中古車購入チェックポイント
更新日:2018.11.20 / 掲載日:2014.11.21
スズキ スイフト RS 中古車購入チェックポイント
スズキ スイフト RS (2014年6月~)
DBA-CZ72S
参考車両:RS-DJE
初度登録2014年6月
追加装備:<メーカーオプション>ディスチャージヘッドランプ
<ディーラーオプション>HDDナビゲーションシステム、ETC
全体のチェックポイント
3代目「スイフト」が2013年7月に一部改良した後の特別仕様車「RS」。エアロパーツや欧州仕様車の足まわりなどを装着しているが、車体や走行機構などの基本構成は標準車と同じ。車体まわり・室内・装備機器・走行系統各部をしっかりチェック。2014年6月に追加された「DJE」車は、エネチャージやアイドリングストップなどエコ機能の作動状態も確認したい。
外装と同時に骨格部にもダメージがないか探る
1.車体のバランスを見る
1.車体のバランスを見る
まずは、外装に異常がないか探っていく。前面は、バンパー、グリル、ボンネット、ヘッドライト、フェンダーなどの状態をチェック。細部では、ボンネットやフロントガラスの飛び石傷にも注意したい。
2.周辺も同時に調べる
2.周辺も同時に調べる
バンパーは、アンダースポイラーに損傷がないか見て、バンパー本体、グリル、フォグランプベゼル、ヘッドランプなどもチェック。
バンパーに連なるフェンダーは、ホイールアーチ(タイヤを囲っている部分)の縁、奥のタイヤハウス内、内側に付いているフェンダーライナー(泥よけ)などもチェック。
3.関連部も慎重にチェック
ドアは、外面だけでなく内側も修理跡などがないかチェック。ドアを外して修理/交換していないか、ヒンジ部も見る。同時に、車体側のピラー(柱)やサイドシル(梁)など関連部もチェックする。
4.車体の内側もチェック
ボンネットは、内側とヒンジ部をチェック。フロントフェンダーは、エンジンルーム側に腐食(錆)や修理跡などがないか見て、固定状態も調べる。同時に、車体パネルもチェック。最前部で車体の左右に繋がっているラジエターサポートおよび関連部品なども、車体前部の要チェックポイントだ。
5.後部のチェック
後面も、バンパー、バックドア、コンビネーションランプ、フェンダーなどの状態をチェック。ルーフスポイラー、ナンバープレート、アンダースポイラー、マフラーエンドパイプの損傷などにも注意。
バックドアは、開閉具合をチェック。全開状態から下がってこないかダンパーの利き具合にも注意。
バックドアの内側やヒンジ部を見て、取り付け状態をチェック。車体側のヒンジ固定部周辺も、歪みや修理跡などがないかチェック。開口部も、パネル接合部の溶接やシーラーの状態に注意しながら修理/交換跡がないかチェックする。
6.下側に要チェックポイント
車体側面は、下部に装着しているサイドアンダースポイラーに傷や破損、修理/交換跡がないかチェック。スポイラーで覆われているサイドシル(車体の梁)も、損傷、腐食(錆)、修理/交換の形跡などがないかチェック。ドアを開けて、ステップ部(サイドシルの上側)周辺もチェック。
7.損傷の度合いも調べる
ドア開口部は、乗り降りによる傷や簡易補修跡などがないかチェック。マスキング跡があれば、フェンダー部周辺を詳しく調べて損傷の程度と範囲を確かめる。
左リアフェンダーは、フューエルリッドおよび給油口周辺も慎重にチェック。
★損傷や修理・交換の有無を確認する
「RS」の外装は、フロントアンダースポイラー(フロントバンパー)、LEDイルミネーションランプ(フォグランプベゼル)、LEDサイドターンランプ付ドアミラー、サイドアンダースポイラー(サイドシル)、リアルーフエンドスポイラー、スポーツタイプリアコンビネーションランプ、リアアンダースポイラー(リアバンパー)、RSエンブレム(バックドア)が特別装着。LEDサイドターンランプ付ドアミラー装着車は、フェンダーサイドターンランプは非装備。「RS-DJE」のバックドアには、IDLING STOPエンブレムも付く。参考車両には、メーカーオプションのディスチャージヘッドランプ(ハイ/ロービーム・オートライトシステム・オートレベリング機構付・メタリックグレー塗装)も付いている。
車体まわりは、特別装備のエアロパーツが気になるところだが、外装本体や車体骨格にダメージがないか注意したい。車体の骨格部を事故修理している車両は修復歴車だが、たとえ修復歴に該当しなくても、修理や交換している部分がないか販売店に聞いてみよう。
室内の状態と装備機器類の機能をチェックする
1.隅まで細かくチェック
室内は、シートや内装材に汚れや傷、破損などがないかチェック。床や天井まわり、ボックスやポケットの内部、ホルダー、トレー、フックなどの状態も見る。
シート表皮の染みや破れ。ステッチのほつれ。本革部分の擦れや剥げ。樹脂部品などの傷や割れ。ボックスリッドやエアコン吹き出し口、プッシュ式ドリンクホルダーなどの可動部の破損にも注意したい。
2.室内後部までチェック
前席周辺だけでなく、後席も、6:4分割可倒式リアシートの折り畳み具合なども(XL/XS/RS系は1段階リクライニングも)試しながら周辺を丹念にチェック。
後部ラゲッジスペースも、傷や破損などがないかチェック。ラゲッジボードおよび下にあるサブトランクの状態も見る。
3.装備機器の作動を確認
ヘッドライトやウインカー、ブレーキ/バック/テールランプ、ミラーなど保安装置。パワーウインドウやドアロック、室内ランプなど基本的な装備機器。キーレスエントリーの機能および各部の作動具合もチェック。オートエアコンは、特に冷房の効きに注意して調整・設定具合をチェック。アイドリングストップと関わる[エコクール]なども正常か確認したい。
4.追加装備の機能も確認
参考車両には、ディーラーオプションのHDDナビゲーションシステムとETCユニットが付いている。ナビ機能をはじめ、TV・FM/AM・DVD/CD/SDなどAV機能、ブルートゥース接続など各機能が正常かチェック。ステアリングオーディオスイッチ(XL/XS/RS系に標準装備)との連携もチェック。
★細部の具合は販売店で点検してもらう
「RS/RS-DJE」は、「XG/XG-DJE」をベースに、シルバーステッチ入りの本革巻ステアリングホイール/シフトブーツ/専用ファブリックシート表皮、ステアリングオーディオスイッチ、リアシートリクライニング(1段階)を装備。参考車両は、ディーラーオプションのHDDナビ(クラリオンGCX708A・2008年モデル)+ETCを追加している。車両をチェックする際は、装備内容を販売店で確認。装備機器類は、とりあえずわかるところだけでもチェックし、どこかに異常などがないかは販売店で細かく調べてもらおう。特に電装機器の状態に注意したい。
走行機能全般の作動具合と整備状況を確かめる
1.エンジンをかけてみる
エンジンの始動時には、キーレスプッシュスタートシステムの機能、表示・警告灯類の点灯、メーターやディスプレイの表示などもチェック。「DJE」搭載車は、アイドリングストップやエネチャージの状態を示す専用メーターやインジケーターなども見る。わからないことや疑問は、販売店スタッフに聞いてみよう。
2.運転支援機能もチェック
パドルシフト7速マニュアルモード付CVTは、[P・R・N・D・M]のシフト具合をチェック。可能なら試乗して、自動無段変速と副変速機2段変速の動作をチェック。マニュアルモード[+・ー]パドルシフト操作と変速動作もチェック。
走行安定制御[ESP]のスタビリティコントロール・トラクションコントロール・ABSなど各機能と[EPS OFF]スイッチ。「DJE」車は、[エネチャージ]、[アイドリングストップ]と[アイドリングストップOFF]スイッチ、[エコクール]などの作動具合もチェックしたい。
とはいっても、故障の兆候などを判断するのは難しいので、販売店で点検してもらうほうがいい。
3.タイヤとホイールをチェック
3.タイヤとホイールをチェック
タイヤは、残り溝の深さを点検し、傷やひび割れ、欠けなどがないかチェック。接地面の一部だけが減る偏摩耗など異常摩耗を起こしていれば、不適切なエア圧やサスペンションの異常なども考えられるが、最悪は車体が歪んでいる疑いもあるので要注意。
アルミホイールは、塗装の傷みや剥がれ、縁石などに接触することがあるリムの縁(タイヤと接している部分)の欠損や曲がり、事故などで過度な衝撃を受けると生じることがある歪み(変形)や割れなどにも注意してチェックする。
★足まわりに異常がないか確認
「RS/RS-DJE」は、16x6Jアルミホイール&欧州仕様185/55R16タイヤ(ブリヂストン トランザ ER300 ECOPIA)、減衰力が硬めの欧州仕様ダンパー、ステアリング操作を重めに設定した欧州仕様パワーステアリングコントローラー、前/後輪ディスクブレーキを装備。それぞれの機能に問題がないかチェックするが、タイヤ、サスペンション、ブレーキなどの状態によっては車両走行安定制御システム[ESP]が正常に作動しなかったり、誤作動を起こす可能性があることにも注意したい。
★正しく点検・整備してもらう
★正しく点検・整備してもらう
「RS-DJE」は、1.2L直列4気筒[デュアルジェット]エンジン、[充電制御付アイドリングストップ]、[エネチャージ]、[エコクール]、副変速機構(ロー/ハイ2段)付CVT・7速マニュアルモード付、[ヒルホールドコントロール]、制動力配分[EBD]付[ABS]+[ブレーキアシスト]、車両走行安定制御システム[ESP]、[クルーズコントロール]などを搭載している。それぞれの機能と作動が正常か確認したい。
とりあえずオイル漏れなどにも注意しながらエンジン周辺だけでも見る。各部の詳しい整備状況は販売店に聞いて確認。車両の購入を決めるなら、走行に関わる部分をすべてきちんと点検・整備してもらうようにしよう。
■最初に車両の現状を確かめる
中古車両をチェックする際は、現物を見て、年式(登録年月日)・仕様・グレードを確認。標準装備のほかに、メーカーオプションや販売店オプション、市販機器、カスタムパーツなどを追加していないか確認。整備状態も含めた現状を販売店で確認しよう。
目利きはココを見る!
「車両の情報」を見る
●「車検証(自動車検査証)」で初度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を必ず確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両の状態を探る参考になる。
「立て付け」を見る
●外板パネルは、合わせ(隙間)が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか修理/交換している可能性がある。●プレスライン(外板パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの狂いなども判断しやすい。パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども見つけやすい。しわが寄っているのは、ダメージ痕か、板金修理跡だ。
「塗装の状態」を見る
●部分的に色艶が違っていたり、ザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。●新しい塗装跡は、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか、詳しく調べる。●修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがあるので、隣接しているパネルの色艶も比べてみる。●塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があるのはマスキング(周辺に塗装スプレーの飛沫が広がらないようにするカバーを粘着テープなどで留める)跡。ドア開口部などにマスキング跡があれば、なんらかの理由で塗装しているので、周辺を詳しく調べる。●エンジンルーム内やスペアタイヤ収納部などは、外装色とは違っていることもあるので注意する。
「取り付け状態」を見る
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●ボンネット、フロントフェンダー、ドア、テールゲート(バックドア/トランクリッド)などは、外して修理、あるいは交換することがあるので、ネジを見て、ヒンジおよび車体側のヒンジ固定部周辺も修理跡などがないか調べる。
「接合部」を見る
●車体部品を交換する際に溶接部分を外すことがあるので、鉄板接合部を調べる。●スポット溶接(接合部にある丸い窪み)を打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれている(2度打ちした)など、新車組み立て時の状態とは異なる特徴があるので注意する。●接合部に塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理や交換で塗り直していると不自然に見える。●爪で押して、プチッと表面が割れる(表面が硬くても内部が柔らかい)ようなら新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、接合状態や塗布する方法によって形状が違っていることにも注意する。
今回の車両のプロフィール
●2010年9月に発売した3代目「スイフト」。2011年9月にアイドリングストップ車を追加。2011年11月に特別仕様車「RS」を設定。2012年11月に「RS」を一部仕様変更。2013年7月に「スイフト」を一部改良し、新フロントバンパー&グリルを採用。車両走行安定補助システムESPを全車標準装備。LEDイルミネーションランプや新16インチアルミホイールを設定。新開発[デュアルジェット]エンジンを4WD車に搭載。[デュアルジェット]+[エネチャージ]+[新アイドリングストップ]を搭載した「DJE」を設定。「RS」は、フロント/リアアンダースポイラーを専用部品(従来はディーラーオプション品)に変更し、専用シート表皮やリアエンブレムも新デザインを採用。
●2014年6月に特別仕様車「スタイル/スタイル-DJE」を発売。「RS」は、「RS-DJE」を追加設定するとともにLEDイルミネーションランプを装備するなど一部仕様を変更している。仕様グレードの「XG/XG-DJE」は、ベーシック装備。「XL/XL-DJE」は、上級装備。「XS-DJE」は、最上級装備。「DJE」車は、エコクールやアイドリングストップなどエコ支援機能を装備している。特別仕様車の「RS/RS-DJE」は、XG/XG-DJEをベースに、外装・内装に専用装備と特別装備、足まわりに欧州仕様のダンパー/パワーステアリングコントローラー/タイヤを装着したスポーティスタイル。「スタイル/スタイル-DJE」は、専用装備と特別装備で上級仕立てとなっている。
■参考車両と同時期の仕様グレード設定
グレード | エンジン※ | シフト | 駆動 |
XG | 1.2 | 5MT・CVT | FF |
1.2 DJ | CVT | 4WD | |
XG-DJE | 1.2 DJE | CVT | FF・4WD |
XL | 1.2 | 5MT・CVT | FF |
1.2 DJ | CVT | 4WD | |
XL-DJE | 1.2 DJE | CVT | FF・4WD |
XS-DJE | 1.2 DJE | CVT-7M | FF・4WD |
特別仕様車
グレード | エンジン※ | シフト | 駆動 |
RS | 1.2 | 5MT | FF |
1.2 | CVT-7M | FF | |
1.2 DJ | CVT-7M | 4WD | |
RS-DJE | 1.2 DJE | CVT-7M | FF・4WD |
スタイル | 1.2 | CVT | FF |
1.2 DJ | CVT | 4WD | |
スタイル-DJE | 1.2 DJE | CVT | FF・4WD |
型式
FF:DBA-ZC72S
4WD:DBA-ZD72S
※ 1.2:1.2L 標準エンジン
※ 1.2 DJ:デュアルジェットエンジン
※ 1.2 DJE:デュアルジェットエンジン+エネチャージ+アイドリングストップ