クルマ徹底解説
更新日:2020.01.30 / 掲載日:2020.01.30
BMW 新型3シリーズグレード 330e M Sportの標準装備・オプション・パッケージ

文●ユニット・コンパス 写真●BMW
シリーズで唯一、プラグイン・ハイブリッドシステムを採用する330e M Sport。モーターアシストによるハイパフォーマンスと、ゼロ・エミッション走行も可能なエコカーとしての顔も持つユニークなモデルだ。位置付けとしては、「330」のネーミングのとおり上級モデルであり、当然装備面でも充実している。
BMW 330e M Sportの標準装備

まず大きな特徴がハイブリッド関連の装備や機能だ。「エクストラブースト」は、最大10秒間システム最大出力が292馬力にパワーアップする機能。さらに、モーター走行などを可能にする「eDriveスイッチ」、普通充電ポートや普通充電用車載ケーブルといった充電関連装備も備わる。また、重い車重をケアするべく、ブレーキも「M スポーツ・ブレーキ」が標準装備。逆に「M スポーツ・ディファレンシャル」は装着できない。そのほかの装備レベルは330iと同じと考えればいいだろう。つまり、非常に充実している。
BMW 330e M Sportのオプション・パッケージとその価格

推奨オプション・パッケージとしてBMWから提案されているのは、「イノベーション・パッケージ」(22万8000円)、「コンフォート・パッケージ」(12万8000円)、「ハイライン・パッケージ」(20万5000円)。いずれも330iと同じで、ここでも装備レベルが330iと同等であることがわかるだろう。ひとつ大きく違うのが、「ファスト・トラック・パッケージ」(18万3000円)の価格と内容。これは、M スポーツ・ディファレンシャルが装着できないからで、代わりにバリアブル・スポーツ・ステアリングがセットになっている。これは、走行状況に応じてステアリングのギアレシオを制御するという機能で、街中では取りまわしよく、コーナーでは曲がりやすく、高速走行では落ち着きのいいステアリング特性が得られるというもの。
つまり、330iがスポーツ性を追求しているのに対して、330eにはグランドツアラーとしてのキャラクターが与えられているということだ。
BMW 330e M Sport バッテリー容量大幅増でモーター出力が向上

新しい330iは、リチウムイオンバッテリー容量を大幅に増やすことで、モーターだけで走行できる「MAX eDrive」モードの航続距離が先代比30%以上伸びて最大59kmに向上。「BATTERY CONTROL」モードにすることで回生したエネルギーをバッテリーにチャージ。これにより、自宅に充電システムがなくてもハイブリッド車としてEV走行が可能となっている。さらに、リチウムイオンバッテリーはリヤシートの床下に搭載することで、トランクスルーも実現。これにより使い勝手は非常に高くなった。
走らせてみれば、モーターアシストによる力強さは圧倒的で、一般的なハイブリッド車のイメージを覆すパワフルさ。しかもそのフィーリングが自然なところが好印象。WLTCモードでの燃費性能だけで比べると330iとの差(330e:13.1km/L、330i:13.2km/L)がないことを不思議に思うかもしれないが、330eはまったくガソリンを使わないモーター走行がある。使い方にもよるが、日常の通勤だけであれば、電気だけで済むケースは多いだろう。また、高速走行時にアクセルオフすると、ドライブトレーンが切り離されて、まるでグライダーが滑空するかのようなロスのない走りを披露する。この気持ちよさも格別だ。