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更新日:2026.02.17 / 掲載日:2026.02.17
チェロキー復活!? 2026年のジープ事情【九島辰也】

文●九島辰也 写真●ジープ
ジープのラインナップにちょっとした動きが見られます。昨年3月右ハンドルモデルの生産終了とともに日本でのグランドチェロキーの販売を終了し、ガソリンエンジン車は在庫販売だけとなりました。また、その夏に新型チェロキーをグローバルで発表し話題となったのもニュースです。かつて日本で大ブレイクしたモデルだけに、注目している方はいらっしゃると思います。日本には今年導入される噂です。
この2つのネーミングには思い入れがあります。90年代はXJチェロキーをベースにしたワゴニアを所有していました。1963年から続くビッグボディのSJではない方です。ついでに言うと、YJラングラーやTJラングラーにも乗っていました。ジープは若い頃から愛着のあるブランドです。

そんな観点から新型チェロキーには期待が膨らみますが、販売台数が見込めるかは別です。確かに95年、96年は単一車種で年間1万台を売った実績のあるチェロキーですが、それには明確な理由がありました。エントリーグレードの価格は300万円以下でしたし、販売は当時のインポータークライスラージャパンセールスのみならずホンダディーラーが併売しました。まだホンダが一台もSUVを持っていなかった時代です。彼らはジープチェロキーとランドローバーディスカバリーでそのニーズに応えていたのです。後者は確かクロスロードという車名だったと思います。OEMですね。
それを鑑みると、新型チェロキーは名前こそインパクトありますが、目玉がないと埋もれてしまうでしょう。XJの後のKJまではインパクトがありましたが、4代目のKKや2023年に販売を終了した5代目のKLはパッとしませんでした。まぁ、KJとKKは北米ではリバティという別の名前のモデルでしたからチェロキーの系譜とは異なりますが。
ではインパクトのある目玉とは?ですが、やはり価格だと思います。円換算すると軽く500万円を超えるプライスレンジをどこまで下げられるかです。昨今クルマが高くなったとよく耳にするので、そこは重要。前述したようにかつては200万円台で売られていたのですから、399万円くらいだとバズる気がします。

もちろん、それには為替レートや関税など時代ごとの背景が大きく関わります。ですが、ジープグラディエーターを思い起こすと実績がないわけではありません。グラディエーターの現在の価格は960万円ですが、日本導入当初は777万円でした。しかも、ルビコンという最上級グレードです。ただ、そこにもまた大胆な価格戦略をすべき理由がありました。それは並行輸入車対策。ルビコンよりも下位グレードでも並行輸入しようとすると1000万円近くなるのが見込めたので、それを封じ込める作戦です。正規インポーターだからなせるワザですね。

話をグランドチェロキーに移しましょう。このクルマの販売終了は悲しい知らせでした。1993年デビューのZJ、2代目のWJは大好きなモデルです。ラングラー系もそうですが、国際試乗会に積極的に参加し、北米のあらゆるオフロードコースを走りました。WKもそうですが、顔があまり好きではありません。ただ、4世代目のWK2は好み。3年前には本気で中古車をカーショップに探してもらいました。あいにく良いタマがなかったので購入には至りませんでしたが、今も乗りたいと思います。好みは前期型。オールドスクールなアメリカンSUVテイストを残します。
ところで、なんでグランドチェロキーという名前なのか知っていますか? チェロキーが存在するのですからまったく異なるネーミングでよかった気がします。ですが、そうしなかった。理由はチェロキーのネガティブ要素だった室内の狭さを払拭したのがこのクルマというアピールポイントだからです。“グランド”、つまり大きなチェロキーにすることで既存のチェロキーからの買い替えを促したのです。1993年ことでした。
で、その戦略は見事成功し、翌年からアメリカでは年間20万台を販売し続けます。ですが、当時のXJチェロキーはなかなか下火にならず年間10万台ずつ販売され続けます。となれば、両方売ろうという結論が出ても不思議じゃありませんね。ちなみに、グランドチェロキーを企画したのは当時のクライスラーグループの社長リー・アイアコッカ氏。87年にフォードから移ってきた強者です。

ということで、今回はジープの今に触れました。でもインポーターが一番売りたいのはジープ初のBEVアベンジャーでしょう。本国からもそう指示されていると思います。なかなかカッコいいクルマです。それに名前がいい。マーベルコミックを思い浮かべます。一番好きなのはソー。でもって憎めないのがトニースタークですかね。今もたまに観たくなります。