行楽シーズンに多い車のトラブルとは？旅行前にやっておくべきメンテナンス

行楽シーズンによくある車のトラブルを、高速道路、一般道に分けて紹介します。

行楽シーズンには、長距離移動に便利な高速道路でも車のトラブルが多発します。高速道路で特に多いトラブルが、タイヤのエア不足、パンク、バーストなどのタイヤ関連のトラブルです。燃料切れや交通事故のトラブルも、一般道より高速道路で起きやすい傾向があります。

高速道路上でトラブルが起きた場合に備えて、適切な対応を覚えておきましょう。高速で走行する車が行き交う高速道路では、トラブル後のわずかな不注意がさらなる事故を招く可能性があります。

高速道路でトラブルが起きたときには、以下のポイントを意識しましょう。

車を停止させる場合は速やかに車を路肩に寄せ、停止表示器材を設置する
運転手と同乗者は、ガードレールの外側などの安全な場所に待機する
事故で車が動かない場合は、乗員は安全を確保しながら路肩へ避難する
安全な場所に避難できてから、110番、非常電話などで通報する

一般道の場合、過放電バッテリー（バッテリー上がり）のトラブルが最も多く、次いで多いのがタイヤのバーストやエア不足などのタイヤ関連トラブルです。また、キーの閉じ込みや落輪など、一般道に特有のトラブルもあります。

せっかくの行楽シーズンにトラブルを起こしてしまわないよう、車で旅行に出かける前に、以下のようなメンテナンスを済ませておきましょう。

タイヤは、高速道路・一般道ともにトラブルの発生しやすいパーツです。タイヤの溝の摩耗、ひび割れ、空気圧、ホイールの歪みなどを目視でチェックしましょう。タイヤの空気圧は徐々に抜けていくため、定期的にチェックする習慣を付けることが大切です。

また、タイヤのひび割れは経年劣化が進んでいることの証拠です。そのまま高速走行するとタイヤがバーストしてしまうので、ひび割れが見られたらタイヤを交換しましょう。

バッテリーの点検では、バッテリー液の量、端子の劣化、バッテリー側面の膨らみなどをチェックします。休日だけ車を運転する場合にはバッテリーの寿命が短くなりやすいので、特に注意が必要です。もしチェック方法がわからない場合は、カー用品店などに足を運び、プロに状態を調べてもらうとよいでしょう。

また、万が一のバッテリー上がりに備えて、ブースターケーブルを用意しておくと安心です。

エンジンのトラブルを防ぐため、エンジンオイルの量と冷却水の量をチェックしましょう。オイルの量は、ボンネット内にある専用のゲージを引き抜くと確認できます。オイルの量がゲージの印よりも少ない場合、オイルの補充もしくは抜き取りを行ないましょう。

オイル交換の時期は走行距離を目安とすることができ、車種によって以下のように異なります。

ディーゼル車：5,000km～2万km
ガソリン車：1万5,000km
ガソリンターボ車：5,000km

車種とオイルの劣化状況に応じて、早めにオイルを交換することも大切です。オイル交換と同時に、オイルフィルターも交換するとよいでしょう。

また、エンジンを冷やす冷却水の量が少ないとオーバーヒート状態になり、エンジンの焼き付きや火災の原因になります。冷却水のメーターがFULLとLOW（またはMAXとMIN）の中間にあるかを確認してください。下限より少ない場合や、下限に近い場合には冷却水を補充しましょう。

近年はガソリンスタンドの数が減少傾向にあります。旅行先でスタンド探しに苦労することがないよう、出発前にガソリンを満タンにしておくことをおすすめします。

夏はエアコンでバッテリーを消費しやすいため、夏休みやお盆休みに車で出かける場合は、バッテリーを重点的に点検しましょう。

また、エアコンフィルターを長らく交換していないとホコリや花粉などで目詰まりを起こし、カビ臭くなりやすいだけでなく、エアコンの効きも悪くなります。快適なお出かけのためにも、事前にエアコンフィルターを交換しておくとよいでしょう。

冬には、夏とは別の注意点があります。冬季に暖房のためにアイドリングをすると、エンジンオイルの性能が低下します。アイドリングはエンジンを酷使するため、オイルが黒くなっていないか確認しておきましょう。また、冬に凍結防止用の粘度の高いオイルを入れた場合、春には元の粘度のオイルに戻す必要があります。

その他にも、冬にはフロントガラスの凍結や霜を除去する必要があるため、ワイパーゴムの状態とウォッシャー液の量も旅行前に確認しましょう。

多くの人が遠出する行楽シーズンには、車のトラブルが多くなります。高速道路と一般道路で起きやすいトラブルは異なりますが、共通して発生しやすいのが、タイヤ関連トラブルと過放電バッテリーです。

また、高速道路ではトラブル後の不注意が、さらなる事故を招くこともあります。高速道路上でトラブルが起きた際には、本記事で紹介したような適切な対応をとることが大切です。

楽しいお出かけ中に思わぬトラブルを起こさないために、旅行前にはしっかりと車のメンテナンスを行ないましょう。タイヤ周りは目視で状態をチェックし、タイヤの劣化が進んでいる場合には交換することをおすすめします。

バッテリーやエンジンオイルなど車の内部にあるパーツの点検は、カー用品店などに点検を依頼すると安心です。季節ごとの注意点も踏まえ、車を万全の状態に整えてから楽しい旅行に出発しましょう。