中古車購入
更新日:2016.04.01 / 掲載日:2014.10.24
中古車選びの安心新機軸
初めてクルマを買う人だけではなく、すでに何度も乗り替えている人であっても、本当にいい中古車と出会うのは難しいことであり、「これにしよう!」と決めても、心の奥底では「このクルマで大丈夫か?」という不安も残ったりする。プロの査定士であれば見抜けたとしても、普通の人にとってはわかりにくい中古車の善し悪しや、適正価格。そんな疑問や秘密の真相に迫り、ここで不安ゼロとなる中古車購入法を身につけよう!
Part1 不安解消への第一歩は
販売店選びから始まる!
クルマ選びと同じぐらい大事なのが販売店選び。新車は余程の事がないかぎりどれも同じだが、中古車はそうはいかない。クルマの乗り方も使い方も十人十色であるため、同じ状態のクルマは存在しない。そんな多種多様な中古車を、お客様視点に立って良いものをともに探してくれる信頼度の高い販売店を見つけたい。ここをしっかり抑えておけば、成約に向けてスムーズに事が運ぶし、購入後のアフターケアも安心。自宅から近いというのも決め手の一つになるだろうが、それにこだわらず、メリットの高い販売店を探して最初の不安を一掃する。
1. 車検残で試乗不可は考えもの。安心の中古車選びには試乗が欠かせない!
車検切れのクルマの試乗は無理だが、車検が残っていれば試乗をお願いしよう!
クルマの状態を知ることはもちろん、事故車かそうでないかを確認するためにも試乗は欠かせない。もし試乗したものでエンジンが一発でかからなかった、アクセルを踏み込んだ時の感覚に違和感を覚えた、ブレーキを踏んだ際に変な音がした、ハンドル操作がなんとなく重く感じられるなど、ちょっとした違いを感じた場合は、販売店に質問を。そして何よりも「試乗は出来ません」という返事が来た場合は、その店での購入をやめるのも良い判断かも知れない。やはり安心出来る販売店、信頼の置ける販売店とは、快く試乗に応じてくれるものだ。
2. 頼りになるスタッフがいることは必須!
状態についての詳しい説明や、メンテに対する的確なアドバイスがあることは非常に心強い。
どの店だってお客様にクルマを買って欲しいことには変わりはない。だが、売る事ばかりを考えるあまりに、良い点ばかりでマイナスとなることを伝えない人(店)もある。やはり信頼をおける店とは、良い点、悪い点をしっかり把握し、それをお客様に伝えた上で、こんな点検や修理をしておけば大丈夫!と太鼓判を押してくれる人がいること。購入費用ばかり気にするあまり、後から修理で余計な出費が・・・とならないことが肝要だ。
3. ネット情報だけではなく、自分の足と目を使う
クルマ本体は当然のこと、整備記録などにも目を通すことをぜひともオススメしたい。
ネットで詳細条件を入れて検索すれば、理想を満たしたクルマが簡単に見つかるのが中古車のいいところだが、細かい部分の情報は少ないので、あくまでも参考程度にとどめるのが不安ゼロへの道。その条件や台数をもとに店選びをスタートさせ、必ず自分の目で実物をチェックしなければ、安心感のある中古車にはたどり着けない。
4. 大切なクルマと真摯に向き合う店を探そう!
決して安い買い物ではないクルマだからこそ、信頼度の高いスタッフのいる店での取引が肝要。
中古車チェックは晴れ・雨の両方でするのが好ましいといわれるが、ここではクルマの状態ではなく、販売店の姿勢を見るために、雨が降った翌日にチェックをすることをおすすめしたい。クルマを大事に扱う、そしてお客様に良い状態で見てもらいたいと考える販売店であれば、悪天候の翌日は、時間が許すかぎりクルマの清掃を行っているもの。ちょっとした部分に視点を当てるだけで、細かい部分まで気配りできるかどうかが見えてくる。
Part2 価格決定のツボをしっかり抑えよう
価格の裏側を知り安心感を持って中古車と接する!
同車種で同年型なのに、どれも金額が違う中古車の価格。どんな額が適性なのかイマイチわかりにくいのだが、新車とは違い、中古車の状態は千差万別であり、価格が変わってくるのはある意味当然。ではどんな価格が適性であり、どんなことの違いで価格というものが変化していくのか?誰でも知っている部分から、プロの査定士の話も交えて、中古車の価格がどのように決まっていくのかを知り、価格という部分の不安を払拭しよう。
1. 中古車の価格を決める上で基本となってくる走行距離数
平均的な走行距離数は年間で約1万キロと言われる
車種、年式、走行距離、グレード、メーカーオプション装備、カラー、傷のありなし、内装の状態、点検・整備、そして修復歴といった要素が中古車価格を決める基準となってくるのだが、それぞれのポイントを抑えていれば、適正価格というものがわかってくるし、「お買い得カー」という存在を見つけやすくなってくる。その中でも、多くの人が一番のポイントに考える、走行距離について話を進めて行きたい。
クルマを使う頻度というのは千差万別だが、1年間でおよそ1万~1.2万キロという走行距離が標準値と言われており、中古車査定現場でもこの数字が基準となってくる。例えば3年落ちで走行距離が3万キロなら平均的な金額となり、5万キロであったら標準値よりも使い過ぎているという評価から、中心価格帯よりも低めとなってくる。
そして走行距離と関連して、どんなユーザーが使っていたのか?という点も知っておくといいだろう。週末ドライバーと呼ばれる、レジャー中心でしか使用しないユーザー層の年間走行距離は5000~8000キロ程度と言われており、比較的状態の良いものが多い。そして通勤やレジャーなどまんべんなく使用するヘビーユーザー層だった場合は、しっかり状態は見極めたい。走行距離も多いことからエンジンや足回りへの負担も少なくはないからだ。また、年数に対して走行距離が少なすぎるクルマというのも要注意である。この手のユーザー層は「買い物ぐらいにしか乗らない」という方が多く、意外に点検がおろそかになる場合も少なくはないし、長く乗っていない期間があったりするからだ。
このように、走行距離を気にすると同時に、前のユーザーがどんなタイプのドライバーであったかを販売店側から聞けるようであれば必ず聞き、これを購入する際に参考とすることも大事となってくる。
距離数も大事だが、距離に見合った整備をしていれば、大きな不安を抱くことは不要だ。
走行距離が増えれば実燃費もダウン傾向に。
2. 実は価格を大きく左右するボディカラーの違いを知る
個性を重視する時代でも中古車では王道色が今も主流
色にこだわりのない人にとっては、人気色を避けるだけで価格も数万円安くなってくる。
最近はオレンジやピンクといったカラフルで個性的なものも増えてきているが、やはりクルマのカラーの王道と言えばホワイトやシルバー系であり、中古車市場での評価も高いものになっている。
さて、このホワイト、シルバー系以外で価格が高くなるものと言えば、ブラック、(濃い)ブルー系が挙げられる。そして低めになるのがレッド、グリーン、薄いブルー、ブラウン、ベージュ、ワイン系など。ホワイト、シルバー系に関しては、傷が目立ちにくいという利点もあり、最近では同系色の中でも「○○パール」と言った、細分化されたカラーも増えている。また、パール系の特殊色タイプは、さらに高めの評価となるので参考にしておくと良いだろう。
3. 代替わりは値段の転換期そこをうまく突いてさらに安いモデルを探す
マイナーチェンジ情報にはもっと敏感に!
フルモデルチェンジ後の先代型は、一気に価格が下がってくるので、お手頃感も倍増だ。
モデルチェンジを繰り返すクルマは多いが、この代替わりで中古車価格も変わってくる。現行型の中古車は、新車価格に対して2~4割引程度の価格設定が多いが、先代型などであれば、新車価格の半分、もしくはそれ以下で手に入るものも多い。また、現行型に属するが、エンジン性能やボディ重量などが変わる「マイナーチェンジ」が毎年のように行われているので、このモデルチェンジの切り替わりはしっかりチェックしておきたい。
4. 中古車の買い時、狙い時は4・5月と10・11月!
ボーナス後や大型連休後が狙い目となる中古車の買い時
自動車販売業では3月末決算の会社が少なくはないため、販売目標を達成するために、この時期は新車価格を値下げする店も多くなる。だからこそ、新車購入を考えている人にとっては、まさに「買い時」でもあるのだが、中古車市場に目を移した場合に、このような「買い時」というものがあるのか考えてみたい。
そしてその答えだが、中古車市場にも「買い時」というものが存在し、4月、5月、10月、11月がこれに当てはまってくるのだ。その理由についてだが、決算期に合わせて新車価格が下がることにより、買い替えが発生し、中古車の流通台数も増加し、中古車を求めるユーザーにとって選択肢が増えることとなる。これにより、新車同様に中古車販売台数も伸びることとなる。だがその反動で、4月、5月といった時期は中古車に対する需要が冷え込むこともあり、店側は売り上げを伸ばすために、価格を下げる場合が多くなる。そしてボーナス時期の合間となる、10月、11月なども同様に売り上げが落ち込むことから、大々的なキャンペーンを打つ訳ではないものの、店頭価格が下げられていることもよく見受けられるので、この時期を狙って中古車探しをするのも悪くはない。
新車を売り切りたい時期、そしてボーナス商戦時以外の合間が中古車の買い時である。
新車が増えれば中古車の流通台数増に繋がる。
Part3 古いだけで敬遠するのはもったいない!
もっと中古車の仕組みを知ってネガティブイメージを一掃!
中古車に対する不安のうち、価格以上に強く感じるのが品質(状態)についてであろう。どれも同じスタートラインから始まる新車とは違い、中古車は1台たりとも同じ状況のものはない。だからこそ、選ぶことが難しいし、どこに故障のタネが潜んでいるかわからないもの。しかし、新車では買えない金額で手に入ることは魅力であり、見定め方、整備の仕方次第では、大当たりを手にすることも実は容易であったりもする。
1. 古いクルマはダメ!はもう古い?的確な点検整備があれば大丈夫!
人もクルマも診断が重要!安心のためにケアは怠らず
新車であれば、最初の状態で不具合などがあれば修理や交換といった対応をしてもらえるが、中古車は使用してきた期間、走行距離など、それぞれ状態が違うこともあり、現状販売が原則であり、購入後の保証についても販売店によってまちまちである。だからこそ、当たり/ハズレがある中古車だが、ちょっとした知識があればハズレを回避することも可能だし、コストパフォーマンスに優れた愛車を手にすることも可能になってくる。
さて中古車価格の中では、新車登録から5年以上経過しているものなどは、新車時販売価格に対して半額以下で売られているものも多く、お買い得カーの部類になってくるが、こんな場合は走行距離の確認だけではなく、定期点検整備記録簿にも着目して欲しい。しっかりとした定期点検を行っているものであれば、点検時期や内容が詳細に記載されているので、現状把握もしやすいし、今後の整備に対する見通しも立ってくる。
点検や整備をマメに行っていたクルマであれば、多少の型落ちでも安心感というものがあるのだが、整備実績がないという場合は、整備に対して疎かだったユーザーが使用していた可能性が高いので、今後にどんなトラブルが発生するかなどの見通しは立ちにくいし、すでに故障している箇所があるにも関わらず、見落とされたままになっているかも知れないという不安が残る。また、記録簿が無い場合は、事故車隠しであったり、走行距離などを詐称している可能性もあるので、店側に事実を確認することが必要だ。
人間にとっての健康診断と同じ意味を持つ整備記録簿だが、これの有無、そして点検を受けているかはクルマ選びの重要なポイントになってくるし、しっかりと点検を受け、整備を行っているクルマであれば、多少古かろうが「当たり」である可能性は断然高いと言える。
5年落ちでかなり値崩れする中古車市場だが、10万キロ走っても大丈夫なクルマも多い。
10年落ちでも整備が良ければまだまだ現役。
2. 現状確認で状態が良ければ修理歴があっても問題ではない!
軽度の修理歴であれば問題ナシ ただし修復歴有りには十分注意
写真の程度の板金修理であれば、あまり気にする事も無いし、逆にお買い得な場合もある。
事故車と修理歴を同じようなものと考えている人もいるかも知れないが、これは明確に違うもの。クルマを軽くぶつけてしまったなど、修理歴とは、運転することに支障がない程度の傷やヘコミの修理を指すものであり、キレイに修理されていれば問題視する必要も少ないし、逆にその車種の平均価格よりも安い場合も多く、ものによっては「お買い得」なものでもあったりする。
ただし、店側にその修理内容を確認し、場合によっては試乗も行い、問題ないかを確認したうえで購入を考えるべき。また、修復歴(車体フレームや接続する部分などの修理、部品交換を行ったもの)と呼べるようなものであれば避けるのが無難だ。
3. 日本車のクオリティの高さ&乗り方次第で長持ちも十分可能!
南米や東南アジアで立証される日本車の実力
日本で乗らなくなったクルマが、海外で高く評価され、今なお現役として頑張っている。
5年乗り続けているだけで「長く乗ってるね」なんて言われることもあるが、海外に目を向ければ、新車登録から10年以上経過しているものが現役で走っていることもザラであり、日本車の実力をアピールしてくれている。また、最近の基本性能から寿命を考えても、大事に乗り続ければ20年、20万キロでも問題はないと言われている。ここ10年来に販売されたクルマであれば、古くともケアや乗り方を注意すれば、安心して使用できるはず。
4. タイヤチェックをするだけで避けたいクルマを見極める
タイヤの減り方だけで分かるクルマの状態と使われ方
タイヤの内側部分が削れていたら、エンジンや足回りの消耗を確認するほうがいいだろう。
誰にでも簡単にチェック出来るタイヤやタイヤホイールの状態から、プロの眼が必要になってくるサスペンション部品の状態や、ホイールアライメントまで、足回りのチェックは範囲が広い。だが、クルマを正しく動かすために、重要なポイントとなる場所だからこそ、走行距離の多いクルマであればこの部分のチェックがさらに重要となってくる。
例えばサスペンションの中で重要なパーツの一つでもある、ショックアブソーバーは5万キロが交換の目安となるので、走行距離数と整備記録をもとに、納車前に「交換するかどうか?」を見定めたい。また、誰にでも出来るホイールの状態の確認だが、小さい傷などは気にする必要性はないが、ホイールの一部が大きく削れているなどの目立つ傷などがある場合は、車軸の方にも影響が及んでいる可能性もあるので、そのクルマに車検が残っているのであれば、試乗をして正しく(まっすぐ)走るか確認することを怠らないように。
また、タイヤの角が削れていたり、異様に減っているクルマであったら要注意であり、購入を控えるのが無難。タイヤの角がそのようになるということは、カーブを速いスピードで曲がるなど、ハードな運転をしていた証拠でもあり、足回りだけではなく、ボディやエンジンなどにも大きな負荷がかかっていることが予想出来るからだ。
Part4 知って安心リスク回避術
避けたい販売店やクルマを知って中古車購入のリスクを回避!
中古車購入をより安心なものにするためにも、修理歴と修復歴の違いを知り、事故車を避けると同時に、他にもある「避けた方がいい」というクルマや販売店をもっと知って、リスクをさらに減らしていこう!
Point!
他にもある!避けたい販売店のいろいろ
販売店ではないがオークションもリスクは高い。
修復歴ありのクルマを取り扱う店は、ちょっと前に比べると、随分減ってきているとは思いますね。やっぱり、いろんな意味でユーザー側も情報を持つようになったし、販売店側も「信用」を気にするようになりましたから。しかし、そうは言っても避けた方がいいお店もありますね。
まずは、何につけても「これはいいですよ」としか言わないで、詳細な部分についてほとんど話をしないお店。これは「とにかく売ってやろう」という意識しかありませんので、すぐに他のお店を探すべきです。
そしてもう一つ、中古車の中で車検が残ったまま販売されているものも多々ありますが、悪徳店と呼ばれる店では、重量税が月割りの金額でこっそりもられている場合があるので要注意です。本来なら、車検時にすでに前払いされているはずの重量税ですが、知識の浅そうな人を狙ったりする店もあるので、注意して欲しいです。
事故を起こしていても修復歴ありにならない場合も
事故車(修復歴有)というものに対して、まずユーザー側と販売店側で捉え方の相違があることを知って欲しい。
例えばクルマ同士での接触事故が起こった場合を考えてみよう。その場合、誰だって「事故った!」と思うはず。確かにユーザー側からすれば事故歴はあるものの、中古車販売の世界では、まだこの時点で修復歴となるかは確定していないのだ。そして、この接触で出来てしまったボディの傷が、軽い板金処理や多少の部品交換だけで済んだとすれば、「事故歴のあるクルマ」ということだけになる。
だが、これがボディの骨格まで修理する大掛かりなものになってはじめて「修復歴車」と呼び、事故車扱いに変わってくる。
確かに「修復歴あり」と表示されているものは相場より安い場合が多く、中にはしっかり修理を
施したものもあるので、修復歴車がすべてダメであるとは言わないが、
やはり避けることが一番のリスク回避となってくる。
公取協による修復歴車の定義
1.フレーム 2.フロントクロスメンバー 3.フロントインサイドパネル 4.ピラー 5.ダッシュパネル 6.ルーフパネル 7.ルームフロアパネル 8.トランクフロアパネル
と呼ぶが、この8カ所のうちのどこかを修復した時点で、修復歴ありとなってくる。
プライスボードの修復歴欄をまずは確認すること!
ボードの修復歴欄のチェックを忘れずに!
中古車販売現場においては、修復歴に関しては必ず中古車の情報を記しているプライスボードに表示することが義務づけられている。このボードの「修復歴」の欄を確認し、有に○がついていれば、それは過去に事故を起こしたクルマであるということになってくるのだが、中には修復歴を表示しないで販売している、悪質な店もあったりするので要注意だ。
修復歴のあるクルマは安いがデメリットもあるので要注意
では、そんな場合を見破る方法についてだが、走行距離もそれほどいっていないものなのに、
該当車種の平均的金額よりも3~4割近く安い設定となっているクルマがあったとすれば、
かなり危険と見ていいだろう。
車両骨格部分を修理していることもあり、走行安定性などに不安な部分が残ることもデメリットの一つだ。
事故車だけではなく他にもある避けた方がいいクルマ!
事故車はあたりまえのように言われるのだが、その他にも避けた方がいいクルマもあるので、簡単にここで紹介しよう。
【冠水車】
水害関連で水没、また膝下程度まで水に浸かってしまったクルマのことを指す。しばらくして水分が乾燥したのちに、再び動く場合もあるが、故障の危険性も高いので避ける方が無難。また、冠水に関する記載が無かったとしても、トランク部分の裏側や、スペアタイヤ保管部分などに、少量でも泥などがついているクルマがあれば要注意である。
【塩害車】
道路などにある塩分が長時間付着することで、クルマの下の部分などが錆び付いてしまうこと。海水に含まれる塩分が風で飛ばされてくることや、降雪や凍結が頻繁に起こる地域で使用される凍結防止剤に含まれる塩化カルシウムが原因だ。これらの地域に該当する場合、中古車購入をする時はクルマの下を念入りにチェックしたい。
Part5 購入後の不安も払拭!
中古車だからこそ実現する充実のアフターケアサポート
安心感や満足度の高い中古車選びとは、なにも人気のクルマが安く手に入った!だけで、それが決まるものではない。「しっかり乗り続けられる」ということが確認できるまでを指すのだが、それを実現させるためにも、アフターケアサービスはとても重要になってくるもの。
故障の不安を打ち消すためにも納車前のメンテは念入りに
足回り関連は念入りにチェックしよう!
購入後も安心して乗り続けられるように、しっかりとしたメンテナンスを行うことは重要だが、契約前にチェックを行ってもらい、どの程度のメンテ経費が発生するのか確認した上で契約したい。また、購入後の安心、安全なカーライフのためにも、素人目には判断しにくい足回りや電気系統などを重点的に見てもらうこと。
販売店独自の保証制度で購入後の安心感を高めよう
走行距離数が「期間」になる場合もある。
ディーラー系販売店で見受けられる、半年や1年、または設定走行距離数内での保証制度。これがあれば、初期不良などの故障に対応してくれる心強い存在だ。ただし、保証のある販売店の車両価格は、保証のない販売店の価格と比べると、やや割高ではある。しかし、「安心を買っている」と思って、その点は割り切っていこう。
オプション装備の特典もいいが点検整備の充実度が肝心!
物もいいが、やはり安心感を大事にしたい。
保証制度も特典の一つだが、店舗によってもいろいろあるので、販売店選びの際に比較してみよう。例えば、オイル交換1年間無料といったことから、法定点検無料、独自のオプション装備などいろいろあるが、中古車購入後の安心感を高めるためにも、アフターケアが充実している店を選びたいところだ。
手厚いサポート体制が魅力の整備工場併設店を見逃すな
整備工場併設は大きなメリットだ。
整備工場併設の販売店の強みと言えば、ユーザー、販売担当、整備担当の三者が契約前から密な意思疎通を図れること。そして早い段階からクルマの状態を把握していることもあり、納車後の対応やケアといったものもスムーズになる。また、車検時に予想される整備についてなども、前もって相談出来るところも大きなメリットだ。
販売店との信頼関係を作り出すことが手厚いアフターケアに繋がる
安さにこだわる交渉は好結果をもたらさない。
アフターケアをより充実なものにするには、ユーザー側の態度も大事。確かに、クルマという決して安くはない買い物をするわけなのだから、それなりのサービスがあってしかるべきだが、過剰な要求をしすぎては、販売店との関係を悪くしてしまうだけ。スムーズな商談が、手厚いアフターケアへの要因になることも忘れずに!
中古車のメリットである「安い」を最大限活かし安心への投資に繋げる
制動距離で差が出る新品タイヤを使用したい。
前のページでも「その後への投資」ということに触れているが、ではどんなことに投資すべきかと言えば、タイヤに重点を置くことが良いだろう。すり減ったタイヤよりも、グリップのしっかりしたタイヤであれば、安全面で大きな違いを産むし、さらに状態の良いタイヤであれば燃費効率も上げてくれるので一石二鳥と言えるはずだ。
ベテラン査定士が教える中古車購入のツボ
不安に感じることは何でも査定士に聞いてください!
安易に自己判断するのではなく、疑問や不安に感じた点はプロに話を聞くことにしよう。
中古車に対する不安と言えば、「品質に対する不安」、「価格に対する不安」、「購入後の保証に関する不安」の3つに分類されますが、新車であっても当たり・ハズレというものがありますので、中古車に対してそんな不安を感じるのも当然かと思います。
しかしその反面で、当たりと呼べるクルマと出会うことができれば、購入費用や維持費を含めて「お金」という部分で大きなメリットを得ることも可能です。ただ、安易に価格だけを見て購入を決めてしまうのも、不安を残す要因にもなりますので、疑問に思うこと、不安に感じる点などがあれば、どんどん査定士や整備士に聞いてもらいたいと思います。
品質について安心感が高い残価設定型カーを狙いましょう!
数年後に乗り替えることを前提に組まれている形なので、状態は良いものが多い。
残価設定型ですが、契約時に3年~5年後の残存車両価格を設定し、新車価格から引いた分だけを支払っていく形です。この場合は走行距離数が目安になり、大半のユーザーが、金額内でおさめたいということもあり、走行距離数も状態も、普通のローンなどで購入した人よりも良いコンディションのものがほとんどです。
また、整備なども金額内にコミコミになっている場合もあるので、中古車購入に不安のある方は、このタイプで使っていたクルマを探すことにより、安心感のある中古車購入が出来ると思います。また、残価設定型だったクルマが中古市場に流れてくる場合は、メーカー直営販売店がほとんどなため、購入後の保証面も万全な体制をとってくれるのが嬉しいところですね。
ディーラー系ワンオーナー車でお得感と安心感を一括購入!
やや割高な価格設定の場合もあるディーラー系だが、アフターケアなどには評価が高い。
ディーラー系の点検整備記録簿のついたワンオーナー車は、それ以外の条件の中古車と比べて安心感はありますね。
販売店によっては「点検簿なんて、個人情報保護の観点もあるから、あんまりあてになりませんよ・・・」なんてことを言う人もいますが、やっぱり無いよりも安心感はあり、ディーラー系の整備簿であれば「お墨付き」のようなもので、信頼度もプロ目線からしても高いもの。だからこそ、走行距離が少なめで比較的新しいクルマよりも、多少古くてもディーラー系でしっかり整備していたクルマの方がおすすめと言えますし、ワンオーナー車であれば、大切に扱われてきた可能性も高いですからね。
整備への投資を惜しまないことが、安心の中古車ライフへの近道
安い中古車には、安いだけの理由があり、リスクもあることを忘れずに購入を検討しよう。
各種アンケート結果などの数字を分析すると、約6割程度の人が中古車に対して「過去の故障や事故が気になる」と答えています。これに関しては、購入前に現状を確認することはもちろんですが、その上で「安心のための出費」を惜しまないことが、不安解消へのポイントになってきます。それぞれのクルマには、平均的相場が存在しますが、平均より安い設定となっているものには、古い、走行距離が多い、修理歴があるなどの理由が存在します。価格面ではお得感は強いですが、購入後に故障など起きないか?という不安はどうしても付いて回ってくるものなので、安く済んだ分を「その後への投資」という形で整備や点検にぜひとも回して欲しいです。
まとめ
不安のない中古車購入をする秘訣・・・
それは正しい価格を見定めることと安心のための投資を怠らないこと
中古車購入を考えているユーザーに、その理由を聞いた場合、ほとんどの人は「新車に比べて安いから」という答えを返してくる。また、ここ最近のガソリン代高騰により、クルマにかかるコストを抑えようと、中古車への需要がさらに高まってきている。多くの人が「安いから」という理由で中古車を選んでいるが、その反面で「中古車は当たり・ハズレがあるから不安」という声が多く、クルマに関する各種アンケートの結果では、約6割に近い人が中古車に対して、なんらかの不安を持っている現状がそこにある。では、どうしたら不安のない中古車選びと、安心感のあるカーライフを楽しめるようになるのか?その答えとは、やはり欲しいと思うクルマの平均的な価格を知り、どんな状態が平均以下であり、平均以上なのかを見定める力を持つことだろう。そしてもう一つ、価格を知った上でお得と呼べるものを探し出し、その上で「将来への投資」という意味を含めて、浮いた分をしっかり整備に回すこと。賢くクルマを探し出し、整備をしっかり行っても、支払い総額が欲しいクルマの平均的な価格程度で収まるような買い物をすることこそ、不安解消への道となる。皆さんもぜひ、欲しかったクルマを安く探した上で、安心のための投資をしっかりやってみよう!