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更新日:2025.10.02 / 掲載日:2025.10.02
クロスビーが「格好いい+可愛い」にキャラ変!【スズキ】

文●内田俊一 写真●ユニット・コンパス
スズキは小型SUVのクロスビーを大幅改良し発売を開始した。フルモデルチェンジ級の改良だ。
可愛いから格好可愛いクロスビーへ

クロスビーはワゴンとSUVを融合させたクロスオーバーワゴンとして2017年12月にデビュー。ワゴンのパッケージングに、魅力的なデザインとSUVの楽しさを合わせ持ったクルマという位置付けだ。
そのクロスビーをユーザーは、スタイルや外観は競合車よりも高く評価しているものの、運転を楽にする機能や燃費の良さはあまり評価されていなかった。また、クロスビーの商品イメージはカジュアルで可愛いイメージを強く持たれている一方で、格好良いというイメージはあまり持たれていなかった。
このような声とともに、クロスビー投入当初から5.4倍に成長した小型SUV市場の動向を踏まえ、都会的なフロンクスと本格クロカンのジムニーというスズキのSUVラインナップの中で、クロスビーは格好良くスポーティーなイメージにポジションチェンジ。その結果幅広く充実した新しいスズキのSUVラインナップを完成させることが目的とされた。
また、クロスビーのカジュアルで可愛いというイメージは踏襲しながらも、格好可愛いという絶妙なデザインをまとわせることで、男女問わず選べるモデルに進化させたのが、今回のクロスビーなのである。
サイズは変えず大きく見せる

新型クロスビーの商品コンセプトは、アクティブシーンに似合う個性的なデザインと広い室内空間を兼ね備えたコンパクトクロスオーバーSUVだ。
ターゲットユーザーはライフスタイルにこだわりを持ち、人とは違う親しみやすいデザインを求める人。また、コンパクトで取り回しの良いサイズでありながら、広い室内空間の登録車を求める人。そして日常使いをメインとする一方、アクティブシーンでの使用も想定してクルマを購入する人とされた。
そこで、時代が求める安心・安全・快適性能はスズキが持つ最新技術を土台とし、コンパクトSUVとして使いやすい走行性能やパッケージングを中核に、個性的で親しみやすいデザインを最大の特徴として開発されたのである。
デザインは、“マインドサファリ、新しい自分を見つける”というコンセプト。マインドは自分自身、サファリは検索エンジンで(行ったことのない場所を)探す、あるいは冒険という意味付けだ。そしてこのデザインコンセプトは3つの要素で構成されている。
- 1.個性的で愛着の枠雰囲気(先代から踏襲)
- 2.新しいことに挑戦する行動力(先代から踏襲)
- 3.ゆっくり時間をかけて心が満たされる上質な体験を楽しむ(新規で加えられたもの)
これらにより行動範囲を広げ、どこまでも行けるようなタフさと、ドライブの時間を楽しめるような上質な仕立てを提供したい、マインドサファリを実現させたいという考えだ。
タフさと上質さの融合

エクステリアはSUVらしい力強さを目指し、水平基調のフードと厚みのあるフロント造形によるSUVらしいタフさ。そして大型のルーフエンドスポイラーと角張ったリアコンビランプによって全長はそのままにクルマ全体が大きくなったような力強さを表現。また、前後バンパーに車体色を追加することで材着樹脂によるプロテクト感を強調したSUVらしいタフさを表している。
さらにアルミホイールも新しいデザインとなった。グレードにより切削アルミホイールを設定。切削とソリッドブラックの組み合わせはコントラストが効いた配色で、SUVの力強さと、クロスビーのXをモチーフに用いたタフなデザインだ。

インテリアは、先代より車格に見合う上質なインテリアに一新させるため、骨格にしっかりした横基調のインパネに、新規でT字でセンターコンソールが生えている構成がとられた。この二段式センターコンソールにはスマホやモバイルバッテリーなど日常でよく使う小物を上下のトレイに収納できるようにしている。
また、インパネ加飾とドアトリム加飾は新規にブラウン樹脂を開発。これはレザーを模した造形が取り入れられており、そこにステッチシボを追加し、皮が伸びる部分はシボを浅く見せる工夫が施された。実際に革製品を扱う家具工房などに出向いたほか、実際に購入しどうするとレザーに見えるのかを徹底的に研究したという。



マイルドハイブリッドで燃費向上

クロスビーは広い室内空間とともに軽自動車並みの取り回しの良さも特徴だ。最小回転半径は最小回転半径4.7mとハスラーの4.6mに迫る小ささだ。室内では国内の2列シートSUVの中ではトップクラスの室内長とともに、リアシートは左右独立で165mmのスライドと10段階のリクライニングが可能だ。
さて、パワートレインはマイルドハイブリッドシステムを採用。エンジンはスイフトから用いているZ12Eエンジンで、WLTCモード燃費は2WDで22.8km/lで約25%燃費向上。4WD車も含めて全車エコカー減税対象車となった。
また快適な乗り心地と素直なハンドリングを実現すべく、減衰接着剤を新採用することで車体剛性を向上させ、それに合わせたサスペンションセッティングに見直された。同時にボディ各所に吸音材など静粛性向上アイテムを盛り込むことで、ドライブ中の会話をより楽しめるように配慮している。



装備面では、スズキ初採用として2WDの走行モードが採用されたほか、7インチメーターディスプレイカラー、リサイクル材を用いたラゲッジアンダーボックスなどを装備。さらに新アイテムとしてはステアリングヒーター、電動パーキング、9インチディスプレイナビ、スズキコネクト、HDMIソケッドなどが搭載された。また、進化ポイントとして、2WDの床下収納の使い勝手の向上や、パワーデリバリーに対応したタイプC USBソケットが挙げられる。
そして安全装備では予防安全技術や運転支援機能のスズキセーフティサポートとして、衝突被害軽減ブレーキ、DSPSIIを標準装備。その他、様々な安全装備を新たに設定、追加している。加えて、スズキとして力を入れたのが、新機能であるアクティブコーナリングサポートだ。これは、カーブ走行時に想定以上にRがきつく外側に膨らみそうな時に内輪に軽くブレーキをかけることで、安定してコーナーを曲がれるように運転をサポートする機能も採用された。
価格は2,157,100円からで2WDと4WDが用意されている。