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更新日:2019.11.21 / 掲載日:2019.11.21

【ポルシェ 新型タイカン】初のフル電動スポーツカー、タイカンがジャパンプレミア

タイカン ターボ

文と写真●内田俊一

 今年9月に世界三大陸同時開催のワールドプレミアされたポルシェ初のフル電動スポーツカー、タイカンがジャパンプレミアした。納車開始は来年後半の予定だという。

 スポーツカーブランドのポルシェが作ったフルEVということで、やはり注目はその動力性能にあろう。ポルシェジャパンマーケティング部プロダクトマネージャーのアレキサンダー・クワース氏は、「タイカンに乗り込んでステアリングを握った瞬間、ピュアポルシェだと実感するでしょう」とその実力に自信を見せる。フロントとリアアクスルに搭載された電動モーターと、後輪用モーターに組み込まれた2速トランスミッションによってトップモデルのタイカンターボSでは最大出力は761ps(ローンチコントロールのオーバーブースト時)、最大トルクは1050Nmを発揮し、0-100km/hは2.8秒を記録。最高速度は260km/hだ。「この加速性能は1.2Gにも達し、パラシュートを開かずに自由落下するスカイダイバーよりも速い」と例える。また0-200km/h加速を連続26回繰り返してもそのパフォーマンスはほとんど落ちないという。

 またタイカンの場合、バッテリーが車体の下に搭載されるので重心が911よりも低く、また全面的に敷いてあることから、ウェイトバランスも理想的に仕上がっている。シャシーに関しても、「ポルシェダイナミックシャシーコントロール、3チャンバーエアサスペンション、リアアクスルステアリングなどのシャシーシステムを搭載し、EVでありながらタイカンはスポーツカーなのです」とクワース氏。さらに、回生機能に関しても「ワンペダル操作を選ばず、ブレーキペダルのみで回生するため、ここでもトゥルースポーツカーフィーリングを再現しています」という。

463kmの航続距離、30分で80%充電可能

タイカン ターボ

 タイカンは、最先端のリチウムイオンテクノロジーによるパフォーマンスバッテリープラスは、800Vの電圧システムをベースに開発。これは919ハイブリッドの採用された技術が採用されている。このパフォーマンスバッテリーの総合容量は93.4kWh。「タイカン4Sの場合の航続距離は463km( WLTPに準拠)にも達します」とクワース氏は述べた。

 充電環境については、「自宅に充電器を設置できるようさまざまなソリューションやサポートを適用します」。また、全国のポルシェセンターや東京、名古屋、大阪の公共施設に次世代CHAdeMOに対応した急速充電器を設置。その充電出力は国内で最もパワフルな150kWで、タイカンの車載バッテリーを30分以内に80%まで充電する能力を有しており、クワース氏は、「この充電器を使用するとタイカンはたった10分で100kmもの走行距離分の充電することが可能です」と説明した。

  • タイカン ターボ

  • 充電用設備

ポルシェの伝統と新鮮さを共存させたデザイン

ポルシェジャパンマーケティング部プロダクトマネージャーのアレキサンダー・クワース氏

 さて、そのデザインに関してクワース氏は、「フロント周りは全く新しい印象があると同時に、今まで馴染みのあるポルシェの顔という感覚もあるでしょう」とその印象を語る。伝統的なポルシェのフロントフェンダーと低く構えたボンネットが特徴で、特にエンジンスペースが不要なことから、よりボンネットを低くデザイン。「これによりにボンネットとフェンダーの高低差のメリハリが出来、より一層ポルシェのクラシックモデルを想起させるデザインになっています」という。

 一方新しいエレメントとしてはヘッドライトがある。スリムなデザインが強調されたマトリックスビームを内蔵した4灯式LEDヘッドライトを採用。この下には機能性を持つエアカーテンが採用された。これは、「車体にタービュレンスが起こりやすいところに設置することによって、空気をフロントのホイールハウスの中に流し込みそこから吐き出すことが出来ます。その結果、理論上全幅が狭いクルマと同じ効果を得ることが出来、空気抵抗が低減出来ました」と説明した。

 サイドビューでは、ポルシェの伝統的なデザインのひとつ、“フライライン”が挙げられる。「タイカンのシルエットはパナメーラよりも911に近いでしょう。4ドアセダンでありながらスポーツカーそのものでもあるのです」とコメント。そしてリアでは「力強いショルダーとコンパクトなグリーンハウスが伝統的なデザインとして目に入ります。下にはエグゾーストシステムやテールパイプの必要はないので、その代わりに大型ディフューザーを搭載し、リアにおいても空気抵抗を意識した新しいデザインになりました」と述べた。

インテリアはドライバーのために開発された初代911を彷彿させる

タイカン ターボ

「インテリアのデザインチームが出発点として選んだのは初代の911でした。ホリゾンタルのデザインを強調したインストルメントクラスターはドライバー中心に配置。まさにドライバーのために開発された初代911を彷彿させるものです。ここにはポルシェの魂が宿っているのです」と明かす。その考えをベースに、「その伝統をデジタル世代のために新しく解釈し、デジタル、クリア、サスティナブルをキーワードとして新しくデザインされました」と話す。

 具体的には全く新しいポルシェアドバンスコックピットとして極限までデジタル化し、パッセンジャー用のディスプレイも装備され、全部で4つのディスプレイが装着された。

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期間限定タイカン予約プログラムを開始。登録すると市場導入までの間に購入プロセスやクルマに関する情報が提供される

ポルシェジャパン代表取締役社長のミヒャエル・キルシュ氏

 最後にポルシェジャパン代表取締役社長のミヒャエル・キルシュ氏は、「タイカンは確実に日本のお客様の心をつかむでしょう。なぜならこのスポーツカーは、電動モビリティでありながらエモーションでもあるからです。このような組み合わせで私たちは大いに成功するでしょう。ポルシェの魂、電動化された魂を持っているからです」とコメントし、「現在のターゲット層と新しいターゲット層の両方に刺激を感じてもらえると確信しています」と語った。

 ポルシェジャパンでは期間限定タイカン予約プログラムを開始。登録すると市場導入までの間にこのプラットフォームを通じて、購入プロセスやクルマに関する情報が提供される。

 日本へは4S、ターボ、ターボSの3モデルが導入される。

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グーネットマガジン編集部

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