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更新日:2026.01.25 / 掲載日:2026.01.25

GR GT&LFA・トヨタ渾身のスポーツカー世界デビューの衝撃

トヨタ渾身のスーパースポーツカーが初披露

LFA以来となるトヨタのスーパースポーツが発表された。GRブランドのトップモデルとして世界初披露されたのが2タイプのGR GT、そしてBEV(電気自動車)に転生したLFA。公道スポーツカーのGR GTを中心に見ていこう。

●文:川島 茂夫 ●写真:奥隅 圭之

※本記事の内容は月刊自家用車2026年2月号制作時点(2025年12月中旬)のものです。

GR GT&LEXUS LFAの挑戦

GR GT プロトタイプ《公道スポーツ》

GR GT3 プロトタイプ《サーキット専用車》

LEXUS LFA コンセプト《BEVスポーツ》

高性能とファントゥドライブへのトヨタの回答を具現化

GRのイメージをさらに引き上げる頂点スポーツ
世界初披露のGR GTとそのレース仕様GR GT3、電動化時代のレクサスLFAコンセプト。プロポーションを見比べれば、GR GT3が先行し、そこからロードモデルのGR GT、さらにLFAコンセプトへと発展した開発経緯が実車からも納得できた。
3車はV10搭載「レクサスLFA」の後継と見られるが、GR GT3の同時発表や設計要点から、FIAのGT3カテゴリー参戦を目的に開発されたのは明白だ。
GR GTの寸法で目を惹くのは、LFAの1.2m強を下回る1.2m切りの全高だ。2名乗車のキャビンはコンパクトに纏められ、前面投影面積の縮小への強いこだわりが感じられる。
ドライバー位置は後輪直前、全長の1/3近くを占めるノーズ。フェンダーとの高低差が少ないベルトラインはFRマッスルカーの如き様相だ。強大なパワーの熱処理を担う導排気口も、前面投影面積への影響を抑えて設置。デザインと空力設計は細部まで煮詰められ、マニアなら境界層のコントロール等に感心してしまう設計だ。
こうした空力配慮は、レース仕様への変更を最小限で済ますために重要だ。展示車のGR GTはガンメタ、GR GT3はカーボン地のハーフマット黒で印象は異なるが、スワンネック式ウイング等の装備以外、基本造形に大差はない。
外観以上に”本気“を感じさせるのは走行ハードウェアだ。骨格はトヨタ初のオールアルミ製。前後ホイールハウス周り等は砂型中子の大型中空キャスト、単純形状部は押し出し成型とし、外板にはカーボンや樹脂材を採用。軽量と高剛性の高水準での両立を狙う。
もうひとつの見所はパワートレーンだ。フロントミッドシップのFRレイアウトを採用し、低いボンネット下に4ℓV8ツインターボを搭載。これを実現するため、エンジンはオイルパンを持たないドライサンプ式とした。
駆動系はミッション、デフ、モーターを一体化したトランスアクスルだ。1モーター2クラッチ式のパラレルハイブリッドで、遊星ギヤ式8速ATを用いる。内部はモーターとミッションを直列配置し、後方から折り返してデフに入力。重量物の後方配置はトラクション確保にも有効なレイアウトだ。
GR GT3のスペックは未公表だが、FIA GT3やスーパーGTへの参戦に十分な戦闘力を備えるだろう。GR GTとの外観差は、前述のウイングに加え、ボンネットやフェンダー上のエアアウトレット拡大、大型化されたリップスポイラーなどである。
BEVのレクサスLFAは電動化時代もスポーツカーへの熱い想いは不変という宣言なのだろう。ホットなGR GT3に対し、スポイラーや開口部の縮小でエレガントにシフト。アルミ骨格など原点は共通だが、レクサスらしいプレミアム感とBEVスーパーカーを意識させる近未来感に溢れている。
アマチュアドライバーの最高峰クラスとなるGT3カテゴリー参戦を前提に、トヨタの求める高性能とファントゥドライブへの思いを具現化したのがこの3車であり、GRブランドの強烈なイメージリーダーともなっている。

GR GT プロトタイプ

GR最強最速間違いなし! 超高級スポーツが誕生
 2タイプのGR GTのうち、いわゆるロードゴーイングレーサー仕様となる。基本的な車体構成はレーシングマシンとなるGT3と共通だが、リヤに搭載されるトランスアクスルに電気モーターを組み合わせたハイブリッドシステムを採用。写真や展示車はプロトタイプとされているが、公道モデルとして必要な保安部品はもちろん、利便快適装備までほぼ完成なのが見てとれた。期待して待ちたい。

GR GT3 (プロトタイプ)

GR GTの存在意義をサーキットで見せつける
 AMGやポルシェなどが参戦するFIAのGT3カテゴリーに準拠した市販レーシングカー。プロドライバーに限らずアマチュアのトップカテゴリーに参戦するジェントルマンドライバーを対象に、扱いやすく高い実戦力を維持できる競技専用車両として開発されている。GR GTと並行して開発され、GR GTのレース仕様というよりGR GT3が開発の中心的な存在と理解していいだろう。

LEXUS LFA コンセプト

GR GT開発の知見を上質な電動スポーツに昇華
 軽量高剛性オールアルミ製フレームなどのGR GTの基本設計や性能向上の要点を継承しながら、電動化時代にふさわしいBEVスポーツカーとして提案。駆動方式やパワートレーンは未発表だが、GR GTに比べてレクサスらしいエレガントな趣に仕立てられた内外装デザインを考慮するなら、速さとファントゥドライブの追求に加えて走りの質にもこだわったモデルになりそうだ。

GR GT シリーズ《車体》

トヨタ初!軽量高剛性なオールアルミフレーム
 空力的先進性のイメージでは連続的に変化する曲面で構成されたデザインを想像するが、GR GTにうねるような複雑な曲面は見当たらない。キャビン周りからリヤエンドは曲面で構成するが多くの面が平面的に見える。剥離や層流によりスムーズな空気の流れを重視した空力設計と言える。
 シャシーは軽量高剛性を達成するためオールアルミ製で中空立体成型の大型キャストを採用するなど技術的にも構造的にも凝った構造を採用。サスペンションは4輪ともにダブルウィッシュボーンを採用し、ブレーキにはカーボンセラミック製ディスクブレーキを用いている。いずれも専用開発され、乗用車とレーシングカーの中間的スペックである。

いかついエンジンをフロントミッドに搭載したFRレイアウトを採用。運動性能を高めるために低重心化を追求し、極端なワイド&ローフォルムに2名定員のキャビンが収まる。
速さの追求に欠かせない空力にも当然こだわる。ボディフォルムはもちろん、適切なダクト配置によって車体表面の空気の流れをマネジメントしつつ、冷却性能も高めている。
大型中空部材や押し出し材によるオールアルミフレームに、アルミと炭素繊維強化プラスチック(CFRP)のボディパネルを装着。
アルミ鍛造アームを用いたローマウントの前後ダブルウィッシュボーンサスを新開発。
ブレンボ社製の前後ベンチレーテッドディスクブレーキを採用。タイヤは専用開発のミシュラン パイロットスポーツ カップ2だ。

GR GT シリーズ《パワートレーン》

パワーとドライバビリティを極めて勝利を目指す
 搭載される4ℓのV8ツインターボはVバンクの内側にターボを配置するホットV形式やオイルパンを持たずにオイルタンクとポンプにより循環させるドライサンプを採用。高性能化とパッケージング寸法の縮小にこだわった設計はレーシングエンジン的とも言える。高性能エンジンらしくボア×ストロークは87.5×83.1㎜のオーバースクエア型となっている。
 ボンネット下に収められるエンジンが発生したパワーはカーボン製のトルクチューブ内に収められたプロペラシャフトを介してリヤのトランスアクスルに入力される。トランスアクスルはミッションとデフを一体化するだけでなく、モーターを挟んで前後にクラッチを配した1モーター2クラッチ型のパラレルハイブリッドシステムも内蔵されている。
 モーター出力は非公表だが、エンジンとモーターを合わせたパワーが遊星ギヤ式のミッションを介して後輪に伝達される。即応性に優れる電動モーターはターボとの相性が良く、単純に最高出力の向上だけでなく、ドライバビリティの面でも相当の効果が期待され、速さとともにGR GTの開発要点となる扱いやすさにも優れたパワートレーンとなりそうだ。

トヨタ市販車として初搭載となる4ℓ・V8ツインターボは過給器をVバンク間に置き、ドライサンプを採用。動力はCFRP性のトルクチューブを介してリヤのトランスアクスルへ。システム出力の目標値は650PS以上、トルクは850N・m以上だ。
新開発のトランスアクスルはモータージェネレーターやトルコンレス(ウェット・スタート・クラッチ)8速AT、機械式LSDを一体化。重量物がリヤにも配置されることにより、45:55の前後重量配分を達成している。
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ライタープロフィール

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オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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