車のエンタメ
更新日:2018.11.13 / 掲載日:2016.11.15
木工作家が手がける、木目が美しすぎるカスタムカー

プロが採算度外視で本気を出すと、とんでもなくハイクオリティなものができあがります。アメリカのテキサスには、「調度品」と言いたくなるようなクルマがありました。
イスラエル出身の木工の職人、アイザック・コーエンさんが「ハンドメイドの額縁の製造販売からスタートしてオリジナル家具の製作もやってきましたが、ある日、自分のつくりたいものをつくる!」と言ってつくったのが木製のクルマ。

アイザックさんがつくったのは、ラグジュアリークーペ(?)の「SPRINTER」、オープンモデルの「SLIDER」、トラックタイプの「BIGJ」の3台。木目が美しいとか、カーブがきれいとか、仕上げがすばらしいとかいうレベルを凌駕する銘品です。まずはスプリンターを見てみましょう。

ホンダ「アコード」をベースにしたモデルで、全長は21フィート(約6.4m)、全幅17フィート(約5.2m)。ガルウィングのドアにはノブがなく、リモコンで開閉します。

ホンダ「アコード」をベースにしたモデルで、全長は21フィート(約6.4m)、全幅17フィート(約5.2m)。ガルウィングのドアにはノブがなく、リモコンで開閉します。

リアには「SPRINTER」のプレート。


ステアリングとシフトノブは寄木細工仕様です。ステアリングは260ピース、シフトノブは90ピースのパーツを組み合わせているんだとか。

2000時間以上を費やして2007年に制作されたスライダーは、1976年式のフォルクスワーゲン「ビートル」がベース。波のようなサイドパネルと、ニョキッと生えたようなサイドミラーのデザインが特徴的。リアビューカメラなどを備えています。

艶やかに赤みを帯びたローズウッドが美しいビッグJ。

ドアやボンネット、リアとサイドの「あおり」は電動開閉式。荷台まで、きれいに仕上げられた天然木なので荷物を載せるのは躊躇してしまいます。

こちらのステアリングは円形ではなく八角形。もちろんステアリングもレバーも寄木細工です。

ちょっと走って出かければ、こどもにも、自転車乗りにも大人気。
アイザックさんのもとには「譲ってほしい」というオファーもくるそうですが、売却する予定はありません。工芸と言ってもいいような3台のウッドカーをカーショーやパレード、ミュージアムに出展して、観客を喜ばせるのが幸せなんだとか。ぜひとも実物を見てみたいので、日本のパレードにも来てくれたら嬉しいなぁ。