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更新日:2021.05.21 / 掲載日:2021.05.21

【サーフィン×クルマ】経験者オススメの海なクルマたち【九島辰也のクルマのある時間 第7回】

文●九島辰也 写真●シボレー、プジョー、ジャガー、ボルボ

 夏が近づいて来ました。というかすでに気温25度の日もありましたね。学生時代であればGWにはもう日に焼けて腕の皮がむけていたのを思い出しました。

 こうなると、海に行きたいですよね。今年の夏はどうなんでしょう。コロナの影響が心配です。ビーチに規制が入るかも。確かに海はアウトドアですが、1m間隔で寝そべっていたら密になってしまいます……。厳しいなぁ。ということで夏目前、今回はサーフィンとクルマについてお話したいと思います。

【ゴルフ×クルマ】気分もスコアも上々なゴルファーズカー【九島辰也のクルマのある時間第6回】

伝説のサーフィン映画に登場した名車とは!?

シボレー エルカミーノ

シボレー エルカミーノ

 先日偶然CS放送で映画「Big Wednesday(ビッグウェンズデー)」を観ました。何年ぶりでしょうか。学生時代憧れていて、自分のことを友達に“マット”と呼ばせていました。ジャン=マイケル・ヴィンセント演じる主人公の“マット・ジョンソン”のことです。仲間を大切に想いながらアウトローなところがかっこいい。そしてこの映画にはサーフィン以外にも様々な社会的事象が描かれています。例えばベトナム戦争。当時はよくわかっていませんでしたから、徴兵を潜り抜ける手法にただただ笑っていましたが、若者にとって切実な問題であったのは間違いありません。それとヒッピーの台頭。ランチを食べに入ったマットと店員の会話がそれを言い表していました。その意味かなり世相が反映している映画だと思います。

 劇中で印象的なのはシボレー エルカミーノというクルマです。セダンピックアップと呼ばれるもので、その頃フォードはランチェロ、ダッジはランページを出していました。まだサーフボードがバルサ材で作られていた時代です。ピックアップのベッドにそのまま載せる感覚が素敵です。現代のウレタンフォームではけっこうダメージのありそうな載せ方ですね。

映画「Big Wednesday」公式トレイラー

サーフィンに適したクルマとは?

ロングボードかショートボードか、それによってもクルマ選びは変わる

ロングボードかショートボードか、それによってもクルマ選びは変わる

 では現代においてサーフボードを積むのに適したクルマとはどんなものなのでしょうか。

 まず、サーフィンと言ってもショートボードとロングボードでは大きく異なります。一見して同じスポーツに見えますが、まったく別。それを証拠に海で波待ちしている場所が違います。ショートが手前、ロングが沖となります。それに望んでいる波のコンディションも違います。ロングは厚い波を好みます。わかんないですよね。この表現。

 ショートボードであればたいていのクルマに載せられます。ハッチバックでもコンパクトSUVでも。モノによってはセダンでも大丈夫。助手席を最大にリクライニングさせれば入ってしまいます。ヘビロテで海に入る方は小さい排気量のガソリンエンジンやディーゼル、ハイブリッドなどで省燃費に重きを置く程度でよろしいかと。

 ですが、ロングボードは違います。公式には9フィート(約2.7m)以上ですから、それなりのスペースが必要になります。それでも、屋根の上にキャリアを装着して積めばそれほど苦労はありません。メルセデスベンツのGヴァーゲンのように極端に背の高いクルマだと脚立が必要ですが、それ以外はほぼOK。

 キャリアを使う場合の注意点は、前後二本のステイの位置関係。その感覚が狭すぎても広すぎてもかっこ悪いですから気をつけましょう。それとボードの向き。昔はフィンを前方上にむけていましたが、今はカリフォルニアやハワイのサーフシーンを見ても自由ですね。なんとなく積みやすい向きでいいかと。

 では、車内にロングボードを積むにはどうしたらいいでしょう。究極を言ってしまえば、サーファーに適したクルマはハイエースになります。2列目以降取り外せばそのまま放り込めます。ボードケースに入れなくても厚い生地のバスタオルを敷いておけばいいかと。早朝駐車場ではボードと一緒に横になって寝られるのもメリット大です。車中泊系ですね。

ステーションワゴンであれば、実用性とスタイルを両立できる

プジョー 508SW

プジョー 508SW

 とはいうものの、それじゃ少しストイック過ぎるのも確か。もう少し自分のスタイルを取り入れたいのが正直なところです。そこで今オススメしたいのがステーションワゴン。SUVの躍進でアメリカでは壊滅しましたが、ヨーロッパにはまだそのスタイルが生きています。

 ステーションワゴンの長所はいくつかあります。SUVよりも室内長があるのでロングボードを中積みできます。よって、ひとりで行く時は車内に積んでゴー。でもって3人、4人になっても大丈夫。往復は屋根の上に積んでランチなどクルマから離れる時に車内に入れればセキュリティの面での問題はありません。

 さらにいうと、ステーションワゴンはセダン並みの運動性能を楽しめます。なので、クルマを単なる移動手段ではなく遊べるというわけです。クルマ好きならご承知でしょう。ミニバンとは違いますね。もちろん、SUVとも違います。

 そんなステーションワゴンですが、具体的にはメルセデスやBMW、アウディ、VW、ボルボ、プジョー、ジャガーなどがラインナップしています。個人的にはプジョー508SWあたりがセンスよく感じます。なんとなく、チカラの入っていない雰囲気が大人ですね。ジャガーXFスポーツブレイクもそう。大人のサーフスタイルとしてアリかと。そうそう、ボルボV60も忘れてはなりません。90年代の大人サーファーの足はボルボでしたから。

 そしてクルマが決まれば、サーフ関連のステッカーを一枚厳選して貼りましょう。そこでさらなるセンスアップ。サーファーのセンスの良さを世の中に見せつけちゃってください。

  • ジャガー XFスポーツブレイク

    ジャガー XFスポーツブレイク

  • ボルボ V60

    ボルボ V60

執筆者プロフィール:九島辰也(くしま たつや)

自動車ジャーナリストの九島辰也氏

自動車ジャーナリストの九島辰也氏

外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの”サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。

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グーネットマガジン編集部

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