15インチへアップグレードした(Gで標準、Xはメーカーオプション)。
またサクラの名前通り、ボディカラーを選ぶ楽しみも踏襲し、今回も10色のエクステリアカラーを用意。特にサクラのイメージだったピンク系のカラー、シルキーライラックから「水面乃桜(ミナモノサクラ)」に変更。「水面に映って反射する桜を意識し上質感と華やかさのある色」とし、太陽光の下では「映えるカラー」と述べた。

そのほか、ユーザーからの意見等を踏まえ助手席側のカップホルダーの位置をインパネ端に移動したほか、充電ポート・普通充電コネクターのロック機能を追加するなど不満点の解消にも努めている。
実質価格をガソリンの軽自動車と同じレベルに

もうひとつの軸はグレード体系とそれにまつわる価格設定だ。冒頭に記した通りターゲットはガソリンの軽自動車を購入したいと思っているユーザーだ。つまり、そこに見合う価格設定が必須になる。そこでグレード体系の最上級のG、量販グレードのX、エントリーのSの3つをラインナップ。

Gグレードは日産がサクラに用意している装備類がほぼ搭載されている仕様で、プロパイロットはもちろん、日産コネクトナビゲーションなども標準装備。また、プレミアムツートーンカラーも選択でき、「よりこだわりのあるお客様に応えられるような設定」と戸井田氏はいう。ただし、標準装備だったアダプティブLEDヘッドライトやオートレベライザーがオプション設定になるなど、ニーズを踏まえて選択の幅を持たせる施策が打たれている。

そして販売でメインとなるXグレードは7~8割のユーザーが選んだ装置、例えばインテリジェントアラウンドビューモニターやシートヒーター、革巻きのステアリングヒーターなどを標準装備。
Sグレードはエントリーとして設定された。改良前は法人向けだったが、今回は装備を見直しバックビューモニターなどを標準化。法人だけでなく一般ユーザーにも対象を広げられた。

価格はGグレードが300万円を切る299万9000円とマイナーチェンジ前の308万2000円から8万3000円安くなった。そしてXグレードは装備が充実したにもかかわらず259万9000円と据え置き。そしてエントリーグレードのSは244万9000円となった。
特にSグレードについて戸井田氏は、「26年度CEV補助金の58万円を活用すると車両本体の参考価格が187万円程度になり、お客様が軽自動車を次買うならという意識できるような価格に近づけたのではないか」とコメント。

エクステリアはGやXとは異なり、改良前と同様のフロントマスクとなるほか、一部装備が選択できなかったり、選べないカラーがあったりするが、「日々の生活で距離は短いが高い頻度で使うお客様は、バックビューモニターで十分という声もあり、あとはナビゲーションを好みのものを選んでもらえれば手軽に軽の電気自動車の世界を体験いただけるだろう」と述べた。
CMもターゲットに合わせて
最後に戸井田氏は、メインとなるユーザーが一般的な軽自動車ユーザーに変わったことを受け、CMの方向性もそれに合わせたものになるという。「ルークスのCMはいままでの日産とは違って面白いといわれているので、17日から放映されるサクラもこれまでのやや登録車チックなところから、軽のお客様に親しみを持ってもらえるようにした。続いて出てくるサイドストーリー的に工夫したものもあるので、それも引き続き楽しんでもらいたい」とこだわりのあるCMに仕上がっていることを示唆した。

今回のマイナーチェンジではパワートレイン系や充電性能に関する改良はなく、基本的にはユーザーの意見を受けての使い勝手の向上させたほか、軽ユーザーが望む装備を見極め、オプションでもニーズの少なかったプロパイロットパーキングなどを廃するなどで開発コストを削減するなどで、大幅な価格の見直しが主軸となった。
ガソリンスタンドが地方だけでなく首都圏においても減りつつあるいま、この価格を考えると近所のお使いとして軽の電気自動車も選択肢のひとつに入ってくるだろう。何しろ自宅に充電器があれば、一晩充電しておけばガソリンスタンドに行かずとも普段通りの使い方ができるのだから。



