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更新日:2018.10.22 / 掲載日:2017.09.07

これぞイタリア!これぞアルファ! 新型ジュリアは大人のためのFRスポーツ

文と写真●ユニット・コンパス

 鉛筆によるフリーハンドでデザインを練り上げ、クレイモデルを木のヘラで削ってボディラインを仕上げていく。プレゼンテーションで上映された新型アルファロメオ ジュリアがデザインされていく工程は、人間の経験と知恵、センスに頼った20世紀のやり方そのものだった。現在の自動車産業では、スピードアップとコストダウン、そして厳しい安全基準に対応するべく、コンピューターを使ってバーチャル空間でデザインを行うことがトレンドだ。あらゆる生産、ものづくりにおいて効率化が優先化される時代だからこそ、アルファロメオはこの昔ながらのやり方が、逆説的にプレミアムな価値を生み出すと確信しているのだ。

ジュリア クアドリフォリオ

 プレミアムブランドとして再出発を目指すアルファロメオにとって、今回の新型ジュリア発表会は、たんなる新型モデルの日本初お披露目に止まらず、ブランド戦略を周知する重要な機会でもあった。だからこそ、わざわざ本国からアルファロメオ・エクステリア・チーフデザイナーのアレッサンドロ・マッコリーニ氏を招聘しプレゼンテーションの時間を用意したというわけだ。氏は、1997年にデザインセンターに配属されて以来、147や156スポーツワゴン、8Cコンペティツィオーネなどを手がけ、2013年から16年には新プラットフォーム「ジョルジオ」を担当。新型ジュリアをデザインするにあたって、107年にわたるアルファロメオのヘリテージ、55年ものジュリアの伝統、伝説の33ストラダーレが誕生してからの50年間、そして自身の20年におよぶキャリアを見つめ直し、「NECESSARY BEAUTY(機能美)」という境地に到達。各部に歴史的モデルのディテールを取り入れつつ、機能的でダイナミズムにあふれる新世代のスポーツサルーンを描き出したという。

  • 代表取締役兼CEO ポンタス・ヘグストロム氏(左)とアルファロメオ・エクステリア・チーフデザイナーのアレッサンドロ・マッコリーニ氏(右)

  • 初代ジュリアのなかでも高い人気を誇った「スプリントGT」

スタンダードバージョンは446万円から

ジュリア スーパー

 では、改めてアルファロメオの新型モデルであるジュリアについて紹介しよう。ジュリアは159の系譜を継ぐ、アッパーミドルサイズのスポーツサルーン。初代ジュリアが登場したのは1962年で、先進的なメカニズムを採用。その後も高性能モデルを続々と登場させ、アルファロメオのスポーツイメージを確固たるものにした。戦前からグランプリレースで活躍し名門として知られていた同社を、乗用車の世界でも人気ブランドへと押し上げた立役者だ。そういった意味でも、ジュリアの名前が復活したことには深い意味がある。
 そんな新型ジュリアのコンセプトは「La meccanica delle emozioni(感情に訴えかけるマシン)」。それを体現するべく、「革新的なエンジン」、「50対50の前後重量配分」、「独創的な技術的ソリューション」、「卓越したパワーウエイトレシオ」、「洗練されたイタリアンデザイン」という5つの特質が定義づけられた。
 エンジンは、スタンダードモデルに2種類の2L直4ターボ(200馬力、280馬力)を、象徴となるハイパフォーマンスモデルである「ジュリア クアドリフォリオ」には2.9L V6ツインターボ(510馬力)を設定。組み合わせられるトランスミッションはすべて8速ATで、新規開発されたシャシーによって後輪を駆動する。
 新型ジュリアはアルファロメオのサルーンとして約25年ぶりにFRを採用したことも話題だ。スペース効率やコストに優れるFF方式からダイナミクス性能を重視してのFR方式への転換したことは、走行性能の面でもプレミアムブランドとして妥協しないという姿勢の表れだ。「ジュリア クアドリフォリオ」にはさらに、速度によってフロントリップスポイラーを可変させるアクティブエアロスプリッターやトルクベクタリングシステム、カーボン製のエンジンフードとルーフパネルを採用。パワーウエイトレシオは3.0kg/hp未満と世界トップレベルであり、最高速度は307km/h(欧州仕様参考値)、0-100km加速は3.9秒という俊足。2016年にはドイツ・ニュルブルクリンク北コースでのタイムアタックを敢行し、当時4ドアセダンとして世界最速記録となる7分32秒を樹立している。まさにスーパースポーツサルーンともいうべき「ジュリア クアドリフォリオ」の価格は1132万円と発表された。 

先進安全装備を含め充実した標準装備でプレミアムセグメントに挑戦

 一方、スタンダードバージョンともいうべき2Lモデルには、受注モデルの「ジュリア」(446万円)、装備が充実した「ジュリア スーパー」(543万円)、そして高性能な280馬力版の「ジュリア ヴェローチェ」(597万円)という3つのグレードを設定。全車にレザーシートや8.8インチの音声認識機能付き「Connectシステム」、歩行者検知機能付の前面衝突警報(FCW)/自動緊急ブレーキ(AEB)を標準で装備。「ジュリア スーパー」以上のグレードについてはさらに、アダプティブクルーズコントロールやブラインドスポットモニターを備えるなど充実させたうえで、ライバルであるドイツ勢と真っ向勝負のプライシングとした。

新型SUVステルヴィオがサプライズで登場!

2018年導入予定のステルヴィオ

 また、FCAジャパンは今回の新型ジュリアの導入にあわせて、ディーラー網を再構築し、アルファロメオ・ブランドの専売ディーラー網を全国で展開することについても発表。新しいブランドアイデンティティを取り入れた店舗デザインとなり、新型ジュリアについてはこれらの拠点にての取扱いになるという。アルファロメオは、ブランドとしての新たな黄金時代を築き上げるべく、今後数年以内に7モデルのローンチを行うことを表明。今回の発表会では2018年に販売予定の新型SUVステルヴィオも登場させ、ブランドの新たなる門出を祝った。


アルファロメオ ジュリア クアドリフォリオ(8速AT)
全長×全幅×全高 4635×1865×1435mm
ホイールベース 2820mm
トレッド前/後 1555/1605mm
車両重量 1710kg
エンジン V型6気筒DOHCツインターボ
総排気量 2891cc
最高出力 510ps/6500rpm
最大トルク 61.2kgm/2550rpm
サスペンション前/後 ダブルウィッシュボーン/マルチリンク
ブレーキ前後 Vディスク
タイヤ前/後 245/35ZR19・285/30ZR19

販売価格 446万円~1132万円(全グレード)

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グーネットマガジン編集部

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