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更新日:2022.06.10 / 掲載日:2022.06.10
アウディ ドイツでのチャージングハブ実証実験に成果 継続的展開へ

アウディは現地時間の6月8日、2022年1月~4月にドイツ・ニュルンベルクで実施した「アウディ チャージングハブ」の実証実験の結果を受け、2022年後半以降にドイツ国内を中心に同実験を継続的に展開していく予定を明らかにした。
利用者の約60%がリピーター 都市型充電コンセプトの重要性示す


同施設は、アプリで予約可能な6つの高出力充電ポイントを備え、2階にはバリアフリーラウンジとケータリングサービスも用意された。アウディによると2022年1月から4月末までの間に約3,100回の充電が行われた。これは、1日あたり平均24回、約800kWhの充電容量に相当するという。また、バリアフリーラウンジは1日平均35人の利用者が訪れており、その数を増やし続けているという。また、利用者アンケートでは圧倒的多数の利用者から肯定的な意見が寄せられており、実験が一定の成果を挙げていることを示している。プロジェクトマネージャーのラルフ・ホルミグ氏は「チャージングハブの利用回数およびお客様からの好意的なフィードバックは、都市空間で柔軟かつプレミアムな急速充電インフラを提供するという、アウディのコンセプトが的確であったことを示しています」と語っている。



どこにでも設置可能 持続可能な充電インフラ


アウディ チャージングハブに使われるエネルギー貯蔵システムは「キューブ」と呼ばれ、短時間で組み立ておよび解体することが可能。充電用の電力は、廃棄された開発テスト車両から取り出され、セカンドライフバッテリーと呼ばれる、リサイクルされたリチウムイオンバッテリーに蓄えられている。この二つの利点を活かし、電力網が不十分な場所でも、最大320kWの6つの高出力充電ポイントによる、持続可能な急速充電インフラを提供できるという。
ニュルンベルクの施設は約2.45MWhの蓄電能力を備え、200kWの低電圧ネットワークへ接続するだけで蓄電モジュールを継続的に充電することが可能。最大6台の電気自動車を、約1メガワットの電力で同時に充電できる。ルーフにはソーラーパネルも備え、最大30kWの追加のグリーンエネルギーを提供可能としている。
今後はチューリッヒのオフィス街やベルリン、ザルツブルクなどに展開予定

アウディは今回の実証実験で得た知見と利用者からのフィードバックに基づき、新たなチャージングハブを2022年後半、チューリッヒに開設する。こちらは4つの充電ポイントを備える予定で、都市部のスペースに合わせてコンパクトな規模になるという。また、こちらもバリアフリー設計となるほか、食料品やフィットネス、ショッピング、電動自転車のシェア施設などといった周辺の各種サービスを利用できるハブとなる構想だ。
さらに年内には、ベルリンとザルツブルクにもチャージングハブを開設予定で、2023年以降には大都市圏に3つのハブを追加設置する予定だとしている。
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