輸入車
更新日:2020.08.05 / 掲載日:2020.08.05

マセラティ|ブランドヒストリー vol.4|

文●ユニット・コンパス 写真●マセラティ
※中古車参考価格はすべてグーネット2020年7月調べ。
※写真は一部本国仕様の場合があります。
(掲載されている内容はグーワールド本誌2020年9月号の内容です)


イタリア人にとって特別な存在であり続けるマセラティ。そこには、マセラティが歩んできた歴史と伝統が深く関係している。

国家の威信をかけたレースでの活躍

 欧州のブランドには、モータースポーツでの活躍がその歴史に大きな影響を与えていることが多いが、それにはもちろん理由がある。
 19世紀末に発明された自動車は、20世紀初頭になると、その性能をレースという場で競い合うようになる。当時のレースは国別対抗戦の要素が高く、その勝利は工業力の高さ、つまり国力の高さの証明でもあった。
そのため、欧州ではとくにレースへの国民的な関心が高く、高性能なレースカーを作るブランドは国民的な人気を得ることとなった。
 1914年にマセラティ3兄弟が創業したマセラティは、まさしくレースを闘うために作られたブランドだった。当時は第一次世界大戦の真っ只中。そんな最中、イタリアのナショナルカラーであるレッドに彩られたマシンが勝利したことで、イタリアの国民は大いにプライドを満たすことができたわけだ。
 マセラティの成り立ちは、非常にイタリア的だ。機械工学に情熱と才能を持つマセラティ兄弟が立ち上げたのは、大企業が作る流れ作業の工場ではなく職人技が光るレーシングカー工房。トレードマークも兄弟で唯一エンジニアにならなかった画家のマリオが制作に貢献している。家族の絆、職人的なこだわり、芸術的な才能。マセラティは、まさにイタリアそのものと言える。
 100年の時を経て、職人工房から世界的な企業へと成長したマセラティ。だが、そのDNAは現代にも受け継がれている。
 彫刻的な美しさでラグジュアリーを表現したスタイル、職人の手仕事を思わせるインテリアの素材選びと作り込み、そしてレーシングカーのような高い走行性能。
 現在、世界70ヵ国以上の市場で販売されているマセラティ。電動化といった時代の要請に柔軟に対応しながらも、その存在は、ブランド創業当時と変わらず、イタリアの象徴として位置付けられている。

トライデントを掲げるレースカーはイタリアのプライドそのものだった

 創業は1914年。マセラティ3兄弟によるレーシングカーのチューニングからスタートしたマセラティの歴史。当時、国別対抗戦の意味合いが強かったレースで、彼らが手掛けたマシンは多くの勝利をイタリアに届け、その名声は広がった。ブランドシンボルであるトライデントは勇気と強さの象徴で、ボローニャ市の紋章でもある。

[CLOSE UP]モータースポーツ界にさきがけるスポンサーカラーの初導入

 ヨーロッパで初めてナショナルカラーではなく、企業スポンサーのカラーリングを施してレースに出場したのが、1958年の「エルドラド」。ステアリングを握ったのは名手スターリング・モスであった。現在開発中のスーパースポーツ「MC20」のプロトタイプには、敬意を込めてスターリング・モスの名前が描かれている。

  • 国の威信をかけて争われたレースで活躍したイタリアンレッド

     戦前を代表するレースであるタルガフローリオで活躍したティーポ6CM。国威発揚のために巨額の資金を背景にモンスターマシンを開発してきたドイツ勢に対抗し、数多くの勝利を国民に届けた。

  • レーシングカーブランドから高級乗用車への転機となった1台

     レーシングカーを作るブランドであったマセラティにとって、初めての4ドアモデルがこの初代クアトロポルテ。イタリア語で「4つのドア」という命名もユニーク。全長5mで極めて豪華な室内を誇る。

  • 強調(枠線):高級ブランドの威信をかけて開発した豪華版が現代に復活

     マセラティは今年、ギブリやレヴァンテなどに「ロイヤル」という豪華シリーズを追加したが、そのモチーフとなったのがこちら。1986年の3代目クアトロポルテに設定されていたロイヤル。

  • 強調(枠線):スポーツカーブランドの血統を証明したスーパースポーツ

     ブランド創立90周年を記念して開発されたスーパースポーツがMC12。メカニズムの基礎はエンツォフェラーリで、圧倒的な性能を発揮した。レース活動ではFIA GT選手権にて総合優勝も獲得している。

いまオススメの中古車で探せる[マセラティ]

クアトロポルテ

 2013年から発売されている同社のフラッグシップセダン。時代の要求に答えるべく、排気量をダウンサイズしながらもターボにより性能を追求。中古車相場もこなれており、これからが旬。
中古車参考価格帯:400万円~1300万円(13年~20年 クアトロポルテ全グレード)

ギブリ

 抑揚のあるスタイルゆえに小柄に見えるが、実際は堂々たるサイズを誇る高級スポーツセダン。現行モデルはすでに熟成の領域にあり、中古車市場での人気も高い。5年落ちくらいがねらい目だ。
中古車参考価格帯:350万円~900万円(13年~20年 ギブリ全グレード)

グラントゥーリズモ

 長きにわたりマセラティのスポーティイメージを牽引してきたグラントゥーリズモ。年式により多少の仕様違いはあるものの、FRスポーツらしいピュアなハンドリングは共通。中古車物件も豊富。
中古車参考価格帯:430万円~1600万円(07年~20年 グラントゥーリズモ全グレード)

レヴァンテ

 いまもっともマセラティ車のなかで売れているのがSUVのレヴァンテ。もちろん、豪華なインテリアとスポーティな走行フィーリングが表現されている。中古車は台数が増加傾向でこれからに注目。
中古車参考価格帯:600万円~1500万円(16年~20年 レヴァンテ全グレード)

クアトロポルテ(先代)

 イタリア車ならではのエレガンスとスポーティネスが融合したスタイリングで世界的に人気となった先代クアトロポルテ。年式ゆえに価格が手頃になったが、コンディションを見抜くことが大切。
中古車参考価格帯:180万円~520万円(04年~13年 先代クアトロポルテ全グレード)

グランカブリオ

 グラントゥーリズモのオープン版であるグランカブリオ。圧倒的なパワー感にオープンモデル特有の爽快感が味わえるまさしく贅沢な1台。新車価格も高額なため、中古車物件は希少で高値傾向。
中古車参考価格帯:880万円~1800万円(10年~20年 グランカブリオ全グレード)

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