中古車購入ガイド
更新日:2022.09.05 / 掲載日:2022.09.02
【トヨタ カムリ】100万円台の物件も!? 手頃になった上級ハイブリッドセダン

1980年に登場したセリカカムリを祖とするアッパーミドルセダンのカムリ。1982年の2代目以降は上級FFセダンとして、日本だけでなく世界(主に北米)でも販売されてきた。一時期、ステーションワゴン(カムリグラシア)やクーペ(カムリソラーラ:日本未導入)なども設定されたが、基本的にはスタンダードな4ドアセダンとしての立ち位置を守ってきた。2011年に登場した9代目以降はハイブリッド化し、プリウスの上位モデルに位置付けられ、再び注目が集まっている。今回は現行型(10代目)の改良遍歴とグレード別相場動向を探ってみよう。
トヨタ カムリってどんなクルマ?


2017年7月、トヨタ カムリがフルモデルチェンジを受けた。ハイブリッドのみという展開は先代と同じだが、この世代ではTNGAプラットフォームを導入し、走りの性能を大きく引き上げている。エクステリアは、エンジンおよび乗員レイアウトの位置を下げることで、低重心シルエットを実現。トヨタ独自のフロントマスク(キーンルック)はより進化し、スポーティで力強いデザインとなった。インテリアは、部品の小型化やレイアウトの見直しにより、インパネの厚みを軽減。エンジンフード、カウル、ベルトラインを下げて視界を良くし、広がり感のある空間としている。センタークラスターパネルには、ナビとヒーターコントロールパネルが一体化されて配置。
パワートレインは、最大熱効率41%と出力を両立したTNGA新エンジン「ダイナミックフォースエンジン2.5」とハイブリッドシステム(THS II)を組み合わせている。エンジン出力は178馬力、モーター出力は120馬力を発揮。これにリチウムイオンバッテリーを組み合わせる。装備面は、衝突回避支援パッケージ「トヨタセーフティセンスP」を全車標準とするなど、安全面でもぬかりはない。
改良遍歴は?
2018年8月、一部改良を受けた。この改良のトピックは、新グレード「WS」の設定。専用フロントグリル、リアスポイラー、ブラック塗装の18インチアルミホイール、左側2本出しマフラーカッターを採用し、スポーティなルックスとしているのが特徴。インテリアは、専用シート、パドルシフト、メタリック調インパネオーナメントを採用する。また、「X」を除く全グレードにインテリジェントクリアランスソナーを標準装備したほか、一部グレードにJBLプレミアムサウンドシステム(9スピーカー)を設定した。
2019年9月の改良では、ディスプレイオーディオとDCMを標準装備することで、スマートフォンと機能を連携させた。また、ブラインドスポットモニター、リアクロストラフィックオートブレーキを一部グレードに標準装備としている。さらに、全車に4WDモデル「F-Four」も選べるようになった。
2020年8月の改良では、アクセルとブレーキの踏み間違いなどによる被害を軽減するインテリジェントクリアランスソナーを全車標準装備としたほか、ブラインドスポットモニター、リアクロストラフィックオートブレーキの標準設定グレードを「WS」、「G」グレードに拡大し、安全面を強化。
2021年2月には、フロントバンパー、ヘッドランプ、リアコンビランプ、フロントグリルなどのデザインを一新。インパネなどの加飾も変更され、ディスプレイオーディオのサイズも8インチから9インチに拡大された。安全面では、進化した予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」を搭載。
2022年8月には、「エモーショナルレッドIII」のボディカラーを設定。インテリアは、USB端子が「タイプA」から「タイプC」に変更されている。
トヨタ カムリのグレード別中古車相場は?

現行型カムリのグレードは「X」、「G」、「WS」の3タイプ。また、「G」と「WS」にはレザーパッケージも設定。ここでは各グレードの相場動向を紹介したい。
「X」
エントリーグレードの「X」は、350万円を切る新車価格で販売される量販グレード。フロントグリルはブラックメタリック仕様になり、ピラーガーニッシュはブラック仕立て。タイヤは205/65R16サイズが装着される。ステアリングはウレタン製。中古車平均価格は245万円と手頃だが、物件数は全体の5%未満と非常に少ない。
「G」系
上級グレードの「G」は、メタリック塗装のフロントグリル、ピアノブラックのピラーガーニッシュ、215/55R17サイズのタイヤを装着。ステアリングは本革巻きとなるのも特徴。また、装備がさらに充実した「G レザーパッケージ」も設定される。こちらは、235/45R18サイズのタイヤ、本革シートが与えられる。物件数が最も豊富なグレードで、お目当てのボディカラーをねらいやすいのが魅力。「G」のほうが多く流通し、こちらの中古車平均価格は260万円。「G レザーパッケージ」は289万円となっている。
「WS」系
スポーティなエアロルックが特徴の「WS」。タイヤサイズは「G」系と同じく215/55R17だが、「WS レザーパッケージ」は専用デザインのホイール(タイヤサイズは235/45R18)、本革シート、本革巻きステアリングが装着される。また、パドルシフトを採用するほか、サスペンションも専用チューニングとなるのが特徴。物件数は、「WS」と「WS レザーパッケージ」どちらも同じ程度で、中古車平均価格は前者が323万円、後者が361万円とかなり高めとなっている。
※上の記述は、2018年発売モデルについてまとめたもの。年式によって装備内容が異なる場合があります。中古車平均価格は2022年8月時点のデータ。
まとめ

今年の末で発売から5年が経過する現行型カムリ。デビュー当初の新車時価格は329万4000円~419万5800円だから、50万円~80万円ほど値下がりしている。上級ハイブリッドカーということでニーズは高く、極端に安くなっていないのが現状といえよう。ねらい目グレードは物件数が豊富な「G」または「G パッケージ」。なかには200万円を切る物件もあるので、じっくり探していきたい。

ライタープロフィール
1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。
また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。
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