ハイテク搭載の最先端か、 ネオクラシックのちょい古か!?の記事詳細

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カーライフ [2021.05.14 UP]

ハイテク搭載の最先端か、 ネオクラシックのちょい古か!?

マイベストカーを探せのイメージ画像

自動車業界の大変革期とも言われる昨今。新時代のパワーユニットや安全技術などが矢継ぎ早に登場し、トレンドとなっている。その一方で、20から30年前のちょっと古いモデルへのニーズも増えており、車種によってはかなり相場が高まっている。ハイテクモデルと“ちょい古”モデル、両者の魅力をひも解いていこう。
(掲載されている内容はグー本誌2021年5月号の内容です)


[日産]スカイラインGT-R(R34型)
中古車中心価格帯 1300万から1500万円
スカイラインのハイパフォーマンスグレードで、R34は「スカイラインGT-R」としては最終型となったモデル。中古車価格は高騰しており、新車価格の約3倍となっている。
[ホンダ]ホンダe
新車価格 451万から495万円
2020年に販売開始された、ホンダとしては初となる量産型のピュアEV(電気自動車)。サイドカメラミラーシステムや全面ディスプレイのインパネなどでも注目を集める。

ちょっと古いクルマの呼び方に決まりはあるのか

「古いクルマ」の呼び方はさまざまだ。一般的に定義とされているのは、日本クラシックカー協会による「1975年までに生産された車両」などで、「ヒストリックカー」や「ビンテージカー」は戦前から戦後くらいのかなり古めのクルマを表すことが多い。「旧車」はそれより新しく、60から80年代のモデルに当てはめられているのが一般的だ。今回、本誌では、少し古いモデルを取り上げ、「ちょい古」と表現していく。

ちょい古派の意見!

内燃機関が無邪気にパフォーマンスを追求できたのは、20世紀の終わりくらいまで。21世紀のクルマは、開発テーマがハッキリ燃費性能にシフトしている。もちろん、現在でも高性能なスポーツエンジンは存在するが、それを搭載するクルマはどんどん価格が高騰。もはや、庶民でも買えるスポーツエンジン搭載車といったらスイフトスポーツくらいしか存在しないのが現実だ。
 最近、80から90年代のネオクラシックや、00年代のちょい古スポーツモデルの人気が高まっているのは、そのへんが大きな理由。失われたパフォーマンス至上主義の時代が、おじさん世代には懐かしく、若者世代には新鮮に再評価されているんじゃないかと思う。
 そしてもうひとつ、そんな時代のスポーツエンジンには、それぞれに個性溢れる走りのキャラクターがある。これは技術が未熟だったがゆえでもあるのだが、コンピューター制御が高度に進化した現代のエンジンに比べると、いろんな点が荒削りで、乗りこなすにはある種のコツが必要。実用車だったら落第だが、趣味のクルマとしては、そこがまた魅力的なのだ。程度のよい中古車を探すなら、今が最後のチャンスかもしれませんよ。

  • 鈴木直也サンの画像

  • 自動車評論家 鈴木直也
    40年以上ジャーナリスト活動を続けるベテラン。かつては初代アルピーヌA110を所有してレストアするなど、ヒストリックスポーツカーに傾倒した経験を持つ。

ハイテク派の意見!

古いクルマが嫌いなわけでは決してない。衝突安全規制などの外的要因で販売されなくなった車種には、現代のクルマでは得られない味がある。しかし僕の一番の好物は、今後主流となり正常進化することが予想される革新的技術を積んだクルマだ。なぜなら、それらに触れることで、新しいライフスタイルや価値観がもたらされるからである。
 しかし、無条件で新しいものに飛びつくわけではない。そういった行動は、初代iPhoneに手を出した「イノベーター」と呼ばれる人々に任せて、彼らの反応を見てから2代目や3代目のiPhoneを買った。僕は革新的なモノを“早めに”楽しみだすアーリーアダプターだ。なんでも完全にマジョリティ化(一般化)してから手にしたのでは、損したと思ってしまう性格でもある。
 そんな観点から、テスラのモデルSをすでに4年ほど所持しているが、この間に、クルマに対する見方とともにカーライフのあり方が変わった。最近では、FCV(燃料電池車)の新型MIRAIも入手している。結果、エネルギー補給時間の短いその特性により、EV(電気自動車)の新たな価値観を得ることができている。

  • 五味康隆サンの画像

  • モータージャーナリスト 五味康隆
    レーサーとしてF3参戦経験を持つ異色の評論家で、40代半ばだが、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員のなかでは若手に属する。近年はYouTuberとしても活躍中だ。

NEWS FLASH あと10年で「ガソリン車販売禁止!」のウソ ホント

伐採された自然の画像


その発端は「カーボンニュートラル」にあり!
 2020年秋に行われた菅総理大臣の所信表明演説で、「我が国は、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」と表明された。以来、自動車関連だけでなく人間の活動で発生するCO2の量がプラスマイナスゼロになるようコントロールすることで、将来にわたって地球環境の保全に努めるという取り組みが本格化している。

icon かつては少数派だったEVが多数派に変わる?

20年12月、経済産業省は30年代半ばに日本国内の新車販売をすべてハイブリッドカー、あるいはEV(電気自動車)に切り替え、ガソリン車の販売を事実上禁止するという目標を設ける方向で調整していることが明らかになった。
 自動車業界にとってはかなり衝撃的なニュースだったが、その背景には政府による、50年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「カーボンニュートラル宣言」があり、それを実現するためにもクルマの電動化が不可欠となるわけだ。
 この宣言を受け、日本自動車工業会は「政府の方針に貢献するために自動車業界を挙げて取り組む」という考えを示している。しかし実現に向けては「画期的なブレークスルーなしに達成は見通せない」という意見もあり、決して容易な挑戦ではないこともうかがえる。
 そもそも、クルマを電動化するだけでカーボンニュートラルを達成できるわけではない。走行中のCO2排出量を抑えるのは大前提だが、材料や部品・車両の製造をはじめ、ガソリンの燃料製造やEVで用いる電気の発電など、すべての段階で発生するCO2がゼロにならずして、自動車のカーボンニュートラルは達成し得ない。自動車メーカーはいずれも、研究開発費を投じて努力をしているが、研究開発および設備投資支援や、欧米並みの脱炭素エネルギーインフラの整備、さらに補助金、減税制度の維持・拡充による電動車の需要喚起といった支援など、国の政策との連携も必須となる。
 また、日本製のクルマが脱・化石燃料に後れをとるようでは、欧米への輸出が阻害され競争力が大きく低下するという懸念もある。それを回避するべく、日本の自動車メーカーは電動化と生産技術の改革を推進し、その結果、市場に導入される新型車の多くが電動車になるだろう。10年後にガソリン車が買えなくなるわけではないが、そのときには、ガソリン車が少数派になるというのは現実味を帯びていくはずだ。

  • 海外メーカのイメージ画像

    ドイツの大手フォルクスワーゲンは、2025年までに電動車を70車種以上揃え、年間300万台以上の販売を計画している。

    海外の政策、メーカーの動向は?
     2020年の時点で、2050年までのカーボンニュートラルに賛同しているのは、日本を含め123カ国・1地域となっている。特に欧州では、ガソリン、ディーゼルなどの化石燃料を使用して走るクルマだけでなく、ハイブリッド、PHEVについても2030年以降に禁止する方針を打ち出している。また、アメリカ最大手の自動車メーカーGMは、2035年までにすべての新型車を電動に切り替えることを発表。脱・内燃機関への動きや規制は、日本より活発化している。

  • 国内メーカーのイメージ画像

    トヨタは脱・内燃機関に向け、クルマの電動化だけでなく、水素を利用して走る燃料電池車の普及拡大にも取り組んでいる。

    国内の政策、メーカーの動向は?
     自動車は日本にとって基幹産業であり、世界的にみても大きな影響力と強い競争力を有している。海外では脱・内燃機関が加速しているが、そうした動向に対して日本が世界で築いてきた優位を手放すわけにはいかない。国としてはガソリン車の新車販売禁止を検討中だが、こうした動きに対して国内メーカーは、電動化技術のさらなる進化はもちろん、生産工程におけるCO2排出量の削減など、環境対応と社会的価値の創出に向けた活動をこれまで以上に強化させている。

バッテリーは大丈夫……? 選べる次世代車の世界

今も世界中で「脱・内燃機関」の動きは活発化しており、メカニズムのハイテク化もパワーユニットを中心に進められている。日本では古くからハイブリッドカーが実用化されているが、ここではその進化系であるPHEVやEVの最新動向などをチェックしていこう。

次世代のPHEVとEVが続々スタンバイ中!

  • RAV4 PHVの画像

    RAV4 PHVが受注再開
    最高出力300ps超の動力性能や、95kmのEV航続距離などハイレベルな走行性能を誇る。あまりの人気に発売後1ヶ月でオーダーストップしていたが、3月から受注を再開している。

  • レクサス EVの画像

    レクサスもピュアEVを発売
    UX300eはレクサス初の電気自動車として登場。モーターやバッテリーといった主要装備の効率を最大化することにより、WLTCモード航続距離367kmを確保している。

  • MX-30 EVの画像

    MX-30にEV仕様が追加
    本命ともいえるEVモデルがついに登場したMX-30。マツダとしては初めて市販化する電気自動車だが、パワーユニットが電動化されてもマツダ車らしい人馬一体の走りは健在だ。

  • ARIYAの画像

    ARIYAは今年中に発売予定
    新開発のEV専用プラットフォームに最新の4輪駆動システム「e-4ORCE」を搭載。クラストップレベルの航続距離を実現したほか、コネクティッド機能や自動運転技術も装備している。

ハイテク派なら見逃せない! 今買いの次世代パワーユニットモデル

HV

ハリアーハイブリッドの画像


[トヨタ]ハリアーハイブリッド(先々代型)
中古車中心相場 70万から110万円
THS2と呼ばれるハイブリッドシステムを搭載。前後輪をパワフルなモーターで駆動させる4WDで、SUVならではの優れた走破性と力強い走りを実現する。


五味氏も太鼓判!
 過去に所有していた初代ハリアーハイブリッドの革新性は、今でも強く記憶している。SUVボディに3.3LV6エンジン+ハイパワーモーターによる強烈な加速力と、静かにも走れてしまう二面性を詰め込んだ電動化の可能性を強く示した1台。その後ハリアーハイブリッドは売れ筋になるべく、直4エンジンになったので初代がイチ推し。

PHEV

プリウスPHVの画像


[トヨタ]プリウスPHV(現行型)
中古車中心相場 210万から340万円
大容量リチウムイオン電池を搭載し、プラグインハイブリッドシステムの効率化を図ることで、EV走行距離では最高で68.2kmを達成。最新鋭の機能も充実。


五味氏も太鼓判!
 ソーラーパネルにより青空駐車場に1週間止めておくと、夏場なら20km程度の走行エネルギーが溜まる充電機能付きの2代目プリウスPHVがオススメ。もちろん外部充電が可能で、電動ドライブをハイブリッド以上に積極的に堪能できるPHVとしての魅力もあるが、使用環境によっては無充電&無給油という夢の使い方ができる。

EV

モデルSの画像


[テスラ]モデルS(先代型)
中古車中心相場 440万から960万円
革新的な機能を多数備えた電気自動車で、走りや操作性など、すべてが既存のクルマと一線を画している。高額車両とあって中古車相場は高めに推移している。


五味氏も太鼓判!
 初代テスラモデルSも所有していたクルマでありオススメの1台。EVなので充電が煩わしくもあるが、スマホだけで駐車できる機能や、ブレーキを踏むだけでイグニッションが入る造りなど、既存のクルマとは異なる要素満載で、ガラケーからスマホに乗り換えたときのようなインパクトがあったし、クルマに対する価値観も激変する。


次世代車購入に向けて知っておきたいポイントとは?

次世代カーの画像

環境に優しいだけでなく、既存の内燃機関とは明らかに違う性能がもたらす楽しさや高揚感を味わえるところに、次世代車の魅力や価値がある。


性能や利便性が向上して現実的な選択肢になった
 次世代車を買おう! と思ったとき、以前ならば、充電施設をはじめとしたインフラが整っていなかったり、航続距離の短さゆえにクルマとしての使い勝手に問題があるなど、ユーザーは何らかの不便を強いられることが多かった。しかし、今どきの次世代車は、商品としての完成度が一応の水準に達しており、走行性能については内燃機関車と差がほとんどない。また、機能や性能のわりに高すぎた価格も普及が進んだことによって手の届くところまで下がって現実的な選択肢となった。
 しかも、次世代車の購入には税制優遇をはじめとした消費者の需要を換起するための政策や、幅広い分野での利用促進を喚起する取り組みも行われており、次世代車の購入をためらう要因は数年前とは比較にならないほど解消されている。

FCV戦線異状なし? 先代型MIRAIは中古で買えるのか?

MIRAIの画像


市場での流通は少ないが状態のいい車両が選べる
 初代MIRAIは14年12月から20年6月まで生産され、累計販売台数は6年間で1万台程度と言われている。最新鋭のパワーユニットを搭載した究極のエコカーとして話題を集めながら、販売が振るわなかった理由として、利便性の悪さ、補助金を使っても500万円台という高額な購入価格、さらに奇抜なデザインなどが挙げられる。
 先代型の中古車をグーネットで調べてみると、流通台数は49台(3月現在)。6年間生産されたトヨタ製のクルマとしては極めて少ない。しかし、不人気車種であることや新型が登場したことが影響して、中古車価格は200万円を下まわる物件も多く、新車時価格を鑑みるとかなりお手頃だ。しかも年式のわりに走行距離が少なく車両の状態がいい物件が多いので、物件選びでの不安は少ない。自宅付近に水素スタンドがあるなら、一考の価値はある。


[トヨタ]MIRAI(先代型)
中古車中心相場 160万から210万円
2014年に登場すると、世界初の量産型燃料電池車として注目を集めた。高額なうえに受注の大半が企業や官公庁だったこと、利便性という点で躊躇する人も多く、普及はいまひとつだった。

物件を選ぶ際の注意点は?

法人利用がほとんどなので、車両の状態は一般的なクルマに比べると良好な物件が多い。購入時は車両の状態よりも、自宅近隣に水素を充填できる施設の有無をあらかじめ確認しておくことが重要となるだろう。

  • icon 水素自動車の仕組み

    水素自動車の仕組み画像

    水素と酸素が化学反応を起こした後、クルマから排出されるのは水だけ。空気を一切汚すことなく走行可能。

    水素と酸素の化学反応によって発電した電気エネルギーで、モーターを駆動させて走る。ガソリン車と比べてエネルギー効率が高く、なおかつ電気自動車よりも航続距離が長く、充填時間が短いというメリットがある。

  • 水素自動車の仕組み画像

    水素と酸素が化学反応を起こした後、クルマから排出されるのは水だけ。空気を一切汚すことなく走行可能。

今できる自動運転


進化を続ける次世代技術、安全運転支援にも効果大
 自動運転機能は、次世代パワーユニットとともに各メーカーが開発に注力するハイテク技術だ。20年に国内で自動運転レベル3が解禁となり、ホンダが「トラフィックジャムパイロット(渋滞運転機能)」を市販車に搭載するなど、運転の自動化がリアルになった。完全自動化に向けては、道路インフラや法制度などクリアすべき課題が山積しているが、クルマ側で認識や判断、操作する技術は年々高度化されている。
 現時点では将来的な自動運転につながる運転支援機能が身近なクルマに採用され、機能や便利さが広く認知されている。安全運転に貢献する機能なので、中古車購入時もこうした機能の有無を確認して選びたい。

  • レヴォーグの画像

    スバル レヴォーグ
    現行型レヴォーグのアイサイトX装着車は、ハンズオフでの走行が可能だが、50km/h以下の渋滞時に限られている。

  • スカイラインの画像

    日産 スカイライン
    カーナビで目的地を設定すると、ルート走行中の車線変更と分岐、追い越し時の車線変更を支援できるほか、同一車線内でのハンズオフ機能も備えている。

  • レジェンドの画像

    ホンダ レジェンド
    自動運転レベル3に適合する技術を搭載。高速道路の渋滞時をはじめ、一定条件下で、システムがドライバーに代わって運転操作を行うことが可能となっている。

もう一度学ぼう 自動運転レベル


レベル0
自動運転の機能を有しておらず、ドライバーが走行中のすべての運転操作を行う。警告や介入システムにより支援されている場合も含む。
レベル1
加減速の制御、またはハンドル操作による左右の制御のどちらかの監視と対応をクルマが行い、それ以外の運転操作はドライバーが行う。
レベル2
ハンドルと加減速をシステム側で操作できる。制御範囲はシステムによって差があるため、運転手がシステムを常に監視する必要がある。
レベル3
自動運転システムが走行中のすべての操作を行う。手動運転への切り替えなど、運転者はシステムの要請に対して適切に対応する必要がある。
レベル4
一定の区域や自動車専用道路など、走行する場所や走行速度、さらに天候や環境も含め、条件が揃った場合に無人走行を可能にできる。
レベル5
運転手を必要とせず、走行するエリアについての制限もなく、あらゆる場所、道路において自動運転システムが運転操作を代行する。

だってこんなに気持ちいいじゃないか! 魅惑のエンジン大研究

およそ130年もの間、人類が親しんできたのが内燃機関、エンジンだ。ちょい古モデルには、ハイブリッドなどついていない、素のエンジンの魅力がある。では、現状主流の3つのエンジン形式それぞれの魅力を、前出の鈴木直也氏に紹介してもらおう。

icon ターボエンジン

R34型GT-Rエンジンの画像

R34型GT-Rに搭載されるRB26DETTは、傑作として名高いターボエンジンのひとつ。車体を押し出すような強大なパワーを感じられた。


国産スポーツでみられたドッカーンという爆発力
 ターボの技術はここまで進化したのか!? それをイヤというほど実感できるのが、たとえばレンジローバー・ディフェンダーだ。
 2t近い巨体SUVを400Nmのトルクでグイグイ加速させるのは、わずか2.0Lの直4ターボ。ほぼアイドリングから立ち上がる超フラットで強力なトルクカーブが最新ダウンサイズターボ技術の真骨頂だ。
 一方、ちょい古めのターボの醍醐味はこれとは真逆。強力なターボほど圧縮比が低くターボラグも大きめ。その代わり、いったんブーストが上昇し始めてからのドッカーンという爆発力が、NAでは絶対に得られないターボの醍醐味だった。  R34GT-R、80スープラ、RX-7など、20世紀生まれの国産スポーツターボはこのタイプ。ジャジャ馬で乗りこなすのが難しいけれど、むしろそれがおもしろかったのだ。
 最新のGRヤリスあたりは、その片鱗を思い出させてくれて最高だね。

icon NAエンジン

NAエンジンの画像

スポーツモデルに搭載されるNAエンジンの多くが高回転型でレスポンス重視。ハイブリッドのようにモーターがなくても燃費性能は高め。


高回転まで回したときの気持ちよさとその咆哮
 現代のエンジンは燃費が最重要課題。フリクションの少ない中低速回転域のトルクを高め、そのゾーンをCVTなどでキープして走らせる。NAガソリンエンジンは、とりわけそこに専念している。
 しかし、走りを楽しむという意味では、昔のNAスポーツエンジンのほうがずっとおもしろかった。
 NAでパワーを出そうと思ったら、回転を高めるのが唯一の方法。ホンダのVTECが典型だが、各社とも高回転までブン回す技術に磨きをかけていた時代があったのだ。  リッターあたり100psを超えるNAエンジンが、可変バルタイによりパワーゾーンに到達したときの咆哮。一度味わってみてほしいなぁ。

icon ディーゼルエンジン

ディーゼルエンジンの画像

現代でも生き残るために環境性能を向上させたのがクリーンディーゼル。ハイテク時代になっても、エンジン本来の魅力を味わえる。


圧倒的なトルク感で運転の気持ちよさは随一
 時代が要求する厳しい燃費基準をクリアし、そのうえ内燃機関らしい活き活きしたドライバビリティが味わえる……。現代のクリーンディーゼルは、唯一生き残った「エンジンらしいエンジン」といっていい。
 しかし、それを実現するために支払った代償は大きい。ターボが必須となったことをはじめ、超高圧の電子制御直噴インジェクター、尿素SCR触媒などの複雑な排ガス処理システム、微細なススをトラップするフィルターなど、複雑な補機類のカタマリなのだ。
 昔は「農耕馬」のイメージだったディーゼルは、サラブレッド並みの走りを手に入れたが、コストもサラブレッド並みになったのが悩みですね。

教えてちょい古派の人!  クルマの達人が選ぶちょい古カー、 リスク回避の方法、維持の仕方とは?

毎年、ハイテクモデルが次々に登場しているなかで、90から00年代の国産スポーツカーを現在も所有し続ける人は存在する。ちょい古モデルの魅力について、クルマのプロでもあるオーナー2人に話を聞いた。

icon 一緒に頑張って走ってるライブ感が濃い

RX-7の画像


[マツダ] RX-7(FD3S型)
中古車中心価格帯 240万から500万円 3代目となるRX-7。美しいデザインのボディにロータリーエンジンを搭載し、研ぎ澄まされた走りを味わえる。カーマニアの間での愛称はその型式にちなんで「FD」。

FDとの付き合いはかれこれ20年になります。持ち続けている理由は、半ば腐れ縁的なところでもあるのですが、あえて一番を挙げるとすれば、カッコいいからではないでしょうか。すみません……子どもみたいな理由で。
 僕にとってロータリーというキーワードは絶対ではなく二の次です。でもこの形も、キレのいいハンドリングも、FDの美点はロータリーがゆえであることもよくわかります。
 もちろん、安全に速く、燃費もよくて快適と、今のクルマには敵わないことは山ほどあります。でもクルマと一緒に頑張って走ってる、そういうライブ感はちょっと昔のクルマのほうが濃いことは間違いないですよね。あと、手軽な領域で遊べるっていうにはFDも十分速すぎると思いますが、そういう気安さがあるのも同年代のクルマのよさでしょうか。
 FDは近頃懸案だった欠品部品も復刻されたりと、部品供給の面ではメーカーも頑張ってくれてますし、専門知識を持ったショップもいっぱいありますから、当面の維持は心配していません。ロータリーは熱が凄いんで、夏場は乗らない、乗ったらボンネットを開けて熱抜きするようにしているくらいでしょうか。

  • 渡辺敏史さんの画像

  • 渡辺敏史さん
    フリーの自動車評論家。出版社での編集経験を経て独立。毎年、国内外を駆け回り数多くのモデルを試乗しており、マニアックでありながらもわかりやすい文体に定評がある。

icon 特別感や気持ちよさに溢れています

スカイラインGT-Rの画像


[日産] スカイラインGT-R(R34型)
中古車中心価格帯 1300万から1500万円 第2世代GT-Rの最後のモデル。同時代のモデルはことごとく相場が高騰しているが、特に貴重な存在である同車の相場は天井知らず。程度のいい物件を探すのもひと苦労。

もともとR34のセダンに乗っていたんですが、やはりGT-Rには憧れがありました。10年くらい前にたまたま同僚が取材した店に出物があったので、即決しましたね。購入費用を捻出するのが大変でしたけど(笑)。
 ほぼノーマルですが、このクルマには特別感みたいなものがありますし、エンジンの気持ちよさや澄んだ排気音など、魅力に溢れています。
 ただ、他のモデルに比べたら恵まれているほうだと思いますけど、やはりパーツの流通在庫がなくなってきて高価なのが難点ですよね。

  • 飯嶋 穣さんの画像

  • 飯嶋 穣さん
    自動車雑誌としては日本最大の発行部数を誇る『ベストカー』。この春、同誌の新編集長に就任した飯嶋氏は、雑誌編集者として20年超のキャリアを持つ。一児のパパ。



ハイテク派もちょい古派も納得の一台を選び出す 乗って楽しいハイブリッド、あります!

最後に紹介するのは、今や日本市場の本命となっているハイブリッドカー。そのなかでもしっかり気持ちよさを味わえるモデルをチョイスした。マニアックなちょい古派も満足させるハイテクハイブリッドって?

  • 清水草一の画像

  • 自動車評論家 清水草一
    最近は安全技術搭載車の必要性を訴えるベテラン評論家。ハイブリッドカーはもちろん、軽自動車からフェラーリまで数多くの車種を購入してきた。

ハイブリッドカーには、エンジンとモーターという、ふたつの動力源がある。走行に際しては、効率が最良になるよう、そのふたつを自動的に使い分けるが、その制御は男女関係のように複雑かつ深淵だ。それらを感じながら走るとき、ハイブリッド車の醍醐味が味わえる。
 もちろん燃費のよさは直接的な実利。ドライブのたびに燃費計の数値を見るのが楽しみになる。
 また、多くのハイブリッドカーがハイブリッド用バッテリーを床下に配置しているので、重心が低くなり、ハンドリングに好影響を与える点も見逃せない。

フィットの画像


[ホンダ]フィット(先代型)
中古車中心相場 30万から170万円
フィットとしては3代目となるモデルで、2013年に販売された。昨年のフルモデルチェンジで現行型が登場したことで、相場も下がりつつあり、ねらい目となっている。

ここが楽しい!

トヨタのハイブリッドカーの弱点は、電気式無段変速の採用で駆動のダイレクト感に欠けることだ。しかしホンダのスポーツハイブリッド i-DCDは、7速DCTと組み合わされ、ガソリンエンジン車のような段付きの、ダイレクトな駆動が味わえる。最も流通台数が多くて万人向けなのは、先代フィットハイブリッドになるだろう。初期モデルはリコールを連発させたが、徐々に問題は解消され、後期ほど熟成されている。特に17年6月のマイナーチェンジ以降のモデルは、ボディやサスも強化されて、非常にいいクルマになっている。

アクアの画像


[トヨタ]アクア
中古車中心相場 20万から190万円
デビュー前はプリウスのコンパクト版として騒がれたハイブリッド専用車。2011年から販売され続けているロングセラーモデルでもある。SUV風グレードもラインアップする。

ここが楽しい!

アクアは現行モデルだけに物凄い多くの台数を街で見かけるが、そんなフツーなモデルでありながら、非常にハンドリングのいい、クルマ好きを唸らせる操縦性を持っている。ハイブリッド用バッテリーを後席の下に搭載するため重心が低く、前後重量バランスも良好。私は初期モデルを購入したが、いつもそのシャープなハンドリングには感心させられた。あのハンドリングだけで飽きずに4年半過ごすことができた私としては、足まわりがスポーティな超初期モデルか、自動ブレーキが装備された最後期モデル(18年4月から)をすすめたい。

RXの画像


[レクサス]RX(先代型)
中古車中心相場 100万から270万円
2009年から2015年まで販売されたクロスオーバーSUVの先代モデル。ハイブリッドの450hのほか、3.5LV6エンジンや2.7L直4エンジン搭載車も設定。

ここが楽しい!

レクサスのSUVの事実上のトップモデル、それがRXである。このクルマの魅力は、なんといっても乗り心地のすばらしさ、快適さにある。10年落ち前後の先代RXなら、最上級のRX450hも150万円程度で探すことができる。先代RXの前期モデルは、スピンドルグリルは付かないが、見た目のセレブ感は現行型とも大差ない。この価格帯で乗り心地のよさとこれだけのセレブ感が味わえるクルマはなかなかない。ハイブリッドといえども燃費は大したことないが、パワフルだし、それ以上の価値がある。

まとめ

新旧イメージ画像


「人より早く」乗るか「今のうちに」乗るべきか
 どうやらこの先、30年代にはエンジンだけで走るクルマの新車販売が終了する流れになっているようだ。時代は確実に電動化へ歩み始めている。そうなると、クルマ好きとしては、なんとか「今のうちに魅力的なエンジン車に乗っておきたい」という思いも頭をよぎってくる。
 なによりちょい古モデルは、時間の経過とともにコンディションのいい物件が少なくなってくる。早めの決断が運命を分ける切実な問題として迫ってきている。  ハイテクかちょい古か。どちらの魅力もよくわかっているクルマ好きにとっては究極の選択だ。ただ最後は、自分のこれからのライフスタイルをよく考えながら、今の自分が買えるものを選び出し、あとになって後悔のない選択をしてほしい。


※中古車価格はグーネット 2021年3月調べ。記事中の価格は参考であり、中古車価格を保証するものではありません。

グーネット編集部

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グーネット編集部

クルマの楽しさを幅広いユーザーに伝えるため、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど 様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。 みなさんの中古車・新車購入の手助けになれればと考えています。

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