車の最新技術[2019.12.10 UP]

マツダの工場に潜入【ニュースキャッチアップ】職人技の量産化が魂動デザインを完成させる

魂動デザインの最新モデル「CX-30」●クロスオーバーSUVの「CX-30」は、スタイリッシュなデザインと駐車環境を選ばない取りまわし性に優れた1台。マツダ3同様に「SKYACTIV-X」も選べる。

文と写真●ユニット・コンパス
(掲載されている内容はグー本誌 2019年12月掲載の内容です)


メディア向けに開催されたマツダの工場見学会で、「魂動デザイン」が出来上がるまでの裏側を取材した。クルマの生産は多くのひとが関わる一大ミッション。そして、そこにはさまざまな工夫と技術革新があった。

この記事の目次

工場では何が行われている?

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多くのスタッフが同じ目標に向かう姿は美しい

 マツダのデザイン革命ともいえる「魂動デザイン」は、2012年発売のマツダ6(当時はアテンザ)から採用され、早くも7年が経過した。この「クルマに命を与える」というコンセプトは、その後に登場したすべてのモデルで、すでに高い評価を獲得しているのはご存じのとおりだ。
 しかし、クルマというのはデザイナーがどんなに美しい絵を描いても、それを生産車に落とし込むまでに、多くのハードルが存在する。今回工場で目の当たりにしたのは、このデザインを支える裏側ともいえる職人技だった。
 まず、マツダは新型車のデザイン段階からデザイナーと生産部門が情報を共有するという。コンセプトや設計を早い段階から生産現場に伝えることで、よりレベルの高いデザインを実現するためのプロセスや、生産技術の工夫がなされるという。
 また、マツダは同時に金型技術にも磨きをかけてきた。どんなに美しいデザインでも、そのパネルを形づくるのは工場では金型である。難易度の高いデザインを忠実に実現するためには、まず金型の精度を向上させる必要がある。そのために行われているのが、左上でも紹介している「魂動磨き」というプロセス(ちなみに金型の機械加工については「魂動削り」と呼ばれていて、こちらも光の映り込みをコントロールする高品位高速加工が施される)。従来磨きはキャラクターラインに沿って面を調整していたが、魂動磨きでは面と面の延長でキャラクターを作成。研削量を最小限とすることで面の張りを実現し、デザイナーの想いを形にする、といった具合だ。
 この職人技を彷彿とさせる工程は、「匠塗り」(感性を塗膜構造へ変換し、その高精度材料を使ってロボットに塗装させる)に加え多くの工程で実施されており、これらの集積がマツダ車の魅力を押し上げているといえるだろう。

工場では何が行われている?

金型作りにとことんこだわる

 美しいボディを実現するためには、プレス金型も精度が高くなくてはならない。マツダでは金型の機械加工後に徹底した磨きを行い、その精度をさらに高めていく努力が行われている。これによりドアとフェンダーの隙間などは3.3mmに縮め、デザインの魅力を後押しする。

車両組み立て時も、各部の隙間が適切かすべてにわたってチェックされる。

御神体とは?

 魂動デザインの話でよく登場する「御神体」。これは車両デザインの前に作成されるオブジェで、同じものを生産部門も作り、新型車についてのコンセプトが共有される。展示物にお神酒がお供えされていたことに驚いた!

マツダ生産方式とは?

 マツダは、2002年より「計画順序生産」を実施。これは生産する順番を1台ずつしっかり管理し、部品メーカーもその順番どおりに納入する方法だ。CX-5の次はCX-30など、多車種混流でもスムーズに生産できるよう、最適な「治具モジュール」で対応している。

複雑な「SKYACTIV-X」も同時生産

 ガソリン、ディーゼルエンジン双方の利点を生かした新エンジン「SKYACTIV-X」は、構造も複雑で部品点数も多いため、通常のエンジン比で組み立てに1基あたり30分多くの時間を要するが、生産ラインではバイパスを設けて本ラインを共通で使う工夫がされている。

念入りに行われる最終チェック

 こうして各部門の一人一人が、自身の作業に向き合って1台のクルマが完成する。あらためて見学の様子を振り返ると非常にドラマ性のある内容で、「クルマとは命あるもの」というマツダのメッセージを実感する機会となった。

いちどは訪れたい「マツダミュージアム」

 見学会の締め括りに訪れたのは、マツダミュージアム。3輪トラック・工作機を生産し、自動車メーカーとして出発したマツダの歴史。ロータリーエンジン搭載の名車や、技術展示、未来展示など充実した内容となっている。見学は無料だが、予約が必要となっている(TEL:082-252-5050)。

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