【ホンダ レジェンド】ホンダの最上級セダンが100万円台!? 現行型の買い時到来！

　ホンダのフラッグシップセダンとして、1985年に登場したレジェンド。当時、日本市場でのホンダ車はアコードが最上級モデルだったが、レジェンドはその上に位置するモデルとしてデビューした。ホンダ初の3ナンバー車であり、ライバルのトヨタ クラウンや日産 セドリックは駆動方式がFRなのに対し、レジェンドはエンジン横置きのFFレイアウトを採用していた。1987年には、国産車初となるSRSエアバッグシステムを設定するなど、当時としては最新の安全装備も特徴だった。

　1990年には2代目レジェンドが登場。国産車初の助手席エアバッグ、シートベルトプリテンショナーを採用するなど、初代からさらに安全性が向上。パワートレインは「FFミッドシップ」と称した横置きから縦置きに変更され、理想的な前後重量配分となったことも見逃せないポイント。そして1996年には3代目に進化。エンジンレイアウトは先代同様FFミッドシップを踏襲し、内外装はよりモダンなものとなった。

　2004年、レジェンドはフルモデルチェンジを受けて4代目となった。この世代では、新開発の「SH-AWD」を採用したことが大きなトピック。トルク配分を最適化し、走行性能が大幅にアップした。また、歩行者を検知しドライバーに知らせる世界初の「インテリジェント・ナイトビジョンシステム」が採用されたこともトピック。先進技術が満載のハイテク高性能セダンであり、最高出力はそれまでの自主規制（280馬力）を初めて超え、300馬力に達した。

　そして今回のテーマである5代目レジェンドが、2015年２月に発売された。先代の「SH-AWD」を進化させた3モーターハイブリッドシステム「SPORT HYBRID SH-AWD」を採用し、走行状況に応じFWD、RWD、4WDを切り替えられるのが特徴。エンジンは直噴式の3.5L V6を搭載し、モーターを内蔵した7速DCTを組み合わせる。さらに車体後部に2つのモーターを内蔵したTMU（ツインモーターユニット）と高出力リチウムイオン電池を採用。また、世界初となる「歩行者事故低減ステアリング」、事故を未然に防ぐ「HONDA SENSING」を搭載。初代から続く先進安全装備が、現行世代でも多数盛り込まれた。

　まずは現行型の改良遍歴を振り返ってみたい。今年で丸5年以上経過しているが、改良が行われたのは一度。デビュー当時のラインアップは、「レジェンド」のモノグレード構成となっており、新車時価格は680万円。2015年2月当時、トヨタ クラウンの新車価格帯はおよそ360万円-600万円という価格帯だったから、それと比べてレジェンドは割高感が否めなかった。

　2018年2月、レジェンドはマイナーチェンジ。エクステリアは、前後バンパー形状が一新され、ロー＆ワイドで力強い印象となった。またヘッドライト、テールランプのデザインもリニューアルされている。インテリアは、シート形状が大幅に変更され、ホールド性と快適性を両立。インパネまわりの意匠を変更し、カラーバリエーションも追加された。また、インテリジェント・パワー・ユニット（IPU）の小型化により、トランク容量は13L拡大されたほか、パワートランクも採用。走りについては、シャシーセッティング、「SPORT HYBRID SH-AWD」が熟成され、ハンドリング性能と乗り心地を進化させた。なお、グレード名として「ハイブリッドEX」いう名称が与えられたほか、「HONDA SENSING」に渋滞運転支援機能を採用したこともトピックである。それらを踏まえて、年式別中古車平均価格を見ていこう。

　物件数は全体的に少なめ。特に、ライバルのトヨタ クラウンに比べると非常に少なく感じてしまう。しかし相場は全体的に下がっており、特にデビュー年となる2015年式は全体の半数近くを占めている。この年式の中古車平均価格は274万円とリーズナブルだ。なかには100万円台の物件もあり、以前と比べてかなり相場が下がったといえよう。

　グレード構成は、前述のとおりモノグレードとなっており、特別仕様車や限定車も存在しない。2018年のマイナーチェンジ以降、グレード表記が「ハイブリッドEX」となり、これを見ることで前期型か後期型かを判断できる。ここでは、それぞれの中古車平均価格を見ていこう。

　マイナーチェンジ前後で相場が100万円近くも異なるため、ねらうなら前期型（つまりベースグレード）。基本的に、流通するクルマの仕様にほとんど差はないが、ボディカラーはホワイトやブラックなど、落ち着いたカラーが目立つ。ただし、前期型でも低価格で販売しているものは、車検がなかったり、走行距離が伸びているものが多い。車両本体価格だけにとらわれず、これらの条件も加味したクルマ探しが必要だ。

　発売当初、クラウンよりも高価な高級セダンが、今ではクラウンとほぼ同額かそれ以下にまで相場が下がったホンダ レジェンド。3モーターハイブリッドというハイテクなモデルで、走りの性能も一段と高まった現行型が200万円台の予算で手に入るのは注目に値する。クルマ選びの候補として、ぜひ検討したい1台だろう。