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更新日:2020.02.28 / 掲載日:2020.02.28
【アウディ A6】予算100万円台でもOK!? 今が買い時のプレミアムセダン/ワゴン
高級かつスポーティなクルマづくりが定評のアウディ。A1~A8という乗用車ラインアップを基本としながら、最近はQ2~Q8という一連のSUVまで充実させている。これらに加えてTT、R8などのスポーツモデルまで用意し、盤石の商品展開を築き上げている。アウディはメルセデスやBMWと比較されがちだが、駆動方式はFFまたは4WDが中心という大きな違いがある。それゆえ、悪路に強く高速域での安定性の高さもアウディを特色付けている点だろう。そこで今回のテーマは、アウディA6の先代モデル。2011年8月のデビューから今年で9年目を迎え、中古車が充実してきた。新車時は手が出しにくいプレミアムセダン/ワゴンも、中古車ならば身近になることが多いが、アウディA6はその典型例なのだ。今回はA6の遍歴を振り返りつつ、中古車相場を詳しく掘り下げてみたい。
アウディA6ってどんなクルマ?
アウディA6は、ミドルクラスA4の上に位置する上級セダン/ワゴン。メルセデスのEクラス、BMWの5シリーズに相当するモデルで、先代A6は全長およそ5m弱というゆとりのサイズを持つ。歴史を振り返ると、初めて登場したのは1994年のこと。それまでのアウディ100の改良型としてデビューした。当時から、ボディタイプは4ドアセダン/ワゴンが基本となっており、現行型でも踏襲されている。1997年には2代目、2005年には3代目へとフルモデルチェンジ。初代(さらに遡れば100時代)から続いた品のあるデザインと、クワトロシステム(4WD)による走破性はこの世代にも受け継がれ、まさに正常進化を続けてきた。
今回のテーマとなる4代目が登場したのは、2011年8月のこと。この世代から、アルミとスチールを組み合わせたボディ構造を採用し、ボディサイズを拡大したにもかかわらず、車両重量を削減したのが注目点。エクステリアは、基本的なシルエットは先代と同様だが、切れ長のヘッドライト形状などで、スポーティな印象をさらに高めた。当初のエンジンラインアップは、2.8L V6(2.8TFSI クワトロ)と3.0L V6スーパーチャージャー(3.0TFSI クワトロ)という構成。回生ブレーキに加えて「サーマルマネジメント」という新機軸を盛り込み、エネルギー効率を高めたこともトピックである。
アウディA6の年式別中古車価格相場は?
年式別中古車平均価格を見る前に、先代A6の歴史を軽くおさらいしてみたい。デビューから1年後の2012年8月、「オールロードクワトロ」が300台限定で登場。ステーションワゴン(アバント)のボディをベースに、車高を3段階調整できるアダプティブエアサスペンションを備え、大型ホイールアーチを採用するなど、SUVライクな佇まいになったのが特徴である。さらに同月、4.0L V8ターボを備えた高性能版「S6」もデビューしている。9月には、2.0L 直4ターボにモーターを組み合わせたA6ハイブリッドを発売。こちらは、JC08モード燃費で13.8km/Lという優秀な値を記録した。2013年7月の改良では、「アウディアクティブレーンアシスト」を「3.0TFSIクワトロ」に標準装備。2013年10月には、560馬力のハイパフォーマンスモデル「RS 6アバント」も仲間に加わった。
2014年2月、エントリーモデル「2.0TFSI」が登場。これは2.0L 直4ターボを搭載し、JC08モード燃費は14.8km/Lという優秀な値を記録。セダンは580万円、アバントは610万円(いずれも税込)というリーズナブルな価格を実現したのが話題となった。そして2015年7月、A6シリーズはマイナーチェンジを受ける。フロントグリル、ヘッドライト、バンパー形状が変更されたほか、新技術のマトリクスLEDヘッドライトが採用されたのがトピック。これは、カメラによって前方の車両を検知し、ハイビームを部分的にマスキングして眩しさを抑える機能。また、1.8L 直4ターボの「1.8TFSI」、2.0L 直4ターボ+4WDの「2.0TFSI クワトロ」が追加され、逆に「2.0TFSI」と「2.8TFSI クワトロ」がラインアップから外れた。2016年10月、従来までオプションだったSラインエクステリアが標準装備となり、よりスポーティなルックスとなった。これに加えてSラインパッケージ装着車では、S6と同じシングルフレームグリルを採用するなど、主に外観のテコ入れが行われている。それらを踏まえ、データをチェックしてみたい。
年式 | 中古車平均価格 |
2011年式 | 175万円 |
2012年式 | 176万円 |
2013年式 | 191万円 |
2014年式 | 203万円 |
2015年式 | 257万円 |
2016年式 | 339万円 |
2017年式 | 378万円 |
2018年式 | 444万円 |
※データはセダンのもの。
100万円台で探すなら2015年式以前の前期型
年式別に物件を見ると、2012年式~2015年式の前期型がボリュームゾーン。100万円台の物件が充実しており、新車時から大幅なプライスダウンとなっている。一方で後期型は相場が急激に上がり、300万円以上の物件が中心。そんな理由から、狙い目なのは前期型だ。この年式でも走行距離5万km以下が中心で、比較的良質な個体が揃う。180万円程度の予算があれば選択肢が広くなるはずだ。ただし、物件が充実しているとは言え、ライバルのEクラスや5シリーズよりもかなり控えめ。ボディカラーなどの選択の余地はあまりない。
アウディA6のグレード別中古車価格相場は?
グレード体系は、下から「1.8TFSI」、「2.0TFSI」、「2.0TFSIクワトロ」、「2.8FSIクワトロ」、「3.0TFSIクワトロ」、「ハイブリッド」に加え、高性能版「S6」、「RS 6 アバント」と豊富にラインアップされている。ここではスタンダードなA6各グレードの中古車平均価格を算出した(ただし、物件数が極めて少ない1.8TFSIを除く)。
グレード | 中古車平均価格 |
2.0TFSI | 166万円 |
2.0TFSIクワトロ | 349万円 |
2.8FSIクワトロ | 194万円 |
3.0TFSIクワトロ | 228万円 |
ハイブリッド | 187万円 |
※データはセダンのもの。
物件数が充実した「2.8FSIクワトロ」が買いやすい
相場が低めで物件数が多い「2.8FSIクワトロ」は、もっとも買いやすいモデル。先々代A6にも設定された古いパワーユニットを搭載するものの、出力、トルクともに十分な性能を持つ。よりパワフルな走りを求めるなら「3.0TFSIクワトロ」がオススメだが、こちらは物件数が少ないのが難点。予算があれば「2.0TFSIクワトロ」が燃費、パワーのバランスがよく、物件もそれなりに揃うが、後期型以降の設定なので基本的に相場が高めとなっている。
一方ハイブリッドは相場がもっとも低いが、物件数はそれほど多くない。しかし、コンディションのよい個体があればオススメしたいグレード。なお、アバントはセダンよりも相場がやや高めとなっているが、物件数は同程度。ステーションワゴンがほしいなら、そちらを探してみるのも手だ。
アウディA6の中古車価格相場のまとめ
以上をまとめると、先代A6は新車時の半額以下の予算で購入可能。とくに100万円台の物件も増えており、以前と比べて買いやすくなった。グレードは「ハイブリッド」が狙い目だが、探しやすさは「2.8FSIクワトロ」のほうに軍配があがる。2015年式以降の後期型は相場が一段上がるので、リーズナブルに買うなら前期型に注目したい。