カーライフ
更新日:2025.07.15 / 掲載日:2025.07.15

気になるEV、1週間徹底試乗レポート![BYD SEALION 7(シーライオン 7)]

文と写真⚫︎ユニット・コンパス ※ナンバープレートは、すべてはめ込み合成です。

電気自動車のある生活をレポートしてきた「リアルEVライフ」。 ホンダeを購入して1年半が経過した編集部 大塚。シーズン2では、そんな彼が違う電気自動車に乗って何を感じるのか? いろいろなEVを1週間ほど借り出して、シチュエーション別にテストしていきます。テーマはもちろん「徹底的にユーザー目線」で!

 前回の記事はこちら▼ 

【今回のテストモデル】 BYD SEALION 7(シーライオン 7) AWD

全長4830mm
全幅1925mm
全高1620mm
ホイールベース2930mm
車両重量2340kg
乗車定員5名
最小回転半径5.9m
駆動方式四輪駆動
サスペンション(前/後)ダブルウィッシュボーン/マルチリンク
ブレーキ(前/後)Vディスク/Vディスク
バッテリー総電力量82.56kWh
バッテリー種類リン酸鉄リチウムイオン電池
最高出力(前)160kW
最大トルク(前)310Nm
最高出力(後)230kW
最大トルク(後)380Nm
一充電走行距離540km(WLTCモード)
タイヤサイズ 前245/45R20
タイヤサイズ 後245/45R20

車両本体価格が572万円(消費税込み)

 今回のテスト車は、BYDの第4弾となる電気自動車「シーライオン7」。2024年6月に国内販売されたBYD SEAL(シール)をベースに設計され、全長4830mm。全幅1925mm、全高1620mmの大きなサイズのクロスオーバーである。デザインはBYD Dolphin(ドルフィン)やシール同様、海洋生物の言語を取り入れているのが特徴。ルーフ後端に向けて傾斜するクーペスタイルにより、背の高いクロスオーバーでありながらCd値0.28という空力性能を実現している。

 プラットフォームは、EV専用の「e-Platform 3.0」をベースに、シールから採用した「CTB(Cell to Body)」の技術を導入。高剛性ボディと優れたハンドリングを両立したほか、高い静粛性も実現した。ラインアップは、RWDとAWDを設定。今回取材したのはAWDで、BYDが独自に開発したインテリジェンス・トルク・アダプテーション・コントロール(iTAC)を搭載する。こちらは、走行状況に応じて前後モーターを制御し、スムーズかつ安定した走りを実現。また、0-100km/h加速はわずか4.5秒と優れた加速性能も持ち合わせている。

【通勤テスト】自宅~勤務先の片道約25km(往復約50km)をテスト! 普段使いの電費や乗りやすさをここでチェック!~まずは引き渡しで第一印象を~

編集部 大塚「この連載でBYDは初登場ですね! 以前、ATTO 3(アット3)に試乗した際にもいろいろな発見がありましたが、今回のシーライオン7は全体的にこのクオリティでこの価格にまず驚かされました。いわゆる高級車に期待される装備がひととおり装着されています」

BYDは今年の4月に商品ポートフォリオの最適化と国内販売モデルの価格改定を実施していて、RWDの「BYD シーライオン 7」は495万円(税込)、そしてAWDの「BYD シーライオン 7 AWD」は572万円(税込)と、かなりの戦略的な価格です。おそらく、国内での成長を前提とした攻めの価格設定といえそうですね。ちなみにですが、この「BYD シーライオン 7」に適用される令和7年度のCEV補助金は35万円に決定したため、たとえば東京都内で購入・登録した場合は、東京都の補助金45万円と合わせて、最大80万円の優遇が受けられることになります。

編集部 大塚「ドライバーズシートに座ってまず思ったのは、とてもゆったりしていること。とくに大柄で体を包み込んでくれるシートは、リラックス感があります。その後、助手席、後席も試しましたが、どれに座ってもいい感じですね。今回は帰宅テストからスタートさせてもらったのですが、会議だらけでかなり消耗した状態での試乗にも関わらず、ゆったりと走らせることができました。そこで驚いたのは取りまわし性のよさと、静粛性の高さです。とくに静粛性の高さは、シーライオン7の価格を大きく超えたライバルにも匹敵するぞ、と」

このデザインは空力にも優れていて、背の高いSUVにも関わらず、Cd値は0.28に抑えられています。デザインそのものは、先に登場しているフォルフィンやシール同様に、BYDの海洋シリーズに共通するデザイン言語「海洋生物の自由さと美しさ」でまとめられています。具体的には、フロントからリアに走るダブル・ウエストライン、ルーフは穏やかに傾斜するクーペスタイル、そしてリアエンドは海原の水平線を表現した貫通式のテールライトが採用されています。

編集部 大塚「美しいな、綺麗だな、と素直に思えるデザインですね。すっ~と意識に溶け込むといいますか」

この躍動感あるボディワークの実現には、日本のトップクラスの金型技術を有するTATEBAYASHI MOULDING 株式会社(BYDのグループ企業)の匠の技が生かされているとのこと。これに驚きですね。

【寄り道テスト】/会社からの帰り道、買い物やちょっとした寄り道での、使い勝手やワクワク感をチェック!

編集部 大塚「このモデルには、高い安全性と耐久性を持った電池が採用されていると聞きましたが」

LFP(リン酸鉄リチウムイオン)バッテリーですね。このバッテリーは、ほかの多くのEVが使用している三元(NMC)系(正極材に、ニッケル「N」、マンガン「M」、コバルト「C」を使用)リチウムイオンバッテリーに比べて重い、容量が少ないというデメリットがある反面、高い安全性と耐久性を持ったバッテリーで、正極材にリン「P」、鉄「Fe」、リチウム「Li」が使用されたものとなっています。

編集部 大塚「車体の取りまわしに慣れてくると、ほかのチェックに余裕ができます(笑)。まずはBYDのウリのひとつといえる大型ディスプレイは、ディスプレイの向きを回転できることから、ナビ使用中など進行方向の渋滞情報がわかりやすいですね。また、左折時にディスプレイにモニターが映し出されて死角が映像化されるのもいいなと思いました。そして、肝心な走りですが、これがまたすごい。2340kgの車体をグイグイ加速させるわけですが、首都高の中速コーナーでもまったく不安感はないですし、先ほどもコメントしましたが静粛性に優れているからすこぶる快適です。タイヤがミシュランのパイロットスポーツ EV というところにも、シーライオンにかける意気込みを感じさせます」

シーライオン 7のサスペンションはフロントにダブルウイッシュボーン、リアにマルチリンクと非常に凝った機構を採用していることに加え、可変ダンピングダンパーを全車(RWD、AWD)に装備。さらに、AWD仕様にはBYDオリジナルの「インテリジェント・トルク・アダプテーション・コントロール(iTAC:アイタック)」という、走行状況に応じて前後のモーターを0.022秒という回転角度でスリップレートを検知、制御する機能を装備しています。

編集部 大塚「さすがにそこまで細かくは私のセンサーではキャッチアップできませんでしたが(苦笑)、街中、高速、ワインディングと全方位的にとにかく乗り心地の良さは価格を超えていると思いました」

今回充電状況はどうでしたか?

編集部 大塚「自宅と出先、あわせて3回の充電を行いましたが、とくに急速充電の2回目は、バッテリーの余熱機能も効果もあってか、90kWh使用で30分、58% → 92%とすこぶる優秀でした」

【お出かけテスト】ロングドライブでの電費や、快適性などを同乗者の意見も交えてチェック!

編集部 大塚「今回は時間が調整できたので、そこそこの距離を走らせることができました。あらためて思ったのが装備の充実度ですね。おおよそ、最新のBEVのトレンドに則したものはすべて装着されています。そして、ここに関してはちょっと気になる点がいくつかありました」

どんなところでしょうか?

編集部 大塚「これは好みによると思うのですが、まずは回生ブレーキ。「high」にしたときにもう少し回生されるといいなと思いました。次はドライバーモニタリングアシスト。センサーがかなり鋭いのか、頻繁に『運転に集中してください』という表示がでるので、ロングドライブ中にこの機能をオフにしました。また、ICCについては、ACCはワンタッチで作動して使いやすいのですが、レーンキープ機能時のステアリングの挙動が敏感!?で、その点は今後改善を希望したいと思いました」

今回はモニター内の文字や制御系はすべてBYD製とのことで、今後の熟成に期待したいですね。

編集部 大塚「それに対して、家族の評判はすこぶるよかったです。やはり、広さと静粛性の高さは評価に直結しますね! 驚いたのが音声認識機能で、たとえば後席に座っている人が『ウインドウを半分下げて』と発したらしっかり答えてくれるなど、何気にすごいことが起きています(笑)」

~試乗を終えて~

編集部 大塚「美しいスタイリングと居住空間を含めたパッケージ。さらに、贅沢な機構に裏打ちされた快適な走りなど、BYDの実力を体験することができて、とても貴重な試乗時間でした。これがこの価格で!?ということに、驚いています。今後の動向に期待したいです」

日本の駐車場事情では、給電口右後ろが個人的にはベストと思います。
自宅充電で100%(走行可能540km!)

今回のまとめ

○大人がゆったりくつろげる車内空間
○こだわりのサスペンションや静粛性の高さによる快適な走り
○これでもか!のフル装備
△制御系のさらなる進化を望みたい

今回の充電データ

急速充電(50kWh)38% → 63%
急速充電(90kWh)58% → 92%(かなり優秀!)
次回予告

次回は「テスラ モデルY」をじっくりテストします!

編集部 大塚
編集部 大塚

リポータープロフィール:自他共に認めるクルマ好き、キャンプ好き、ウインタースポーツ好きにして、気になることは徹底的に調べるのがモットー。今回は企画を成立させるために、ローンを駆使して自らEVを購入。これからEVにまつわる諸問題に体当たりしていきます! プロトコーポレーション 執行役員/2025-2026 日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員。

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  • 年式 : 2021年
  • 走行距離 : 2.3万km
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