カーライフ
更新日:2020.01.08 / 掲載日:2019.10.18

車内の換気方法について、外気導入と内気循環の違いとは

車内の換気方法について、外気導入と内気循環の違いとは

グーネット編集チーム

ドライブ中、空気がこもっているのなら窓を開けたり、暑かったらエアコンを入れたりと、その時の状況によって行う車の換気。
実は意外と知らない車の換気方法について見てみましょう。

外気導入と内気循環の違いとは

車の換気方法には窓を開ける他に「外気導入」と「内気循環」があります。

外気導入

外気導入は車外の空気を取り入れる事で換気をする方法です。
エアコンの操作パネルでの表示は、車の外から内の方向に矢印がついているマークになります。
外気循環にはフレッシュな空気の循環が出来ることと、窓の曇りをとってくれるというメリットがあり、自動車メーカーもこまめに外気導入することを勧めています。

特に冬場はヒーターなどで湿気が発生して空気も濁りやすいため、外の乾燥した空気を取り入れて曇りを取り、酸素濃度を上げる事により、快適なドライブをすることが可能です。

内気循環

内気循環は、外部から空気を取り入れず車内の空気を循環させる事で、夏はクーラー、冬はヒーターの役割をしています。
内気循環には、外気をシャットアウトすることで、エアコンの効きが良くなる事と、排気ガスや花粉が入ってこないなどのメリットがあります。

特に冷房の場合は、エアコンで一度冷やされた空気を、さらに冷やして送り込む為、冷房が効きやすくなります。ただし内部の空気を循環し続けるので、酸素濃度が上がりやすくなり、長時間のドライブなどでは眠気を催すなどのデメリットもあります。

内気循環と外気導入における車内CO2濃度

内気循環と外気導入における車内CO2濃度

グーネット編集チーム

内勤循環と外気導入については、車内のCO2濃度にどう差が出るのかという点を押さえておくことが重要です。

これについては、実は走行環境によっても差が出ます。以下、市街地・高速道路・郊外や山道といった走行環境別に、内気循環と外気導入それぞれを行った場合のCO2濃度の比較をしたテストデータの一部を紹介します。

車道別CO2濃度

まず、市街地で走行する車に関して、内気循環と外気導入それぞれを行った場合の比較です。
外気導入を行った場合、車内のCO2濃度は走行時間によって変わることがなく、常に一定の数値を取り続けます。これは常に車内に外の空気が流入してきていることを考えれば、当然のこととして理解できるでしょう。

反面、内気循環を行い続けた場合には、車内のCO2濃度は時間とともに上昇していくことが実験から明らかとなっています。走行時間が一時間ほど経過すると、内気循環は外気導入の約5倍ものCO2濃度となるとしたテストデータもあります。

また、高速道路のような環境でも、内気循環を続けていると、CO2濃度が時間とともに上昇していく傾向があることが明らかにされています。この場合には、走行後約一時間で、外気導入の場合と比較してCO2濃度が約4倍になるとしたテストデータがあります。

最後に郊外や山道などの環境ですが、この場合も時間とともにCO2濃度が上昇していくという内気導入の傾向に変わるところはありません。この場合にも走行開始約一時間で、外気導入に比べてCO2濃度は約5倍にまで差がつくとしたテストデータがあります。

外気導入の場合には、いずれの環境にしろCO2濃度はおよそ1000ppm前後です。高速道路のトンネル内部など一時的に空気の悪い箇所では、1200ppm程度の値を記録することもあれば、郊外の空気の澄んだ環境であれば800ppm程度になるなど、環境によって濃度にも差異はあります。

しかし内気循環の場合に約一時間走行すると、一番CO2濃度が低かった高速道路でも約4500ppm、一番CO2濃度が高かった市街地では約6700ppmに達したと報告されています。走行環境にかかわらず、内気導入を続けることは、車内のCO2濃度を車外では考えられないほどの高濃度にしてしまうということは明らかでしょう。

車内のCO2濃度が高い状態を放置していると、眠気の原因になり運転に支障が出ることや、軽い頭痛などの健康被害につながることが考えられます。これには十分注意しておくべきでしょう。

外気導入と内気循環の上手な使い分け

では、この外気導入と内気循環はどのように使い分けたらいいでしょうか?
日本の気候の場合、極端に暑い日や寒い日は、内気循環を使わないと車内の温度が調節できませんので、夏や冬は内気循環に頼らざるをえません。ポイントはどこで外気導入を行うかにかかってきます。

例えば、空気を入れ替えたいと思っても、排気ガスだらけの場所だったり、花粉の季節だったりすると、逆効果となってしまいます。外気導入を行う場合は周囲の環境を見計らって、タイミングよく行うのがポイントです。もちろん、外気導入、内気循環にこだわらず、空気のきれいな場所や環境のいい場所ならば、窓を全開にして直接外気を取り込むのもお勧めです!

まとめ

内気循環には、冷房や暖房の効きがよくなることや、花粉などの外のホコリや排気ガスが入ってこなくなること、燃費がよくなることなどのメリットもあります。一方、外気導入には、換気ができ、窓の曇りを除去できることや、車内がカビ臭くなることを防止できることなどのメリットがあります。

一方両者にメリット・デメリットがあるとはいえ、内部循環を続けていると、酸素濃度は時間とともに薄まり、CO2濃度も時間とともに高まっていってしまう傾向があります。これを放置することは、健康的な運転環境を維持する意味でも好ましくありません。

適切なタイミング、そして外の環境を見計らいながら、ドライブ中は適宜外気導入を行い、車内に同じ空気が滞留しすぎないようにするなどの工夫を行うべきでしょう。

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グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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