輸入車[2020.06.18 UP]

【試乗レポート ジープ チェロキー】抜群のサイズ感に本格的な悪路走破性を詰め込んだSUV

ジープ チェロキー トレイルホーク ジープ チェロキー トレイルホーク

文●九島辰也 写真●ユニット・コンパス

 ジープの販売が好調だ。2019年の国内登録台数は1万3354台。前年比16.8%増となっている。そのうち4873台がラングラーというのがユニーク。2018年にフルモデルチェンしたとはいえ、大躍進である。このほかでは、コンパクトSUVのレネゲードやコンパスも順調だが、フルサイズSUVカテゴリーでグランドチェロキーがドイツ勢を抑え一位に輝いている事実もある。どうやら全方位でジープは好調のようだ

 では、チェロキーはどうか。2018年10月にマイナーチェンジを受けたこのクルマもいたって元気。個性的なジープファミリーのなかでは地味かもしれないが、あいかわらず人気は高い。フロントマスクが変わったことでさらに親しみがでた気がする。少しグランドチェロキーに寄った感じだ。マイナーチェンジ以前は前衛的過ぎた、かもしれない。
 今回試乗したのは、そんなチェロキーのトレイルホーク。2019年3月に追加されたグレードとなる。言わずもがな、オフロードに長けた仕様で、“トレイルレイテッド”のバッジが付く。これはジープが独自に設定したオフロード能力をクリアしているという意味の証だ。

 他のグレードは、ベースとなるロンチチュードとリミテッドという構成。前者が2.4L直4SOHCマルチエア2を、後者とトレイルホークは新開発の2L直4DOHCターボを搭載する。馬力はそれぞれ177馬力と272馬力。ともにレギュラーガソリン対応というのがアメリカ車ならではの嬉しいポイントだろう。

この記事の目次

大型オーバーフェンダーや専用ホイール、ボンネットストライプで差別化を図る
インテリアは都会的なデザインで機能も充実している
2Lターボによるキビキビした走りと迫力あるエキゾーストが魅力
日本の道路事情にジャストサイズ。ジープらしさが扱いやすさにもつながっている

関連情報

ボディタイプ:SUV・クロカン 新車

大型オーバーフェンダーや専用ホイール、ボンネットストライプで差別化を図る

トレイルホークは、ロンジチュードやリミテッドに比べてトレッドが広く、全幅ももっとも幅広い トレイルホークは、ロンジチュードやリミテッドに比べてトレッドが広く、全幅ももっとも幅広い

 トレイルホークのエクステリアは個性的だ。ボンネットのブラックデカールがとにかく目立つ。一見するとカーボンボンネットに換えたレーシングカー風に見える。それと7スロットグリルのすぐ下にあるバンパーも黒く塗られる。よく見るとオーバーフェンダーも他のグレードより黒い面積が大きい。ホイールもそう。専用アルミホイールはその大部分を黒く染められる。よって、全体的な印象はワイルド。泥を跳ね上げながらガンガン進んでいく姿が浮かぶ。今回は単に街中と高速道路を走っただけなので、次回はぜひそんな道を走ってみたい。

最低地上高も220mmとリミテッドの205mmよりさらにアップされている 最低地上高も220mmとリミテッドの205mmよりさらにアップされている

インテリアは都会的なデザインで機能も充実している

ヒルディセントコントロールがシリーズで唯一、装備されている ヒルディセントコントロールがシリーズで唯一、装備されている

 そんなエクステリアと相反するのがインテリア。ここはアーバンテイストで、有機的なデザインが施される。無骨なアメリカ車のイメージとは異なるオシャレな雰囲気だ。でもって、機能面も充実。インターフェイスはイマドキで、スマホとのコネクトもOK。使い勝手は悪くない。それほど凝ったものではないが、必要な装備はある。

レッドステッチ入りインテリアアクセントが標準で装備される レッドステッチ入りインテリアアクセントが標準で装備される

後席にはシートスライドが備わる 後席にはシートスライドが備わる

リヤシートは6対4分割可倒式となっている リヤシートは6対4分割可倒式となっている

後席を倒すことでフラットなラゲッジ空間が出現する 後席を倒すことでフラットなラゲッジ空間が出現する

2Lターボによるキビキビした走りと迫力あるエキゾーストが魅力

2Lターボによるキビキビした走りと迫力あるエキゾーストが魅力

 では、実際に走らせた印象だが、ドライバーズシートに座って感じたのは、ポジションがしっくりくること。シートが大きくて、身体を包み込むような感覚を得た。それとセンターコンソールの肘置きの高さがちょうどいい。ゆったりと走らせるアメリカンSUVらしいドラポジがとれる。個人的にはかなり気に入った。そして新型の2L直4ターボが、キビキビした走りを楽しませてくれる。吹け上がりがよく、しっかりまわして加速を体感するタイプだ。しかも、この時のエキゾーストノートが素晴らしい。「え、後ろからスポーツカーが来た?」ってくらいレーシーなのだ。チェロキーに必要かどうかはわからないが、クルマ好きなら思わずニヤけてしまうだろう。

 このエンジン、じつはラングラー・アンリミテッドにも積まれる。JL型デビューの際、話題となったユニットだ。ただ、マッチングは正直ラングラーよりチェロキーの方がいいと思う。アクセルオンでボンネットを持ち上げトルクで走るイメージが強いラングラーには少々線が細く思えるし、肉厚タイヤでバネ下重量のかさむラングラーに軽快な走りは期待できないからだ。

エンジンはリミテッドと共通の2L直4ターボ。最高出力272馬力、最大トルク40.8kgm エンジンはリミテッドと共通の2L直4ターボ。最高出力272馬力、最大トルク40.8kgm

ボンネットストライプがトレイルホークであることを主張 ボンネットストライプがトレイルホークであることを主張

日本の道路事情にジャストサイズ。ジープらしさが扱いやすさにもつながっている

本格クロカン並の悪路走破性能が与えられているトレイルホーク。アプローチアングル、デパーチャーアングルの深さが見て取れる 本格クロカン並の悪路走破性能が与えられているトレイルホーク。アプローチアングル、デパーチャーアングルの深さが見て取れる

 ということで、このエンジンを積んだチェロキートレイルホークはオンロードを気持ちよく走る。セレクテレインシステムを“オート”にしておけば、なんら不自由はない。エンジン出力の出方は自然だし、前後の駆動力配分もオートマチックに最適な状態にしてくれる。ハイスピードレンジでの高速走行もいい感じだ。“スポーツ”も試してみたが、そこはそれほど感動はない。シフトタイミングを遅らせる分エンジンが上までまわるだけで、クルマのキャラが大きく一変することはなかった。

 一週間このクルマをほぼ毎日乗ってみて思ったのは、このサイズの優位性。グランドチェロキーだと大き過ぎるし、レネゲードやコンパスじゃ可愛らし過ぎる。と言った頃合いがじつに絶妙に思えた。とにかく全長が短いのがいい。前後のオーバーハングを短くしてアプローチ&ディパーチャーアングルを稼ぐというジープ理論が、現代の交通事情にもマッチするのだからじつにおもしろい。

ジープ チェロキー トレイルホーク(9速AT)データ

■全長×全幅×全高:4665×1860×1740mm
■ホイールベース:2720mm
■トレッド前/後:1620/1625mm
■車両重量:1910kg
■エンジン:直4DOHCターボ
■総排気量:1995cc
■最高出力:177ps/6000rpm
■最大トルク:22.3kgm/3600rpm
■サスペンション前/後:ストラット/マルチリンク
■ブレーキ前後:ディスク
■タイヤ前後:245/65R17

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