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更新日:2025.12.04 / 掲載日:2025.12.04
【新型CR-V】ミニバン卒業組へ! 走り・広さ両立の旗艦SUVがついに日本発売

文と写真●ユニット・コンパス
誕生から30年の節目にCR-Vが日本に帰ってきました! アコードに次ぐホンダの準フラッグシップであり、SUVラインアップの頂点として、圧倒的な実力を引っ提げての凱旋する新型CR-V。今回は、公開された情報をもとに、新型の魅力と注目ポイントを紹介します。
世界でもっとも売れているホンダ車

初代CR-Vが誕生したのは1995年のこと。クリエイティブムーバーの第2弾として都市型SUVというジャンルを切り拓きました。ユーザーにとって便利で使いやすいクルマとしての立ち位置を守りながら進化を続け、6代目まででグローバルで累計1,500万台以上を販売。現在ではホンダにとって、もっとも販売台数の多いクルマとして成長しています。
6代目のグローバルでの登場は2022年で、日本市場へは水素自動車であるe:FCEVが2024年に投入されていました。ホンダのSUVラインアップにはすでに、「WR-V」、「VEZEL」、「ZR-V」が存在しますが、ホンダ全体のラインアップを考えると上級モデルが少々寂しかったのも事実。オデッセイなどの上級ミニバンユーザーの受け皿としても期待されているのが新型CR-Vというわけです。
そこで、日本市場向けの新型導入にあたっては、グランドコンセプトを「感動CR-V」とし、アコードに次ぐ上級モデルとして期待に応えられるような上質なクルマとして企画されました。
デザインテーマは「機能美」と「色気」の融合

エクステリアデザインのコンセプトは「BOLD & SOPHISTICATED(堂々・威厳)」。骨格の良さを強調したスポーティーなプロポーションが特徴です。
水平基調のベルトラインと、Aピラーを後退させたことによるロングノーズなシルエットは、まさに「大人のSUV」。開発責任者の佐藤氏によれば、単にかっこいいだけでなく、居住性や荷室空間を一切無駄にしていない点がこのデザインの凄いところだといいます。
グレード展開は、あえて「RS」に絞り込まれました。FFモデルの「RS」と4WDで黒加飾で引き締まったイメージの「RS ブラックエディションというラインアップです。

なぜ投入グレードを「RS」だけに絞ったのか? その理由を佐藤氏に尋ねたところ「他のアジア地域にはベースグレードも存在するが、日本市場には『一番いいもの』を持ってきたかった」との回答がありました。新型CR-Vはすでに販売されている世界各国で走りの良さに定評があるのですが、よりスポーティーな味付けがなされたRSこそが、日本の目の肥えたユーザーに相応しいという判断です。
また、ボディカラーには、新色の「キャニオンリバーブルー・メタリック」や「スレートグレー・パール」などが設定され、上質さを演出しています。
パッケージング:ミニバン卒業組も納得の広さ

空間設計で特筆すべきは、クラストップレベルを誇る荷室容量と後席の広さでしょう。5人乗車時でも586Lを確保。これは9.5インチのゴルフバッグなら4個、29インチのスーツケースでも3個飲み込む大容量です。床の高さが低く設定されているので、荷物の積みやすさにも優れています。


実車を確認して驚いたのが後席の居住性です。足元の広さは先代モデルからさらに拡大され、なんと190mmものスライド量を確保。さらに、背もたれは8段階のリクライニング機構付きとなっています。ロングドライブのようなシーンでも快適でしょうし、移動先でちょっとくつろぎたいといったシーンでも居心地が良さそうです。


走り:CR-V史上最高の走行性能と走りの4WD

今回の取材では、走行性能を試すことはできませんでしたが、開発エンジニアたちが口を揃えていたのが、新型CR-Vの走りの良さ。スピードを出すようなシチュエーションだけでなく、街中を走るだけで感じ取れる心地いい走りを実現できたと胸を張ります。
パワートレーンは、2.0L直噴アトキンソンサイクルエンジンに、2モーター内蔵電気式CVTを組み合わせたもので、アクセル操作とエンジン回転がシンクロした、爽快でダイレクトな加速感が持ち味とのこと。CVTにロックアップLow機構を追加したことで、緩い加速や登り坂といったシーンでの燃費向上が実現できたとのこと。じつはこのシステムは、北米市場などでの牽引需要に応えるために開発されたものですが、結果として市街地走行でもエンジンを効果的に使えることにつながりました。
「メカ四駆」の最終完成形

4WDシステムへのこだわりも見逃せません。新型CR-Vはプロペラシャフトを用いた機械式(リアルタイムAWD)を採用しています。「いまさらメカ四駆?」と思うなかれ。開発者曰く、これは「メカ4WDの完成形に近い」システム。駆動力配分を緻密に制御し、後輪へのトルクを積極的に増やすことで、雪道などの悪路走破性はもちろん、舗装路でのコーナリング・トラクションも向上させています。「曲がれる四駆」としての制御が入っているのです。
さらに、今回は待望の「スノーモード」も追加。雪国ユーザーにとっては、CR-Vのタフな走破性に安心の電子制御が加わり、鬼に金棒と言えるでしょう。
インテリア・装備:上質さと先進性の融合

インテリアは、水平基調のノイズレスなデザインで、直感的な操作性と広々とした視界を実現しています。
「RS」ならではの演出として、ブラックを基調としたスポーティーな内装色や、質感の高い素材が奢られています。
先進装備も抜かりありません。
コネクテッド機能として「Google built-in」を搭載。GoogleマップやGoogleアシスタントが車載システムとして統合されており、スマホ感覚でシームレスに使えます。


また、安全運転支援システムは「Honda SENSING 360」を採用。フロントカメラの広角化やコーナーレーダーの追加により、交差点での出会い頭事故回避や、車線変更支援など、全方位での安全サポートを実現しています。
また、「BOSEプレミアムサウンドシステム」や室内照明の全席LED化、節水と視界の良さを両立させたスマートクリアワイパー機能付きなど、細部に至るまでおもてなし機能を詰め込んでいます。
2つのコーディネートを用意する純正アクセサリー

ホンダアクセスによる純正オプションも充実。RS向けの「アーバン・プレミアム」は、ブラックのアクセントにより洗練されたスタイルを強調。一方、RS ブラックエディション向けの「タフ・プレミアム」では、よりSUVらしいギア感を高めるスタイリングとなっています。また、好評のブラックエンブレムやパターンプロジェクターなど、ユーザー心をくすぐるアイテムも充実しています。






まとめ:全方位に死角なし。これぞ「究極のオールラウンダー」

新型CR-Vは、「SUVだから」という言い訳を一切排除し、走り、居住性、そして使い勝手のすべてを高い次元で両立させたモデルです。日本での発売は2026年2月。先行予約は2025年12月からスタートするとのこと。実車を見れば、グランドコンセプトである「感動」の意味がきっと分かるはずです。