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更新日:2025.09.24 / 掲載日:2025.09.24
新型エクストレイル大研究《NISMO/AUTECH/ROCK CREEK》
NISSAN 新型エクストレイルのすべて
日産の主力モデル、エクストレイルがマイナーチェンジを実施。改良モデルは、内外装の刷新&機能強化に加えて、NISMOモデルを含めたラインナップ強化が図られるなど、その商品力を大きく高めてきている。ここでは新型で注目すべきポイントを解説する。
●文:川島茂夫 ●写真:澤田和久/日産自動車
個性が際立つカスタム仕様。選択肢の拡大も見逃せない
注目したいのは「NMCのカスタマイズモデル」の充実だ。これまでも内外装をカスタマイズしたオーテックモデルがラインナップしていたが、新たに「オーテックSS」「ニスモ」「ロッククリーク」が追加された。内外装だけでなく、走行性能のチューニングも異なる。特に走行性能を重視したオーテックSSとニスモはかなりの注目を集めそう。オーテックとニスモは、走行性能の方向性が少し違うが、それぞれの走行性能の付加価値がはっきりしていて、個性の違いを明確に主張していることも興味深いところ。
走行性能と内外装のプレミアム性を重視するオーテックとニスモに対して、SUVらしいタフネス感を強調しているのがロッククリークだ。3スロットのフロントグリルやプロテクターと一体になったようなバンパーデザインや、専用の19インチアルミホイールなどが特徴で、原点ともいえる王道SUVの雰囲気が楽しめる。
これらのカスタムモデルによって、ユーザーは自分の好みや用途に合わせて、より多様な選択肢の中から最適な一台を選べるようになったわけだ。
注目カスタムモデルは独自チューンで走りに個性を
ニスモは、内外装だけではなくシャシー、車種によってはパワートレーンまで独自にチューニングを施すカスタマイズモデル。今回追加されたエクストレイルでも、この基本姿勢は変わらない。ただ、今回の改良でオーテックSSが追加されたことで、ニスモとの立ち位置は少し複雑になっている。
ニスモとオーテックSSは、どちらも専用のサスペンションとパワーステアリングのチューニングが施されている。ハードウェア面では、オーテックSSがヤマハ製パフォーマンスダンパーがプラスされているが、バネサスやダンパー自体は両モデルとも共通の設定だ。
タイヤはどちらも20インチのミシュラン製。オーテックSSは「プライマシー4」を、ニスモはアリア向けに開発された「パイロットスポーツEV」を装着。ホイールもそれぞれ専用デザインだが、ニスモ用はより幅広のリムとなる。
これら細かな違いの中でもとくに注目すべきは、「e-4ORCE」のチューニングだ。両モデルとも専用のチューニングが施されており、車両の操縦安定性や挙動に大きく影響する。この制御の違いが、それぞれの走行性能の方向性の差となって現れる。
車種展開もオーテックとニスモでは異なる。オーテックには内外装のみをカスタマイズした仕様と、シャシーにも手が加えられたSSが用意されているが、ニスモは内外装もシャシーも1つの仕様のみになる。
オーテック、ニスモともに「X」をベースにした標準的な仕様と、「G」をベースにナビやプロパイロットパーキングなどを装備したアドバンスドパッケージを設定。ただ、オーテックSSは、アドバンスドパッケージベースの仕様のみとなる。
価格を比べると、ニスモは標準仕様が約542万円、アドバンスドパッケージが約596万円、オーテックSSは約590万円だ。最高価格帯のモデルはニスモ・アドバンスドパッケージとなるが、おおよその価格帯はほぼ横並びと考えていいレベルだ。走行性能とコストパフォーマンスを重視するユーザーには、約50万円安い、ニスモの標準仕様は魅力的だろう。
ニスモには、レースで培われた技術や思想が活かされている。エクストレイルでも例外ではなく、単純な速さの追求だけでなく、ドライバーや乗員のストレス軽減も考慮したチューニングが施されていることもポイントだ。雰囲気は大きく違うが、エクストレイルに投入されたオーテックSSとニスモは、日産の電動駆動制御の凄みを体感できる、e-4ORCEのフラッグシップモデルだ。
新型エクストレイル・NISMO advanced package e-4ORCE









新型エクストレイル・ROCK CREEK e-4ORCE


北米ローグで人気のカスタムが満を持して日本上陸
ロッククリークは、米国向け姉妹車のローグに設定されていたカスタム仕様。3スロットフロントグリルやフロントバンパー、19インチアルミホイールなど専用にデザインされた外装を採用し、専用ボディカラーも設定。インテリアでは、シートやトリムに専用のデザインを施すとともに防水シートを採用するなど、アウトドアレジャー向けの設計とした。またXベースながら、前席パワーシートも標準装備されている。






新型エクストレイル・AUTECH SPORTS SPEC e-4ORCE


パワートレーン&シャシーにもチューニングを施した最上級モデル
オーテックの名を冠するモデルは、大人のための落ち着いた空間の演出や、プレミアム感漂う外観を持つことが特徴。マイナー前から標準仕様のオーテックと、ナビやパワーシートなどがプラスされたオーテック・アドバンスドパッケージを展開しているが、今回はアドバンスドパッケージをベースにパワートレーンやシャシーにチューニングを施したスポーツスペックを追加した。このモデルがオーテックの最上級仕様となる。





