【グー連載コラム】猪爪杏奈の気になる こんなパーツあんなパーツ

クルマのなかでも重要なパーツのひとつ『ブレーキパッド』は、中古車を購入する際はぜひともチェックをしたい。消耗品のため、もしすり減っているようであればこの記事を見て自分に合ったモノを選ぼう。
（掲載されている内容はグー本誌2021年5月号の内容です）

アフターパーツのトレンドを探り、クルマの楽しさを伝えていく本企画。今回はイマドキのブレーキパッド事情を探るべく「IDI」さんで取材をしてきました！
猪爪　まず最初に、ブレーキパッドとは主にどのような役割をはたすアイテムになりますか？
稲垣　ザックリとした言い方になりますが、ブレーキはローターをキャリパーにセットされたブレーキパッドで挟み込み摩擦を加えることで速度を落とします。当然、クルマが止まらないと事故につながるためパッドは重要なアイテムになります。
猪爪　そうなると、ブレーキパッドは制動力が高いものがよいということでしょうか？
稲垣　はい。制動力の高さももちろん大事ですが、特に日本では“低ダストタイプ”の人気がありますね。
猪爪　ダストってなんですか？
稲垣　ダストとはブレーキをかけた際に、パッドとローターが摩擦することで発生する削りカスや鉄粉のことを言います。
猪爪　最近、アルファロメオのミトに乗り換えたのですが、ホイールが黒くなっていることが多く驚きました。あれがそうなんですね。
稲垣　欧州車はダストが出やすい傾向があるかもしれませんね（笑）。そのまま放置していると、錆びて汚れが落ちにくくなってしまいますよ。
猪爪　えー困ります！　どうにかならないんですか？
稲垣　そのために作られたのが低ダストパッドなんです。日本人のオーナーは特にクルマを大事にする方が多いので、弊社では制動力があり、ダストが出にくい“低ダストタイプ”に力を入れた製品を展開しています。
猪爪　ブレーキパッドを選ぶときに注目するポイントを教えてください。
稲垣　安全性の確保はもちろんですが、製品の特性によってドライブの快適性も変わるということを理解していただきたいです。弊社は同じストリート向けのブレーキパッドでも性能が異なる製品をラインアップしています。たとえば、「D300」は制動効果を犠牲にすることなく、ダストを軽減しながらも扱いやすい初期制動が特徴です。「D350」は、ダストを軽減しつつ純正以上の制動効果を発揮してくれる大径ホイール向けの製品となっています。このように特性が違うので、ご自身の運転と照らし合わせて選ぶことをオススメします。
猪爪　クルマの特性を理解して、最適なブレーキパッドを選ぶことが大切なんですね。ブレーキパッドって目立たないですけど、とても重要なパーツなので日々の点検を忘れないようにして、自分好みのモノを見つけたいですね！

［IDI］Street Sports D350
価格：1万4000円（税別）から
制動力を犠牲にすることなくブレーキダストを大幅に軽減したモデル。マイルドな初期制動と違和感のないコントロール性で扱いやすさを求めるユーザーに最適。

レースでも実績のあるブランド
　私自身もスーパー耐久レースやフォーミュラ4レースで愛用し、お馴染みのIDIさん。電子制御への対応や、効きはしっかりしているのにダストが少ないパッドの開発など苦労されているお話を聞き、今回、ブレーキパッド製作の奥深さを改めて学びました。過酷なレースの現場でIDIさんのパッドを使用し、そのおかげで優秀な成績をたくさん残してこられました。信頼と実績のあるブレーキパッドなので、みなさんのカーライフにもぜひオススメしたいです！