中古車購入チェックポイント
更新日:2018.10.26 / 掲載日:2015.02.13
トヨタ アクア G’s 中古車購入チェックポイント
トヨタ アクア G’s(ジーズ)(2013年12月~2014年12月) 中古車購入チェックポイント
参考車両:G’s(DAA-NHP10)
初度登録:2013年12月
追加装備:<メーカーオプション>スマートエントリーパッケージ(スマートエントリー&スタートシステム、盗難防止システム、コンライト)<ディーラーオプション>オーディオレスカバー、G’s専用ボディストライプ、G’s専用フロアマット
■全体のチェックポイント
関連部のダメージにも注意しながらチェックする
1.外見の様子からチェック
1.外見の様子からチェック
まずは、外装に異常がないか、車体まわりを探っていく。前面は、バンパー、グリル、ボンネット、ヘッドランプ、フェンダーなどの状態をチェック。細部では、フロントガラスの飛び石傷などにも注意。
2.隣接部も同時にチェック
2.隣接部も同時にチェック
バンパーは、角や下部、グリルやフォグランプなど付随部品、下側のエアスパッツなども、損傷がないか見て、立て付けもチェック。
フェンダーは、HYBRID/G’sガーニッシュ、ホイールアーチ(タイヤを囲っている部分)の縁、タイヤハウス内、フェンダーライナー(内側の泥よけ)などもチェック。
3.ドアと関連部をチェック
3.ドアと関連部をチェック
ドアは、外面だけでなく、内側も修理跡などがないかチェック。ドアを外して修理/交換していないか、ヒンジ部もチェック。同時に、ピラー(柱)やサイドシル(車体の梁)など周辺の状態も調べる。
4.下側に要チェックポイント
車体側面下部は、サイドマッドガードに傷や破損などないかチェック。それよりも重要なサイドシル(サイドマッドガードで覆われている車体の梁)に損傷、腐食、修理/交換跡などがないかチェック。同様に、ステップ部(サイドシルの上側)も慎重にチェックする。
5.損傷の程度を確かめる
ドア開口部は、乗り降りによる傷や簡易補修跡などがないかチェック。マスキング跡があれば、周辺を詳しく調べて、損傷の程度と範囲を確認。
左リアフェンダーは、フューエルリッドをチェック。給油口周辺も、修理跡やマスキング跡などがないか見る。
6.後部のチェック
後面も、バンパー、バックドア、コンビネーションランプ、フェンダーなどをチェック。ガーニッシュ、ナンバープレート、エンブレム、ルーフスポイラーなどもチェック。バックドアは、開閉具合やロッドダンパーの効き具合をチェック。バックドアの内側とヒンジ部もチェック。開口部のパネル接合部も、シーラーや塗装などの状態に注意しながらチェック。さらに、スペアタイヤ収納部のパネルも、歪みや修理/交換跡などがないか調べる。
7.車体の内側を調べる
ボンネットの内側やヒンジ部、フェンダーのエンジンルーム側と取り付け状態、フレームなど車体パネル、最前部で左右に繋がっているラジエターサポートおよび関連部品なども、損傷や修理/交換跡などがないか必ずチェックする。
8.タイヤとホイールをチェック
8.タイヤとホイールをチェック
タイヤは、残り溝の深さを点検し、傷やひび割れ、欠けなどがないかチェック。異常摩耗を起こしていれば、サスペンションの異常のほか、車体が歪んでいる可能性もあるので要注意。
アルミホイールは、塗装の傷みや剥がれ、リムの縁(タイヤと接している部分)の損傷、過度な衝撃を受けると生じることがある歪み(変形)や割れなどにも注意しながらチェックする。
9.床下の状態もチェック
9.床下の状態もチェック
車体パネルや補強部材、カバーなど車体部品。マフラーやサスペンションなどの機能部品類も、損傷や修理/交換跡がないかチェック。エンジンアンダーカバーやプロテクターがあるが、高電圧ケーブルの損傷などにも注意したい。
オイルやグリスなどの漏れ、樹脂やゴム部品の劣化・破損などにも注意。錆があれば、広がり範囲と腐食の進行状態をチェックする。
★損傷や修理/交換歴の有無を確認
「アクア」は、5ドアコンパクトハッチバックのハイブリッドカー。プロジェクター式ハロゲンヘッドランプ、エアスパッツ(タイヤの前にある整流板)、サイドターンランプ付電動格納式ドアミラー、リアルーフスポイラーなどを全車装備。エンジンルームに、ハイブリッド動力機構。後席下に、駆動用バッテリーと補機用12Vバッテリーがあり、その後ろに燃料タンク。床下およびエンジンルームに、高電圧ケーブル(オレンジ色)が通っている。
「G’s」は、フロント/リアバンパー、LEDイルミネーションビーム、ヘッドランプ、サイドマッドガード、リアコンビネーションランプなどがG’s専用。チューニングサスペンション、剛性アップパーツ、17インチアルミホイール&195/45Rタイヤを装着。参考車両には、ディーラーオプションのG’s専用ボディストライプも付いている。
車体まわりは、外装だけでなく、走行機能に支障があるようなダメージがないか注意したい。車体の骨格部を事故修理している車両は修復歴車だが、たとえ修復歴に該当しなくても、損傷の有無や修理/交換している箇所がないか販売店に聞いてみよう。
★足まわりと関連機能の状態も確認
★足まわりと関連機能の状態も確認
「G’s」は、17×6.5J切削光輝アルミホイール&195/45Rタイヤ、チューニングサスペンション・25mmダウン、アンダーボディ剛性アップパーツ(フロントサスペンションメンバー後端ブレース、フロアセンターブレース、ロッカーフランジ/ドアオープニングスポット溶接打点追加など)を装着。タイヤ&ホイール、サスペンション、ブレーキ、ステアリングなどの各機能のほか、EBD付ABSやVSC&TRCなど関連機能の作動に問題がないか注意したい。
車内の状態と装備機器類の機能・作動をチェック
1.隅まで細かくチェック
1.隅まで細かくチェック
室内は、内装材に汚れや傷、破損などがないか。ダッシュボードからドア、床、天井までチェック。ボックスやトレイなどは、内部も見る。シート表皮の染み、擦れ、破れ。メッキや塗装加飾の傷。ボックスリッドやエアコン吹き出し口などの可動部破損にも注意したい。
2.後部の状態まで調べる
2.後部の状態まで調べる
前席だけでなく、後席も、6:4分割可倒リアシートの背もたれ前倒しなども試しながら周辺を丹念にチェック。ラゲッジスペースも、傷みがないかチェック。フロアボードを開けて、工具やタイヤパンク応急修理キット(またはスペアタイヤ)の収納状態なども見る。
3.装備機能の作動を確認
ヘッドランプ、ウインカー、ワイパー、ドアミラー、テール/ブレーキ/バックランプなど保安装置。パワーウインドウ、ドアロック、室内ランプなど基本的な装備機器の作動具合をチェック。リモコンキーのワイヤレス機能およびドアの解錠・施錠具合などもチェック。
オートエアコンは、特に冷房の効き具合に注意して、自動調整や設定機能をチェック。走行機能の[エコドライブモード]作動時は、空調制御(暖房・冷房を抑制)されることにも注意したい。
4.追加装備の機能も確認
[スマートエントリーパッケージ]は、スマートエントリー&スタートシステム+エンジン/モーターイモビライザー+コンライトを装備。オーディオレス・カバーレスが標準装備だが、参考車両には[オーディオレスカバー]も付いている。
パッケージ(7セットある)やメーカー/ディーラーオプションなどを装備している車両は、追加された機能も正常かチェックする。
★販売店で細部まで調べてもらう
「G’s」は、「G」をベースに専用アイテムで室内をカスタマイズ。参考車両には、メーカーオプションのスマートエントリーパッケージとディーラーオプションのオーディオレスカバー、G’s専用フロアマットも追加している。
中古車をチェックする際は、車両の装備内容を販売店で確認。装備機器類の機能や操作方法などは、販売店スタッフに聞いてみる。とりあえずわかるところだけでもチェックして、細部は販売店で点検してもらおう。特に電装・電子機器の機能に異常がないか確認したい。
ハイブリッドシステムと走行機能の具合を確認する
1.システムを始動してみる
スマートエントリー&スタートシステム装備車は、電子キーとパワースイッチの機能をまず確認。始動時には、表示/警告灯、メーター/インジケーター/ディスプレイの表示、警告音などにも注意したい。わからないことや疑問は、販売店スタッフに聞いてみよう。
2.運転支援機能もチェック
ECVT(電気式無段変速機)の[P・R・N・D・B]レンジへのシフト具合をチェック。走行時のハイブリッド制御[発進・通常走行・減速・加速・停車・登坂]。モーターだけで走る[EV MODE]や燃費を優先する[ECO MODE]の制御具合もチェック。
走行安定制御[VSC&TRC]、電子制御ブレーキ[ECB]、坂道発進補助[ヒルスタートアシスト]など安全・運転支援機能などの作動状態もチェックしたい。
とはいっても、異常を判断するのは非常に難しい。と言うより、まず無理。走行機構や機能の状態は、販売店で点検してもらおう。
★正しく点検・整備してもらう
★正しく点検・整備してもらう
「アクア」は、1.5L直列4気筒エンジン、ハイブリッドトランスアクスル(駆動/発電用モーターや動力分割機構などで構成)、昇圧コンバーター付パワーコントロールユニット、駆動用ニッケル水素電池、電気式無段変速機(エンジン・機械式減速機構・発電機・モーターなどを電気制御)などを搭載。全車FF(前輪駆動)で、制動力配分制御EBD付ABS&ブレーキアシスト、走行安定機構(横滑り抑止VSC&空転抑止TRC)、車速感応型電動パワーステアリング、ヒルスタートアシスト、車両接近通報装置など備えている。各機構の構造などはさておき、それぞれの機能に異常がないか確認したい。
とりあえずエンジンルーム内だけでも見て、詳しい整備状況は販売店に聞いて確認する。車両の購入を決めるなら、ハイブリッドシステムはもちろん、すべての走行機構を正しく点検・整備できるかどうかも確認したい。
■最初に車両の現状を確かめる
中古車両をチェックする際は、現物を見て「年式(登録年月日)・仕様・グレード」を確認。標準装備のほかに、メーカー/ディーラーオプション、市販機器、カスタムパーツなどを追加していないか確認。走行機構の整備状態も含めた現状を販売店で確認しよう。
目利きはココを見る!
「車両の情報」を見る
●「車検証(自動車検査証)」で初度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を必ず確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両の状態を探る参考になる。
「立て付け」を見る
●外板パネルは、合わせ(隙間)が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか修理/交換している可能性がある。●プレスライン(外板パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの狂いなども判断しやすい。パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども見つけやすい。しわが寄っているのは、ダメージ痕か、板金修理跡だ。
「塗装の状態」を見る
●部分的に色艶が違っていたり、ザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。●新しい塗装跡は、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか、詳しく調べる。●修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがあるので、隣接しているパネルの色艶も比べてみる。●塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があるのはマスキング(周辺に塗装スプレーの飛沫が広がらないようにするカバーを粘着テープなどで留める)跡。ドア開口部などにマスキング跡があれば、なんらかの理由で塗装しているので、周辺を詳しく調べる。●エンジンルーム内やスペアタイヤ収納部などは、外装色とは違っていることもあるので注意する。
「取り付け状態」を見る
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●ボンネット、フロントフェンダー、ドア、テールゲート(またはトランクリッド)などは、外して修理、あるいは交換することがあるので、ネジを見て、ヒンジおよび車体側のヒンジ固定部周辺も修理跡などがないか調べる。
「接合部」を見る
●車体部品を交換する際に溶接部分を外すことがあるので、鉄板接合部を調べる。●スポット溶接(接合部にある丸い窪み)を打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれている(2度打ちした)など、新車組み立て時の状態とは異なる特徴があるので注意する。●接合部に塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理や交換で塗り直していると不自然に見える。●爪で押して、プチッと表面が割れる(表面が硬くても内部が柔らかい)ようなら新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、接合状態や塗布する方法によって形状が違っていることにも注意する。
■今回の車両のプロフィール
●2011年12月に新発売した「アクア」は、2代目プリウスの1.5Lハイブリッドシステム(リダクション機構付THS II)をコンパクトカー向けに小型・軽量・高効率して搭載。仕様グレードには、シンプルな装備で低価格の「L」、スタンダードな「S」、上級の「G」を設定。各種装備をセットにしたパッケージオプションも設定。2013年5月に一部改良し、装備設定を一部変更。Gに「ブラックソフトレザーセレクション」を設定。
●2013年12月に一部改良。動力システムを改良し、燃費を向上。一部装備の仕様・機能を向上。あわせて、スポーツコンバージョンモデル「G SPORTS(通称G’s ジーズ)」を設定している。
「L」は、ウレタンステアリングホイール、L用ファブリックシート表皮、一体リアシート、14インチスチールホイールなどを標準装備。「S」は、プライバシーガラス、S用ファブリックシート表皮、シルバー加飾ステアリングホイール、6:4分割可倒式リアシート、15インチスチールホイールなどを標準装備。「G」は、本革巻ステアリングホイール、スエード調ファブリックシート表皮、アームレスト付センターコンソールボックスなども標準装備。「ブラックソフトレザーセレクション」は、Gに、ブラック合成皮革シートやスマートエントリーパッケージを追加している。
「G’s」は、Gをベースに、外装・内装をカスタマイズし、チューニングサスペンション、剛性アップパーツ、17インチ切削光輝アルミホイール&195/45Rタイヤなどを装着している。
■参考車両と同時期の仕様グレード設定
グレード | 型式 | シフト | 駆動 |
L | DAA-NHP10 | ECVT | FF |
S | DAA-NHP10 | ECVT | FF |
G * | DAA-NHP10 | ECVT | FF |
G’s | DAA-NHP10 | ECVT | FF |
●その後、2014年12月にマイナーチェンジ。新タイプ「X-URBAN(エックスアーバン)」を設定。「G’s」は、ベース車に合わせて、サスペンションセッティングや装備設定などを一部変更している。