BMWのAI搭載ナビ「インテリジェント・パーソナル・アシスタント」とは？旧式との違いと便利

　クルマに呼び掛けると、クルマがそれに応じてくれる。それが「インテリジェント・パーソナル・アシスタント」と呼ぶAI音声会話システムだ。会話という、ドライバーとクルマのインターフェイスとしては新しく、しかもより簡単な方法で車両とコミュニケーションとることができる。AIを導入したことで、特定のキーワードだけでなく全体の会話からドライバーの意図を汲み取って反映するのがポイントだ。
　またAI機能はドライバーのことを知り、学習し、常に情報のアップデートを測りながら成長。時間の経過とともにドライバーの有能な相棒となっていくのだ。
　その活用方法はナビの目的地設定から車両の状況確認、そしてドライバーの望む車内環境作りまで幅広い。

　従来モデルの音声入力はあくまで特定のキーワードだけに反応するだけのもので、ドライバーが正確にキーワードを発する必要があった。しかし新型が「曖昧な言葉」でもAIがその意味を理解し、そこからニュアンスを拾うことで要求を汲み取ってくれるのが新しい部分だ。
　そのポイントとなるのが車両（ローカル）側と通信機能の活用によるクラウドサーバー側で同時に音声認識をおこない、高速なレスポンスと正確な言語処理（内容認識）が最適におこなわれること。
　また、音声コントロールでおこなえる操作範囲も大きく拡大している。

　もっとも活用機会が多いのは、カーナビの目的地設定だろう。しかし単に地名やスポット名で検索ができるだけに留まらないのが注目すべき部分だ。「ラーメンが食べたい」とか「お腹が空いた」「コーヒーが飲みたい」といった漠然とした言葉にも反応して近隣のラーメン屋や飲食店、カフェなどを一覧表示。そのなかから目的地を選択できる。
　また、「新宿のラーメン」や「銀座のカフェ」と言ったように地域と目的を発することで、特定の地域の対象施設を検索可能だ。
　「どこに駐車できる？」と話しかければ、駐車場を検索してくれる。

　オーディオも単に「ラジオにして」「J-WAVE（特定の放送局）が聞きたい」というオーダーに応えてくれるだけでなく、「桜を再生して」といえば再生可能なメディアの中から「さくら」という曲をさがしてくれる。もちろん「森山直太朗の桜」というように歌手名の指定もOKだ。
　「お気に入りの音楽をかけて」といえば、AIがプレイリストを再生。

　そのほか「●●に電話をかけて」といった、音声操作によるハンズフリー電話発信も可能だ。

　“タイヤの空気圧はまだ正常？”や“航続距離はどのくらい？”といった車両コンディションの質問にも答えてくれる。

　また、取扱説明書を熟知しているので、「クルーズコントロールの使い方を教えて」といったクルマに関する質問にも対応可能だ。

　「温度を上げて」といえばエアコンの設定温温度を上げるほか、さらには「ちょっと疲れちゃった」や「リフレッシュしたいんだけど」と呼びかけると、バイタライズ・プログラムやリラックスプログラムが起動。インテリアに備わったさまざまな機能をコントロールして五感を刺激し、状況に合わせたもっとも快適な空間を提供してくれる。