中古車購入チェックポイント
更新日:2018.09.28 / 掲載日:2005.08.12

ダイハツ ミラ ジーノ 中古車購入チェックポイント(2005年08月)

  • ダイハツ ミラ ジーノ中古車購入チェックポイント

    ダイハツ ミラ ジーノ

  • ダイハツ ミラ ジーノ

■全体のチェックポイント

かなりの数が中古車市場に出回っているが、実用車として使われていた車両が多い。車体まわり外観の小さな傷や凹み、インテリアの汚れや荒れ方などを観察して、どのように扱われていたかを推察してみよう。ミニライトバージョンなどは走り込んで各部の疲労や摩耗が進んでいる場合もあるので、仕様グレードによってはエンジンや走行機能系などの細部までチェックする必要があるかもしれない。また、改造の有無を確認することもポイントだ。

1.全体の雰囲気から探る

車両全体が見渡せる位置まで下がって、外観を眺めてみよう。まず、車体表面の色艶を見ながら、異常がないかを観察。見る角度によって、歪みや波打っているのを見つけることもある。車体に写った周囲の景色が不自然に歪んでいたり、塗装表面が肌荒れのようになっていたら、修理跡かもしれない。また、ナンバープレートは曲がっていないか?左右のヘッドライトの色は同じか?バンパーがずれていないか?車体の切れ目の隙間(チリ)は均等な線になっているか?チェックしよう。一部だけくすんでいたり艶が違って見えたら、修理したことも考えられる。

  • ダイハツ ミラ ジーノ(正面)

  • ダイハツ ミラ ジーノ(正面左)

  • 2.不自然な部分や新しい部品

    ダイハツ ミラ ジーノ(エンジンルーム)

  • 2.不自然な部分や新しい部品

    エンジンルーム内を観察して、各部の塗装の様子を見てみよう。車体と左右のフェンダー、ラジエターを支えているラジエターサポートなど、各部の色を見比べて、違いを見つけるのだ。一部だけ色合いが異なっていれば、そこは修理して、後で再塗装した可能性がある。周囲と比べて不自然にきれいな部分があれば、修理した跡かもしれない。さらに、細部も観察。ゴムホースやベルトの劣化など、消耗部品も点検しよう。オイルのにじみや汚れにも注意。周囲と比べて新しく見える部品は交換している。整備手帳の記録を参考にすると、トラブルが発生した箇所や修理などの経緯がわかるはずだ。

  • 3.前部をぶつけるとダメージを受ける

    ダイハツ ミラ ジーノ(ラジエターサポート)

  • 3.前部をぶつけるとダメージを受ける

    フロントグリルの後ろにあるラジエターサポートと呼ぶ鉄板を観察してみよう。前部をぶつけると、高い確率でラジエターサポートを修正あるいは交換することになる。歪みや手を加えた痕跡がないか、じっくりチェックだ。周囲と色が違っていたら、交換した証拠と思っていい。フェンダーとの接合部も、不自然なところはないか点検しよう。

  • 4.ボンネットの交換は理由が問題

    ダイハツ ミラ ジーノ(ボンネット)

  • 4.ボンネットの交換は理由が問題

    事故などでボンネットにダメージを負うと、新しいボンネットと交換することも少なくない。ボンネットを支えている金具(ヒンジ)を固定しているネジを脱着した形跡があったら要注意。事故の修理でボンネットを交換した可能性が高い。まれにエンジンの修理などのためにボンネットを脱着することもあるが、その場合は整備記録簿に記録が残っているはずだ。

5.フェンダーの状態を読む

フェンダーを固定しているネジの頭の塗装に傷があるのは、工具を使ってネジを脱着した跡。つまり、フェンダーを交換、あるいは修理したと判断できる。フェンダーに手を加えても事故車(修復歴車)扱いにはならないが、フェンダーが無傷なら大きな事故は起こしていないと推察できる。

  • ダイハツ ミラ ジーノ(フェンダー1)

  • ダイハツ ミラ ジーノ(フェンダー2)

  • 6.フロントガラスの付け根の周辺にヒント

    ダイハツ ミラ ジーノ(フロントガラス付け根)

  • 6.フロントガラスの付け根の周辺にヒント

    事故などで前部に大きな衝撃を受けて車体が歪むと、外板パネルを修理することになるが、組み付けの際に誤差が出ることがある。それは、各パネル同士の隙間(「チリ」と呼ぶ)を見ればわかりやすい。フロントフェンダーの後端とドア、さらにフロントフェンダーとピラー(フロントガラスを挟んだ左右の柱)、それぞれのチリが均一でなければ、前部の外板に手を加えた(修理した)可能性が高い。車体の左右同じ場所を比べて見るのもチェックのコツだ。また、再塗装する際に、色合わせがうまくいかないと、色が微妙に違うことがある。隣り合う外板の色が合っているかもチェックしよう。

7.ドアヒンジから側面のダメージを推測

車体側面のドア部分に大きな損傷を受けると、ドア自体を交換してしまうことも多い。交換の際は、ドアを支えている金具(ヒンジ)を固定しているネジを脱着するので、ネジの状態をチェックしよう。ミラは無塗装ボルトを使用しているので判断しにくいが、前後左右のドアを見比べて、特定のドアだけネジの頭に傷が付いていれば、工具を使ったと考えられる。ただし、新車の組み立て時や、ドアの立て付けを調整するためにネジを回すこともあるので、ネジを脱着したように見えても、必ずしもドアを交換しているとはいえない。

  • ダイハツ ミラ ジーノ(ドアヒンジ1)

  • ダイハツ ミラ ジーノ(ドアヒンジ2)

  • 8.支え金具と周辺を観察する

    ダイハツ ミラ ジーノ(リアゲート)

  • 8.支え金具と周辺を観察する

    リアゲートは面積が大きく、後部をぶつけるとダメージを受けやすい。ドアを支えている金具(ヒンジ)と周辺をチェックしよう。まずは、ドアがしっかり閉まるかどうか、確かめてみる。ずれているせいで、スムーズにロックできないこともある。そして、ヒンジを固定しているネジを脱着した形跡を探ってみる。ネジの脱着が修理や交換したかどうかの目安となる。また、ヒンジが接している周辺の鉄板が歪んでいる場合は、ダメージが大きかったと推測できる。

  • 9.リアゲート開口部の溶接部を見る

    ダイハツ ミラ ジーノ(リアゲート開口部)

  • 9.リアゲート開口部の溶接部を見る

    リアゲートを開くと、開口部は左右両側共に鉄板が横から回り込んで、溶接で固定されているのが見える。追突をはじめ、後部が変形するようなダメージを受けて修理した車両の場合は、溶接部分が均一に揃っていないし、車体の左右で違っている。また、板金塗装をしていれば、周囲と色の雰囲気が違って見えることもある。さらに確かめるには、鉄板の継ぎ目に盛って隙間を埋めているシール材を爪で押してみよう。表面が硬くても内部が柔らかい(爪で押すと「プチッ」と表面が割れる)ようなら、修理の際に新しいシールを盛ったということがわかる。

  • 10.塗装表面を観察する

    ダイハツ ミラ ジーノ(リアドア開口部)

  • 10.塗装表面を観察する

    リアフェンダー周辺の車体にダメージを受けて修理した車両には、リアドアの開口部分などに塗装作業時にマスキングした跡(塗装スプレーが他の部分に広がらないようにするカバーを留めるために粘着テープを貼る)が残っていることもある。塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような段差があれば、新しく塗装している可能性が高い。段差が直線状になっていれば間違いなくマスキングテープを貼った跡なので、板金修理あるいは傷の補修など、何らかの理由で塗装したことがわかる。車体の左右同じ場所を見比べると、判断しやすい。

11.下から覗いて修理の痕跡を探す

日頃見ることがない、クルマの床下もチェックしよう。例えばリアバンパーの裏側を覗いくと、溶接で鉄板を接合しているたり、金具(ステーなど)を介してネジで固定しているのが見える。溶接部分がきれいでネジを回した形跡がなければ、手を加えていないと判断できるし溶接部が乱れているようなら、何らかの修理で手を加えていると判断できる。さらに、歪みや部分的な変形をはじめマフラーなどの床下の部品類に傷や凹み、交換した形跡がないかどうかも探ってみよう。外観はきれいに修理しても、走行に影響がない見えない部分はダメージを受けていてもそのままにしていることがあるので、事故歴を発見することがある。

  • ダイハツ ミラ ジーノ(床下1)

  • ダイハツ ミラ ジーノ(床下2)

  • 12.スペアタイヤを外して床と周辺をチェック

    ダイハツ ミラ ジーノ(スペアタイヤ収納部)

  • 12.スペアタイヤを外して床と周辺をチェック

    トランクルームの床に収納されているスペアタイヤを外してみよう。車体に大きなダメージを受けてできた歪みなどが床部に残っている(走行に支障がない部分は修理しない)のを見つけることもある。塗装が周囲と違っていたり、防音防振材(床部や車体内部に貼っているマット)の状態などに異常(剥がれていたり波打っていたり)があれば、後部を修理しているかもしれない。また、スペアタイヤを外したついでに、タイヤ自体の状態(空気圧や傷の有無など)もチェックしよう。

  • 13.点検整備記録に目を通す

    ダイハツ ミラ ジーノ(点検整備記録)

  • 13.点検整備記録に目を通す

    点検記録簿(整備手帳など)の内容を、車両をチェックする前に確認しておこう。過去にどのような整備を受けてきたのがわかり、車体各部の状態を探る参考になる。定期点検整備時の走行距離とも突き合わせてチェックしよう。詳細な記録が残っていればトラブルがの履歴がわかるし、点検整備がしっかりしている車両は走行距離が伸びていてもコンディションがよく、機能部分に大きな問題を抱えていないと推測できる。

ミラ ジーノのコンディションはここで見極める!

  • 1.エンジンをかけてみる!

    ダイハツ ミラ ジーノ(始動)

  • 1.エンジンをかけてみる!

    エンジンを始動してみよう。異音が聞こえり、大きな振動が出ているようなら、トラブルを抱えている可能性がある。実際に走ってみるのが望ましいが、エンジンが暖まってからアクセルペダルを軽く煽ってみて、回転がスムーズに上下するか試してみよう。比較的おとなしく走った車両は、ほとんど使われていない高回転域までスムーズに吹き上がらないこともある。

  • 2.装備類をチェック

    ダイハツ ミラ ジーノ(装備類)

  • 2.装備類をチェック

    ターンシグナル(ウインカー)やライト類、ワイパーなどの作動をチェックするのは常識だが、エアコンやオーディオシステムなどの装備機器も、必ずONにして正常に機能しているかチェックしよう。純正、社外製品を問わず、オーディオ類やカーナビなどは取扱説明書が揃っていることも確認しよう。

  • 3.試走してチェック!

    ダイハツ ミラ ジーノ(セレクトレバー)

  • 3.試走してチェック!

    オートマチックトランスミッションは、セレクトレバーをNからDへ、NからRへと、各ポジションに入れてみて、作動の具合いを試してみる。各ギヤへの切り替え時のショックは大きくないか?アクセルを踏むのと連動してスムーズに発進や加速ができるか?できる限り試走して確かめよう。

4.シートの汚れやほつれ!

ファブリックのシートは、汚れは目立ちにくいが座面は意外に汚れている。シミなどもたいていはカーケア用品などで目立たなくすることもできるが、傷やタバコの焼けこげなどが気になれば補修やシートの交換を考えなければならない。また、頻繁に乗り降りしている場合は、走行距離のわりにシートがヘタっていることがある。

  • ダイハツ ミラ ジーノ(シート1)

  • ダイハツ ミラ ジーノ(シート2)

  • 5.ホイールの傷とタイヤの減り方!

    ダイハツ ミラ ジーノ(タイヤ・ホイール)

  • 5.ホイールの傷とタイヤの減り方!

    ホイールキャップに傷が多い車両は、運転が乱暴だったり、不注意に扱っていたことが想像できる。また、タイヤの摩耗状態もチェック。一部だけ異常に減っている(片減り)状態になっているのは、ホイールの取り付け角度(アライメント)が狂っている場合がある。

  • 6.レンズが曇っている!

    ダイハツ ミラ ジーノ(レンズ)

  • 6.レンズが曇っている!

    ターンシグナルやヘッドライトの内側が曇っている(水滴が付いている)場合は、部品のパッキンやシールが不完全なことが多い。同車種に共通している場合はクレームの対象になるが、特定の個体に出た不具合は部品を交換して対処するしかない。ライト類は腐食による割れや電気系を犯して点灯不良も起きるので、チェックしておきたいポイントだ。

  • 6.バッテリーが腐食してる!

    ダイハツ ミラ ジーノ(バッテリー)

  • 6.バッテリーが腐食してる!

    バッテリーの端子や固定金具などを見ると、錆や腐食、緑青(銅に発生する錆)が吹き出したようになっているのを発見することがある。そのまま放置すると電気系のトラブルに陥りやすい。このような車両は点検整備を怠っているのはもちろんだが、昼間の走行がほとんどで、なおかつ頻繁にストップ&ゴーを繰り返している場合に多い症状だ。放電するよりも充電されるほうが多い場合にも腐食が起きることがあるが、たいていはクルマのコンディションには影響がないので、バッテリーを交換するだけでいい。

■今回の車両のプロフィール

ジーノは、ミラをベースにイギリスの旧ミニを意識したレトロスポーツ調の雰囲気が人気。丸いライトと大型グリル、メッキバンパーの個性的な外観と共に、スポーティな独立形状メータークラスターやたっぷりとしたシートを備えたインテリアも好評だ。1998年に軽自動車として登場し、エンジンは3気筒の6バルブと12バルブを中心に、2001年にはターボも追加された。また、リッターカーのジーノ1000が2002年から出ており、同じスタイルでも軽にはない余裕の走りを味わえる。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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