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更新日:2024.02.02 / 掲載日:2024.01.26

メカ、装備、カスタム、etc….ホンダ・WR-Vの最終評価

走りも期待以上の完成度、200万円クラスに新たな選択肢が誕生!

ホンダSUVのエントリーモデル「WR-V」がついに正式発表。ガソリン車のみということもあって“価格優先モデル”と思いきや、走りでも、ユーティリティでも、1クラス上のモデルとも十分に戦えるモデルだったのだ。

●文:川島 茂夫 ●写真:奥隅 圭之

新型WR-V【メカニズム&装備】

プラットフォーム&サスは
リヤ側を中心に新設計
 ハードウェアでまず注目すべきはプラットフォームだ。ホンダは軽自動車からコンパクトクラスまでのスペース効率を重視するクラスには、燃料タンクを前席下に置くセンタータンクレイアウトを採用しているのだが、WR-Vの燃料タンクは一般的な後席下レイアウトになる。つまり、センターピラーから前側はフィット系(ヴェゼル)を用い、後側はインド向けなどのシティ系を利用しているのだ。
 サスはフロント側がストラット、リヤ側がトーションビーム(車軸)の組み合わせ。形式はフィット系と共通だが、リヤサスはWR-Vのプラットフォームに合わせて新開発されている。
 車体骨格は軽量高剛性を狙った設計とし、サイドシルにはスプレー式ウレタンフォーム充填を用いることで、振動騒音の低減が図られている。
 パワートレーンは、ヴェゼル・ガソリン車と同じ、バルブ開閉のタイミングとリフト量を可変制御するi-VTECの1.5ℓ直4エンジンを搭載。ただしミッションのCVTにはWR-V専用のセッティングを組み込むことで、リニアなパワーフィールを実感できる変速制御に変更されている。
 グレードは3タイプを設定。Z系が上級設定となり、最上級のZ+では専用の内外装が加わることでプレミアムキャラを強めている。ベーシック仕様のXは、自動格納ドアミラーがOPとなるが、ホンダセンシングは標準装備される。
 なお、ホンダセンシングの運転支援機能ACCには停車保持機能が備わっていない。これは駐車ブレーキが電気パーキングブレーキ(EPB)ではなく、機械式サイドブレーキを採用しているためだ。
 車載ITは、全グレードともオーディオレスで、ホンダコネクト対応ナビがディーラーOPとして用意されている。運転支援装備の「リアカメラdeあんしんプラス4」などの充実した用品もディーラーOPで用意されているので、Xをベースに純正アクセサリーを上手に活用するのもWR-Vのキャラに似合いだ。

高剛性ボディ

ボディは未舗装路走行も視野に入れ、高張力鋼板の適用範囲や配置を最適化することで高剛性化を実現。リヤピラーの結合部やテールゲート開口部を新設計することで、路面からの入力にスムーズに反応できる工夫も盛り込まれている。

スプレー式ウレタンフォーム

スプレー式ウレタンフォームを、サイドシル内部の隅々にまで施してシーリングすることで、タイヤのロードノイズなどの音や、ほこりや排出ガスの侵入を大きく抑制。快適な室内環境を実現している。

シャシー&サスペンション

1.5ℓ直列4気筒エンジン(i-VTEC)

1.5ℓ直列4気筒NAは最高出力118PS、最大トルク14.5㎏・mを発揮。ミッションはローレシオギヤや新構造ベアリングを組み合わせた専用CVTを採用。CVTはドライブ・バイ・ワイヤと協調制御「G-design Shift」を採用したことで、シニアな加速フィールを実現している。

ホンダセンシング

新型WR-V【結論】

実用目線でも高評価
ライバルたちと戦える確かな実力がある

 価格だけのクルマではない、というのが一番の印象。ルーフを側面側に少し落としてからウインドウに繋ぐキャビン周りのデザインは、西洋甲冑のような頼もしさがあるし、高いアイポイントでゆったりしたキャビンもSUVらしい。クーペライクなヴェゼルとは対象的なキャラだ。
 AHA(アジャイルハンドリングアシスト)なしでもここまで出来るんだ、と実感させてくれる、走りのまとまりの良さも好印象。
 ヴェゼルのガソリン車と装備差を考慮した価格差は、大きめに見積もってもおよそ20万円。圧倒的に買い得とも言い難いのだが、広いキャビン&荷室などを求める向きには有力候補になり得る実力がある。HEVと4WDは要らないというユーザーならば、チェックする価値は大いにある。

新型WR-V【主要諸元&装備比較】

新型WR-V【純正アクセサリーコーディネート】“TOUGH STYLE”

ホンダアクセスから純正アクセサリーも発売
 WR-Vに用意される純正アクセサリーは、「HIGH QUALITY TOUGHNESS(ハイクオリティー タフネス)」をテーマに、WR-Vを所有する喜びをさらに高めるエクステリアアイテムと、日々の暮らしやアクティブなレジャーシーンで活躍するユーティリティアイテムが用意される。SUVらしいタフさと、ワンランク上の上質感を兼ね備えた世界観が楽しめるのが特徴だ。

「リアカメラdeあんしんプラス4」

装着することで駐車を支援する「後退駐車サポート」や、後方側から接近してくる車両や歩行者を検知する「後方死角サポート」などの利便機能を追加することが可能。
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内外出版/月刊自家用車

ライタープロフィール

内外出版/月刊自家用車

オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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