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更新日:2025.11.05 / 掲載日:2025.11.05
ダイハツ「シャレード」など 後世に伝えたい「歴史遺産車」に選定 日本自動車殿堂
日本自動車殿堂(会長:藤本隆宏)は11月5日、「2025 歴史遺産車」および「2025 殿堂者(殿堂入り)」を発表した。
ダイハツ「シャレード」など3車が“遺産車”に選定。ボディ製造会社が手掛けた伝説的オープンカーも
「歴史遺産車」は、日本の自動車の歴史に優れた足跡を残した名車を選定、日本自動車殿堂に登録して後世に伝承するもので、2003年より開始。
今回、SUMINOE「フライングフェザー(1954年)」、UDトラックス「ミンセイ 6TW12(1960年)」、ダイハツ「シャレード(1977年)」の3台が選定された。
【SUMINOE フライングフェザー】合理的設計で実現した軽自動車の嚆矢(こうし)

フライングフェザーは戦後間もない時期に元・日産自動車社員の富谷龍一氏により設計され、当時自動車ボディ製造を手がけていた住江製作所で製造された軽自動車。1954年の第一回全日本自動車ショウで一般公開され、約200台が生産された。
「最小の機材と燃料で事足りる自動車を」という思想を具現化し、その設計には数多くの新機軸を包含し、時代の先端を行くものも多かったとされる。今回の選考においては、「時代の先を走りすぎた面もあり、商業的な成功には至らないまま製造中止となったが、その構想と先進性は1960年代に一大ブームとなった軽自動車の嚆矢といえるもの」と評している。
【UDトラックス ミンセイ 6TW12】高度成長期初期の物流を支えた超大型トラック

高度成長期の入り口に差し掛かった1960年、民生デイゼル工業(後のUDトラックス)が製作した11トン積 後輪2軸駆動(6×4)トラックが6TW12。国産初の後輪2軸駆動大型トラックで、最高速度は当時の4~5トントラックを上回る90km/hを実現し、高速の超大型トラックの先駆的存在となった。
選評では、「高度成長期の初期段階、一般道路も高速道路も未発達の当時の日本において、物流の長距離高速移動と大量輸送がおとずれることを念頭に置いて開発され、各地で活躍した」と、日本の産業発展に貢献した点を評価している。
【ダイハツ シャレード】高い経済性と安全性を両立し、国産大衆車の指針に

1970年代後半から90年代にかけて人気を誇ったダイハツ・シャレードは1977年に誕生。「広くて 小さい 快適な経済車」をキャッチコピーに、当時の世界中の自動車を取り巻く課題であった排出ガス規制・低燃費・安全性をクリアしたコンパクトカーとして第22回東京モーターショーで華々しくデビューを飾る。
独自の技術で開発した乗用車で世界初の量産1000㏄ 4サイクル3気筒エンジンを搭載し、高い走行性能と低燃費、広い室内空間を両立。国産大衆車の新たな指針となった点が評価された。
殿堂者には鈴木脩己氏を選定
自動車社会構築の功労者をその偉業とともに讃え、殿堂入りとして顕彰する「殿堂者」は、2001年より開始。
今回は、自動車雑誌出版の三栄書房(現・三栄)元代表取締役社長の鈴木脩己(すずき・おさみ)氏を選定。数多くの自動車雑誌を創刊し、現在の「日本カー・オブ・ザ・イヤー」の原型となる「カーオブザイヤー」を「モーターファン」誌において創設、さらには「東京エキサイティングカーショー」(現・東京オートサロン)の開催に携わるなど、自動車文化を読者とともに共創した功績が称えられた。
また、ジャーナリストの岡並木氏、初代ロードスター開発責任者の平井敏彦氏、R32スカイライン開発主管の伊藤修令氏を2020 日本自動車殿堂 殿堂者(殿堂入り)として発表。2020年は新型コロナ感染拡大により表彰式典が中止となったため、本年の表彰になったとしている。
日本自動車殿堂 公式HP:
https://www.jahfa.jp/
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