中古車購入チェックポイント
更新日:2018.11.25 / 掲載日:2015.11.06
ホンダ フリード スパイク ハイブリッド(2014年4月~)中古車購入チェックポイント
ホンダ フリード スパイク ハイブリッド (2014年4月~) 中古車購入チェックポイント
参考車両:ハイブリッド・ジャストセレクション(DAA-GP3)
初度登録:2014年6月
追加装備:〈メーカーオプション〉グランパッケージ、i-サイド+サイドカーテンエアバッグ〈ディーラーオプション〉Gathersナビ、フロアカーペットマット
■全体のチェックポイント
2014年4月にマイナーチェンジした時期のハイブリッド車。2列シート5人乗りハイトワゴンの「スパイク」は、荷室の機能が売り。参考車両は、上級タイプにオプション装備を追加している。車両各部をチェックしながら使い勝手も確認。ハイブリッド機構はもちろん、走行関連各部の具合も必ず確認する。
関連部や走行機能への影響も考えながらチェック
1.外見の様子を観察する
1.外見の様子を観察する
まずは、外装に異常がないか探っていく。前面は、バンパー、ボンネット、ヘッドライト、フェンダーなどの状態をチェック。細部では、先端部やフロントガラスの飛び石傷などにも注意したい。
2.隣接部も同時にチェック
2.隣接部も同時にチェック
バンパーは、角や下部、サイドガーニッシュ、ロアグリルなどに損傷がないかチェックし、立て付けも調べる。同時に、ヘッドランプやアッパーグリル、ボンネットなどもチェック。フェンダーは、ホイールアーチ(タイヤを囲っている部分)の縁、奥のタイヤハウス内、内側のフェンダーライナー(泥よけカバー)などもチェックする。
3.周辺部の損傷にも注意
3.周辺部の損傷にも注意
ドアは、外面だけでなく、内側も修理跡などがないかチェック。ドアを外して修理/交換していないか、ヒンジ部もチェック。同時に、車体側のピラー(柱)やサイドシル(梁)など関連部も調べる。
4.開閉動作の異常にも注意
リアスライドドアは、開閉スライドがスムーズかチェック。パワースライドドアは、電動機構や挟み込み防止機構、イージークローザーなどの動作具合もチェック。
上・下・側部にあるブラケット(スライドドアの支え金具)とローラー、取り付けネジ、車体側にあるレール(スライドさせる溝金具)なども異常がないかチェックする。
5.車体の内側も調べる
ボンネットは、内側やヒンジ部もチェック。フェンダーも、エンジンルーム側に腐食(錆)や修理跡がないか見て、取り付けネジやブラケット(支え金具)、最前部で車体の左右に繋がっているラジエターサポートおよび関連部品をチェック。フレームなど車体パネルも、異常がないかチェック。
6.後部のチェック
後面も、バンパー、テールゲート(バックドア)、コンビネーションランプ、ピラーなどをチェック。
テールゲートは、開閉具合とロッドダンパーの効き具合をチェックし、内側やヒンジ部も調べる。開口部も、溶接やシーラーなどの状態に注意しながら修理/交換跡がないかチェック。衝撃が波及することがあるフェンダー(左側はフューエルリッドや給油口周辺も)、スライドレールとレールカバー、ピラーガーニッシュ、ルーフなども慎重にチェック。
7.下側に要チェックポイント
車体側面は、下部に装着しているサイドシルガーニッシュに損傷や修理跡などがないかチェック。床下側も覗いて、サイドシルガーニッシュで覆われているサイドシル(車体の梁)も、損傷、腐食、修理/交換跡などがないかチェック。同様に、ステップ部(サイドシルの上側)周辺もチェックする。
8.タイヤとホイールをチェック
8.タイヤとホイールをチェック
参考車両は、185/65Rタイヤ&15インチアルミホイールを装着。タイヤは、残り溝の深さを点検し、傷、亀裂、欠けなどがないかチェック。異常摩耗を起こしていれば、サスペンション不良や車体の歪みなどにも要注意。アルミホイールは、塗装の傷み、リムの縁(タイヤと接している部分)の欠損や曲がり、過度な衝撃による歪みや割れなどにも注意してチェック。
タイヤ/ホイールの状態によっては、操縦性に支障が生じるだけでなく、車両安定制御VSAなどが正常に作動しなくなることにも注意したい。
9.床下も覗いてチェック
9.床下も覗いてチェック
車体パネルや補強部材、カバー類など車体部品。マフラーやサスペンションなどの部品類も、傷、歪み、破損、修理/交換跡などがないかチェック。オイルやグリスの漏れ、樹脂やゴム部品の劣化・破損などにも注意。錆があれば、範囲と腐食状態を調べる。
★損傷や修理/交換の有無を確認する
フリードシリーズの「フリード スパイク」は、リア両側スライドドア・2列シート5人乗りのコンパクトハイトワゴン。「ハイブリッド」は、車体各部をハイブリッド車用に最適化。エンジンルームに1.5Lエンジン+駆動用モーターや補機用12Vバッテリー、荷室床下に駆動用バッテリー+パワーコントロールユニットがあり、ケーブルなど高電圧部分はオレンジ色カバーで覆っている。
外装は、クリアブルーヘッドライトレンズ&ガーニッシュ、側面クリアブルーリアコンビネーションランプ(LEDストップ&クリアレンズLEDテール)、HYBRIDエンブレムなどがハイブリッド車を表す装備。「ハイブリッド ジャストセレクション」は、両側パワースライドドアを装備し、テールゲートにはリアカメラ(ナビ装着用スペシャルパッケージに含む)がある。メーカーオプション「グランパッケージ」装備車には、コンフォートビューパッケージ(ヒーテッドドアミラーや熱線入りフロントウインドウなど)や15インチアルミホイールなども付いている。
車体まわりのチェックでは、外装の損傷だけでなく、走行機能にもダメージがないか注意したい。車体の骨格部を事故修理している修復歴車でなくても、修理や交換している箇所がないか販売店に聞いてみよう。
室内の状態と装備機器類の機能をチェックする
1.隅まで細かくチェック
1.隅まで細かくチェック
室内は、内装材に汚れや傷、破損などがないかチェック。ボックスやトレー、ポケットなどは内部も見る。シート表皮の染み、擦れ、破れ。装飾パネルの割れや浮き。ボックスリッドやエアコン吹き出し口などは、可動部破損などにも注意しながらチェックする。
2.荷室も慎重にチェック
後席も、6:4分割可倒式リアシートのダイブダウン機構なども試しながら周辺をチェック。後部ラゲッジスペースも、傷みなどがないか見る。側部のトレイ、ポケット、ビルトインテーブル、角度調整式スポットライト、フック。床部の反転フロアボードやフロアサイドボックスなどもチェック。リアシートと反転フロアボードを組み合わせたスペースアレンジも試してみる。
3.装備機器の作動を確認
ヘッドライト、ウインカー、ワイパー、ドアミラー、テール/ブレーキ/バックランプなど保安装置。パワーウインドウやドアロック、室内ランプなど基本的な装備機器。スマートキーの機能とドア解錠・施錠具合などもチェック。
オートエアコンは、特に冷房の効き具合に注意して、自動制御機能や調整・設定機能をチェック。
4.追加装備の機能も確認
“ホンダ ギャザズナビ”装備車は、ナビ機能やAV機能、接続・通信機能のほか、リアビュー機能やステアリングオーディオリモコンスイッチなど、ナビ装着用スペシャルパッケージに付随・連携する機能もすべて正常か確認したい。
★細部は販売店で点検してもらう
「ハイブリッド」は、プラズマクラスター(空気清浄機)付フルオートエアコン、チタン調ステアリングホイールガーニッシュ、運転席アームレスト、フロアサイドボックスなどを標準装備。「ジャストセレクション」は、スマートキーシステム、両側パワースライドドア(タッチセンサー、リモコン&運転席スイッチ)、ナビ装着用スペシャルパッケージ(リアカメラ、ステアリングオーディオスイッチ、ETC車載器、専用ワイヤーハーネス、4スピーカー)を装備。参考車両には、メーカーオプションのグランパッケージ(プライムスムース&スウェード調ファブリックコンビシート、本革巻ステアリングホイール&セレクトレバー、運転席/助手席照明付ドリンクホルダー)とディーラーオプションのギャザズナビ(TV・AM/FM・CD/DVD/SD・USB/Bluetooth・ハンズフリー通話・リアビュー機能)も付いている。
いずれにしても、車両をチェックする際は、仕様や装備内容を販売店でまず確認する。装備機器類は、とりあえずわかるところだけでもチェックして、どこかに異常がないかは販売店で調べてもらおう。特に電装機器の機能と作動状態に注意したい。
ハイブリッド制御と走行関連機能の具合も要確認
1.エンジンをかけてみる
エンジンの始動具合、アイドリング回転、排気ガスの色などをチェック。始動時には、スマートキーとエンジンスイッチの機能ををチェック。表示灯・警告灯類、メーター・インジケーター・ディスプレイなどの表示も見る。
わからないことや疑問は、販売店スタッフに聞いてみよう。
2.運転支援機能もチェック
CVTは、[P・R・N・D・L]各レンジへのシフト操作具合をチェック。可能なら、走行時の自動無段変速動作と制御、[S]モード(セレクトレバーにあるスイッチで操作)時の制御具合もチェック。
エンジン+モーター走行、モーター走行(エンジン全気筒休止)、エンジン走行、減速エネルギー回生、アイドリングストップなど、ハイブリッド制御の機能動作や[ECON]モードの具合もチェック。
VSAの作動と[VSA OFF]、クルーズコントロール、ヒルスタートアシストのほか、ブレーキやステアリングなどの具合も確認したい。
とはいっても、各機能が正常かどうか判断するのはまず無理。販売店で厳密に点検してもらおう。
★正しく点検・整備してもらう

「ハイブリッド」は、1.5Lガソリンエンジン(2バルブ・2スパークプラグ・気筒休止)+駆動用モーター+駆動用ニッケル水素電池、ハイブリッド車用CVT(無段変速機)を搭載。アイドリングストップ、エコアシスト(省燃費ECONモード、コーチング・ティーチング機能)、ハイブリッド用デジタルメーター&マルチインフォメーションディスプレイなどを装備。「ハイブリッド ジャストセレクション」は、スマートキーシステム+盗難防止エンジンイモビライザー、クルーズコントロールも標準装備。EBD付ABS+ブレーキアシスト、VSA(ABS+駆動輪空転抑止TCS+横すべり抑制)、ヒルスタートアシストなどは「フリード スパイク」全車に標準装備している。
各機構の構造などはともかく、それぞれの機能が正常か確認したい。とりあえずエンジンルーム内の様子だけでも見て、走行系各部の状態は販売店に聞いて確認。車両を購入するなら、ハイブリッドや走行関連機構などをすべてきちんと点検・整備してもらうようにしよう。
■最初に車両の現状を確かめる
中古車両をチェックする際は、現物を見て、年式(登録年月日)・仕様・グレードを確認。標準装備のほかに、メーカーオプションや販売店オプション、市販機器、カスタムパーツなどを追加していないか確認。整備状態も含めた現状を販売店で確認しよう。
目利きはココを見る!
「車両の情報」を見る
●「車検証(自動車検査証)」で初度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を必ず確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両の状態を探る参考になる。
「立て付け」を見る
●外板パネルは、合わせ(隙間)が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか修理/交換している可能性がある。●プレスライン(外板パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの狂いなども判断しやすい。パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども見つけやすい。しわが寄っているのは、ダメージ痕か板金修理跡だ。
「塗装の状態」を見る
●部分的に色艶が違っていたり、ザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。●新しい塗装跡は、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか、詳しく調べる。●修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがあるので、隣接しているパネルの色艶も比べてみる。●塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があるのはマスキング(周辺に塗装スプレーの飛沫が広がらないようにするカバーを粘着テープなどで留める)跡。ドア開口部などにマスキング跡があれば、なんらかの理由で塗装しているので、周辺を詳しく調べる。●エンジンルーム内やスペアタイヤ収納部などは、外装色とは違っていることもあるので注意する。
「取り付け状態」を見る
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●ボンネット、フロントフェンダー、ドア、テールゲート(またはトランクリッド)などは、外して修理、あるいは交換することがあるので、ネジを見て、ヒンジおよび車体側のヒンジ固定部周辺も修理跡などがないか調べる。
「接合部」を見る
●車体部品を交換する際に溶接部分を外すことがあるので、パネル接合部を慎重に調べる。●スポット溶接(接合部にある丸い窪み)を打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれている(2度打ちした)など、新車組み立て時の状態とは異なる特徴があるので注意する。●接合部に塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理や交換で塗り直していると不自然に見える。●爪で押して、プチッと表面が割れる(表面が硬くても内部が柔らかい)ようなら新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、接合状態や塗布する方法によって形状が違っていることにも注意する。
■今回の車両のプロフィール
●コンパクトミニバン「フリード」をベースに、荷室に工夫を凝らして2列シート5人乗りに仕立てたハイトワゴン「フリード スパイク」は、2010年7月に新発売。1.5Lエンジンを搭載し、CVT(自動無段変速機)・FF(前輪駆動)と5速AT・4WDを設定。◇2011年10月:マイナーモデルチェンジ。ハイブリッド車を追加発売。◇2012年4月:低価格グレードを追加。◇2012年11月:一部改良。装備およびグレード設定を一部変更。◇2013年11月:特別仕様車「ジャストセレクション プラス」「クールエディション」を設定。●2014年4月にマイナーモデルチェンジ。内外装デザインおよび装備設定を一部変更している。ガソリン車は、ベーシックタイプ「G」、上級装備を追加する「G ジャストセレクション」、エアロスタイルの最上級タイプ「G エアロ」を設定。
「ハイブリッド」は、G エアロと同様のエアロバンパー、サイドシルガーニッシュ、テールゲートスポイラーなどを装着し、クリアブルーのランプ類を装備。ハイブリッド専用デジタルメーター+マルチインフォメーションディスプレイやエコアシストのほか、ディスチャージヘッドライト、LEDウインカー付電動格納式ドアミラ、プラズマクラスター付フルオートエアコンなども標準装備。
「ハイブリッド ジャストセレクション」は、ハイブリッドに、リア両側パワースライドドア+スライドドアイージークローザー、スマートキーシステム+イモビライザー、ナビ装着用スペシャルパッケージなどを追加。メーカーオプションとして、G エアロが標準装備しているプライムスムース&スウェード調ファブリックコンビシート・本革巻ステアリングホイール&セレクトレバー・運転席/助手席照明付ドリンクホルダー、コンフォートビューパッケージ、15インチアルミホイールなどを装着する「グランパッケージ」を設定している。
■参考車両と同時期の仕様グレード設定
グレード | 型式 | シフト | 駆動 |
G | DBA-GB3 | CVT | FF |
DBA-GB4 | 5AT | 4WD | |
G ジャストセレクション | DBA-GB3 | CVT | FF |
DBA-GB4 | 5AT | 4WD | |
G エアロ | DBA-GB3 | CVT | FF |
DBA-GB4 | 5AT | 4WD | |
ハイブリッド | DAA-GP3 | CVT | FF |
ハイブリッド ジャストセレクション | DAA-GP3 | CVT | FF |