輸入車
更新日:2025.07.22 / 掲載日:2025.07.22
MINIユーザーに会って教わったこと【九島辰也】

文●九島辰也 写真●MINI
先月このコラムでご紹介しましたが、このところMINIのディーラーでのトークイベントを何度か行いました。BMWジャパンのMINI一筋23年の山口本部長と一緒に、お声だけいただいたショールームへ伺い話をします。日本人で唯一すべてのMINIのメディア向け海外試乗会に参加しているので、ネタはいっぱいあります。これまで数多くのデザイナーや開発者にインタビューしてきましたから。
ですが、今回はそれではなく、トークイベントに伺って知ったことをお話したいと思います。

一番驚いたのは新型MINIに登場したBEVについてです。販売が好調というのはわかりますが、購入している人たちの使い方に関心を持ちました。というのも、そのほとんどが充電設備を持った一軒家ではなく、設備のないマンションなどの集合住宅に住んでいるそうです。で、充電は買い物の間にショッピングモールで行うとか。平日のそうした行為で、一週間使えるそうです。なるほど、効率的ですね。
多くの方が想像するように、通常BEVは自宅で充電するのが王道となります。我々がメーカーから受けるプレゼンテーションは、決まってその説明があります。自宅ガレージで普通充電用ケーブルを挿して、寝ている間に充電が完了するいつものアレです。その経過を専用のアプリでチェックできたりします。なので、BEVと自宅充電は切っても切れない関係にあると思っていました。
事実、ワタクシもそうしています。BEVのテスト車両をメーカーからお借りすることがあるので、200Vの普通充電を自宅で出来るようブレーカーの位置を変える工事をしました。それが必須だと思ったからです。

ですが、リアルなユーザーはその先に進んでいました。自宅で充電するという概念はなく、充電を行動範囲に取り入れているんです。すごい。メーカーよりユーザーが先を行っている気がします。
他に興味を持ったユーザーの話では、MINIからMINIに乗り換える人が多いこと。特に3ドアから5ドアやクラブマンに乗り換える人は多いようです。クロスオーバー(現カントリーマン)も受け皿になっている模様。ただリアゲートが観音開きのカントリーマンファンは多く、乗り換えていないとも聞きました。確かにあのモデルはオンリーワンですよね。個人的には初代クラブマン(R55)に乗っていたことがあるので共感します。クラブマンはMINIのラインナップの中でも個性が強い方だと思います。
とはいえ、新世代に移行したMINIにクラブマンが加わる見込みはありません。幾度か本社の人に聞いてみましたが、予定はないようです。ちょっと残念。
ですが、この後ラインナップに追加されるモデルはないとも言い切れない。MINIには“限定車”というワザがあります。ポールスミスバージョンなんか登場したら嬉しいですよね。かなりオシャレなイメージを受けます。ポールスミス以外にもファッションブランドとのコラボは期待したいところです。

それと忘れてならないのは、JCW GP(ジーピー)。過去3
回くらい世界限定で登場していますから、新世代MINIにも追加される可能性はあります。でもってその場合気になるのはベースモデルをどれにするか。3ドアハッチバックにはガソリン車とBEVがあります。それを鑑みると、BEVのGPの可能性はありますね。電気自動車の瞬発力はとにかく鋭いので、かなりレーシーな仕上がりになることでしょう。0-100km/h加速で言えば、史上最も速いJCW GPになるはずです。もしメディア向け国際試乗会があればどこかの国のサーキットかな。期待しちゃいます。
ということで、トークイベントを通じてMINIの別の一面を知ったり、深く考えたりする機会を得ました。ユーザーと触れある機会は大切です。ウエインズインポートカーズ、セブンスターのみなさまお世話になりました!