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更新日:2019.11.12 / 掲載日:2019.11.12

【人気のミドルクラスクロスオーバーSUV】実用性徹底チェック!

並んだSUVのイメージ画像

いま世界各国の自動車メーカーがもっとも力を入れているジャンル、SUV。居住性や積載性、悪路も含めた走りなど、マルチな性能がウリである。今回はその中でも日本市場で人気の高いミドルクラスのSUV3台を取り上げ実用性を比較した。
(掲載されている内容はグー本誌2019年11月号の内容です)

ファーストカーチョイスのSUVは実用性が大切だ!
 相変わらずSUVが人気だ。それは、日本市場のみならず世界的に各メーカーはSUVを重視していて、新型モデルも続々登場している。もはや一過性のブームとは言えないだろう。だが、それゆえに車種は豊富で中身もさまざま、シッカリ選ばないと満足できるクルマに巡り会えない……ということになる。
 加えていえば、SUVはミニバンなどと同じく、ファーストカーとしてファミリー層に多く選ばれる傾向がある。そうなると実用性の面で妥協はできない。
 今回は、売れ筋であるミドルクラスSUVのなかから人気が高く、それぞれキャラクターの異なる、SUBARU XV、ホンダ・ヴェセル、三菱エクリプスクロスの3台をピックアップし、実用性を中心とした比較を行った。
 後席やラゲッジ、室内のユーティリティなど、乗員全員に影響を及ぼすポイントはもちろん、安全装備や運転支援装備などの最新デバイスなどにも触れている。所有者本人だけでなく、配偶者や子どもなどが運転することが想定されるなら、こうしたデバイスはとくに注目してほしい。
 各モデルがどんなオーナー向けかについてのアドバイスも行っているので、参考にして満足度の高いSUV選んでほしい。

  • ホンダ ヴェゼル
    SUVとクーペを融合させたようなスタイルで唯一無二の存在感を醸し出すヴェゼル。2013年の発売以降、高い人気を維持し、2019年上半期SUV販売台数1位に輝いている。

  • SUBARU XV
    高い質感と機能性を融合させた新感覚のSUV。都会からアウトドアまでどんな場所にも似合う独自のデザインは幅広い層から支持を得ている。世界最高レベルの安全性能など、他車にはない強みを持っている。

  • 三菱 エクリプスクロス
    スタイリッシュなフォルムとSUVの走破性をあわせ持つクロスオーバーSUV。2019年6月には待望のクリーンディーゼルエンジン搭載モデルが追加され人気を博している。

たくさん車種がありますが……

今回の3台を選んだ基準
 2019年上半期に1番売れた人気SUV、ホンダ ヴェゼル。同じクラスでキャラクターこそ違うが、根強い人気のSUBARU XV。そして、2.2Lのディーゼルエンジンを新搭載し、前車2台と異なるパワートレインを追加設定した三菱 エクリプスクロス。いずれもクロスオーバーSUVとしてのサイズ感は近いが、方向性の異なるライバルである。果たして、実際の使い勝手はどうか? 実用性をチェックすべく3台を選んだ。


人気のミドルクラスSUV【3台の実用性を検証】

ライバル関係の3台だがそれぞれ特徴がある個性派
 SUVが世界的に人気なことはお伝えしたが、それゆえに、ひと口にSUVといっても非常に幅広いラインアップが存在する。
 そうしたなか、今回登場する3台は、シングルユースからファミリーまで通用する室内と居住空間をもち、かつ女性や初心者でも扱いやすいボディサイズのモデルたちだ。
 扱いやすいサイズといっても、ラゲッジの使い勝手はワゴンに準じたもので、アレンジ性を含め、まさにオールマイティーに使えるのがこのクラスのSUVなのである。
 さらにヴェゼル、エクリプスクロスはFFと4WDが揃うがXVは4WDのみだ。パワートレインもヴェゼルはハイブリッドとダウンサイジングターボとNA、XVはハイブリッドと2種のNAエンジン、エクリプスクロスはダウンサイジングターボとディーゼルターボと、それぞれ特徴的なラインアップとなっている。
 では実際の使い勝手はどうなのか? 人気の高い3台を比較しよう。

自動車評論家 青山尚暉
自動車専門誌の編集者を経てフリーのモータージャーナリストに。自動車雑誌のほか一般誌やウェブメディアなどに寄稿。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

icon 実用性 徹底チェック1 安全装備は?

 先進安全援機能については、やはりアイサイトで有名なステレオカメラ+センサーで機能するスバルのXVが充実している。自動ブレーキ、後退時自動ブレーキシステムをはじめ、アクティブレーンキープ、渋滞追従型ACC(アダプティブクルーズコントロール)などを全グレードに装備。ブラインドスポットモニターもOPで装着可。ヴェゼルは全グレードに一世代前のホンダセンシングを装備。エクリプスクロスはグレードによって機能に差がある。

  • アイサイトのイメージ画像

    XV

    アイサイト
    人の目と同じように左右2つのステレオカメラで立体的に環境を把握。クルマだけではなく歩行者や自転車なども識別し、対象との距離や形状、移動速度までを正確に認識する。

  • ホンダセンシングのイメージ画像

    ヴェゼル

    ホンダセンシング
    ミリ波レーダーと単眼カメラの組み合わせにより未然に事故を防ぐことができる安全機能。最近、多い誤発進の抑制機能や自動で加減速するアダプティプ・クルーズ・コントロールなどが特徴。

  • レーダーのイメージ画像

    エクリプスクロス

    e-Assist
    ミリ波レーダーやレーザーレーダー、超音波センサー、カメラユニットを用いて安全かつ快適なドライブをサポートする予防安全技術。衝突被害軽減ブレーキシステム(FCM)など機能も豊富。

icon 実用性 徹底チェック2 イチオシの快適・便利な装備は?

  • Xモードのイメージ画像

    XV Xモード

    多彩な走行モードが魅力
    XVはHVモデル限定で、強制的にEVモードに入るEVスイッチがある。遅い時間の帰宅などで重宝するし、無駄なガソリンの消費も防ぐことができる。XVは全車AWDで、Xモード装着グレードであれば、同社のフォレスターと同等かつハイレベルな悪路走破性を発揮してくれる点で、安心・安全・便利機能の持ち主といえるだろう。

  • ヘルプネット(SOSコール)の画像

    ヴェゼル ヘルプネット(SOSコール)

    万が一の事態に素早く対応
    ヴェゼルの快適・便利装備はオプションになるが『ヘルプネット=SOSコール』を挙げたい。緊急時に自動で専任オペレーターに接続し、呼びかけに応えられない状況なら警察、消防、ドクターヘリを要請してくれる。またあおり運転被害にあった際、自分で警察に通報できないような切迫した状況でも代わりに通報してくれるので安心だ。

  • ヘッドアップディスプレイの画像

    エクリプスクロス ヘッドアップディスプレイ

    視線移動を少なく情報を入手
    エクリプスクロスで便利な装備として挙げられるのは、運転視界のまま各種情報を確認できるヘッドアップディスプレイ(HUD)だ。高速走行中などの脇見は事故の原因になり得る。なかには頻繁にメーターやディスプレイを確認することができないという人もいるので、HUDであれば運転中でも自然と視界に情報が入るので安全かつ便利だ。

icon 実用性 徹底チェック3 ラゲッジの使い勝手は?

 ラゲッジの使いやすさは開口部地上高の低さとアレンジ性の良否が決め手となる。その点で際立つのがヴェゼル。開口部地上高は650mmとワゴン並みに低く、そして広い。開口部には5cm程の段差はあるものの、後席格納時にはダイブダウンでフロアを地上590mmと素晴らしく低く格納できる。リヤドアからの荷物の積みやすさも抜群だ。XVとエクリプスクロスの開口部地上高は770mmと高め。XVはフロアボード手前を持ち上げフックに紐を固定すれば、開口部段差がなくなりワゴンのように使える。エクリプスクロスは後席スライドで奥行きを可変できるのが便利だ。

  • XV荷室の画像

  • XVラゲッジの画像

  • XVラゲッジの画像

【XV】フックを使い、荷室の段差を解消
6:4の分割可倒式リヤシートにより荷室を大きく拡張することができる。開口部の幅は広くゴルフバッグといった大きな荷物の積み降ろしが楽にできる。

  • ヴェゼルラゲッジ下の画像

  • ヴェゼルラゲッジの画像

  • ヴェゼルラゲッジの画像

【ヴェゼル】開口部が一 番低く、荷物が扱いやすい
フル乗車でも393Lの大容量ラゲッジスペースを確保。リヤシートを倒すことでさらに大きなスペースにできる。開口部の位置が低いので使い勝手は抜群。

  • エクリプスクロスラゲッジ下の画像

  • エクリプスクロスラゲッジの画像

  • エクリプスクロスラゲッジの画像

【エクリプスクロス】後席がスライド可。用途に応じて利用
リヤシートを最前端にスライドした状態で448Lの容量を確保。大容量のラゲッジアンダーボックスを装備し、工具や使用頻度の少ない荷物を収納可能。

icon 実用性 徹底チェック4 後席の座り心地・スペースは?

快適性はヴェゼルがリード
 後席への乗降性はXV、ヴェゼル、エクリプスクロスの順に良く、後席居住空間の広さはヴェゼル、エクリプスクロス、XVの順となる。なかでもヴェゼルの後席ニースペースの広さはライバルを圧倒。唯一フロアに大きな出っ張りがないため足元が広々としている。XVの室内は視界は高いが、基本的にインプレッサスポーツと変わらず、ハッチバック車の空間となる。シートの座り心地は、自然に座れるソファ感覚のかけ心地のヴェゼルと、クッションの厚み感があり、シートサイドのたわみ量が大きく降車性に優れるエクリプスクロスがいい。

  • XV リヤシートの画像

  • XV全高1,550mmというサイズながら、窮屈さを感じさせないゆったりとした室内空間が特徴。シートの程よいホールド感か快適だ。

ヴェゼル後席の居住性に定評のあるヴェゼル。大人でも余裕のある広々とした足元の空間は長距離ドライブでも快適に過ごすことができる。座り心地も疲れを感じさせにくい。

  • エクリプスクロスリヤシート画像

  • エクリプスクロスリヤシート画像

エクリプスクロスミドルクラスSUVでは珍しくシートスライド機能を装備する。そのため、チャイルドシートの装着時など、シチュエーションに応じて足元の空間を調整することができる。

icon 実用性 徹底チェック5 室内のユーティリティは?

 まずヴェゼルのユーティリティについては、USBの電源ソケットにスマートフォンをつなげた際、コードがゴチャゴチャしないような位置にスマホ置き場が確保されているのが秀逸。エクリプスクロスは、このクラスでは珍しくティッシュボックスがラクラク置ける広いグローブボックスが特徴。XVに搭載されているナノイー発生装置付きナビは、花粉をはじめとしたアレル物質などに効果的。消臭効果もあるのでペットを飼っているオーナーにオススメだ。

  • XVエアコンの画像

    XV

    収納は最小限だが、エアコンにナノイー機能が備わり空調環境は◎。後席6:4分割は運転席側が6で3名乗車時の荷室拡大に有効。

  • ヴェゼルセンターコンソールの画像

    ヴェゼル

    ヴェゼルの使い勝手で面白いのが、センターコンソール前端のUSBと、その脇のスマホ置き場。後席ダイブダウン格納も便利だ。

  • エクリプスクロスグローブボックスの画像

    エクリプスクロス

    グローブボックスの使いやすさは抜群。上下2段かつ下段にティッシュボックスが入る容量だ。スマホの充電のしやすさにも注目だ。

icon 実用性 徹底チェック6 中古車相場の傾向は?

 昨今のSUV人気を受けてSUVの中古車相場もジワジワと値上がりの傾向にある。例えばスバル・XVの場合、アイサイトが搭載されていない初代(GH系)に関してはグーネットで検索してみると100万円を切っている個体もあるが、2代目(GP系)からアイサイトVer.2が搭載されたため100から200万円前後を推移している。また2代目はデザインに関しても現行モデルとさほど違いがないため、未だに人気は高い。ヴェゼルの場合、販売開始された2013年モデルは最安値で100万円前後の値が付いている。6年落ちではあるが、現行モデルの人気を踏まえるとまだまだ価格が下がりにくいと思われる。

  • XVの画像

    [SUBARU]XV
    中古車中心価格帯:38万から298万円

  • ヴェゼルの画像

    [ホンダ]ヴェゼル
    中古車中心価格帯:105万から225.8万円

  • [三菱]エクリプスクロス
    中古車中心価格帯:199.8万から322万円

icon 実用性 徹底チェック7 燃費はどうだ?

走りの画像

低燃費はヴェゼルHVだが他2車種も良さが光る
今回、XVはHVのアドバンス、ヴェゼルはガソリン車のツーリング、エクリプスクロスはクリーンディーゼルモデルと、パワーユニットは3車3様で、実用燃費の単純比較はできないが、各車の4WDモデルのJC08モード燃費で比較すれば、ヴェゼルのガソリン車が19・6km/L、HVが23・4km/L。XVのHVが19・2km/L、ガソリン車が最高16・4km/L、エクリプスクロスのガソリン車が14・0km/L、クリーンディーゼルが15・2km/L。これまでの試乗経験で、このクラスでベストな実燃費を叩き出すのはヴェゼルHVで、条件によって20km/L超えも可能。XVのHVは17km/L、エクリプスクロスのガソリン車が13km/L前後だった。つまり、このクラスでもっとも燃費のいいSUVを選ぶならヴェゼルのHV。エンジンの豊潤かつウルトラスムーズな加速力と燃費の良さのバランスで選ぶならXV、クリーンディーゼルの選択となればエクリプスクロスだ。

各車の特徴とオススメユーザーは? 

こんな人に向いている

  • XV

  • アウトドアから街中までお任せ
    街中だけでなくアウトドアシーンでの使用も多い、そんなユーザーにぴったりなのが、ルーフレールなしで全高が1550mmに収まり、立体駐車場への入庫が可能なXV。しかもXモードで悪路走破性も優れているから、オールマイティな使い勝手に対応してくれる。

  • ヴェゼルの画像

    ヴェゼル

  • 後席を日常的に使う人には最適
    4WD性能ではライバルに譲るものの、最大の魅力はクラスベストな後席の広さとシートアレンジの秀逸さ。後席に家族や仲間を乗せる機会が多く、また、フロアの低さや純正ドッグアクセサリーの充実度から、愛犬とドライブを楽しみたいユーザーにも向いている。

  • エクリプスクロスの画像

    エクリプスクロス

  • 先進性を求めるユーザー向け
    三菱ならではの抜群のAWD性能と、スマホ感覚で操作できるタッチパッド&スマホ接続でナビアプリを利用できるディスプレイを備えているエクリプスクロス。雪道など悪路を走ることが多く、かつ操作に先進性を求めるユーザーにはオススメの1台といえる。

最新車が装備する 実用性の高い便利装備10選

  • 日産 プロパイロット2.0の画像

    日産プロパイロット2.0
    新型スカイラインに搭載されたことで話題を集めたプロパイロット2.0は、直ちにハンドル操作ができる状況下においてハンズオフ(手放し)が可能となった運転支援システム。ナビで目的地を設定することで追い越しや分岐も含めた、高速道路上の走行をアシストしてくれる。

  • わくわくゲートの画像

    ホンダ わくわくゲート
    クルマの後ろにスペースがない状況でも後ろのドアを横に開けることで荷物の積みおろしをすることができる便利機能。ミニバンはテールゲートが長いため開閉するのに最低でも1m程度のスペースが必要なのだが、わくわくゲートなら半分近くのスペースで開閉ができる。

  • ソーラー充電の画像

    トヨタ ソーラー充電
    トヨタのプリウスPHVのオプションとしてラインナップしたソーラー充電システム。ルーフに設置されたソーラーパネルが駐車中に発電し駆動用バッテリーの充電を行う。走行中はウインカーやエアコンといった電装品に供給され、駆動用バッテリーの電力消費を抑えてくれる。

  • 給電システムの画像

    給電システム
    アウトドアや災害時などに家庭用電気製品が使用できる。車内には家庭用電気製品と同じAC100Vのコンセントが配置され、規定数値内(メーカー・車種により異なる)の電力であれば同時に複数の家電を使用可能だ。プリウスPHVやアウトランダーPHEVなどに搭載される。

  • SOSコールの画像

    SOSコール
    運転中、急病や緊急事態が生じた場合にボタンを押せば、専門のオペレーターにつながり、必要に応じて消防や警察への通報を依頼することもできる。最近、社会問題になっている煽り運転などにあった際にも高い効果を発揮するだろう。

  • シートヒーター&クーラーの画像

    シートヒーター&クーラー
    文字通りシートに装備された暖房装備。シート内に組み込まれた電熱線に通電させることで暖める。また最近装着する車両が増えてきたシートクーラー(シートベンチレーション)は、シート内部から送風することで清涼感が得られ、シートの蒸れ解消にも役立つ。

  • Android Auto&Apple CarPlayの画像

    Android Auto&Apple CarPlay
    スマートフォンをカーナビに接続し、カーナビを通して操作できる。電話やメールはもちろん、保存されている音楽を再生することも可能。取材したエクリプスクロスには統合インフォテイメントシステム「SDA」が備わっており、カーナビなどはスマートフォンから利用できる。

  • エコモードの画像

    エコモード
    標準のモードよりもエンジン回転数を低めに抑えて走行する燃費重視の走行モード。日産やトヨタなどはECOモード、ホンダではECONなどメーカーにより呼称が異なる。ハイブリッド車ではバッテリーとモーターの組み合わせで走るEVモードがそれにあたる。

  • アイドリングストップの画像

    アイドリングストップ
    信号待ちや渋滞といったクルマが停止している時に、自動的にエンジンを停止させることで無駄なガソリンの消費を抑えることができる機能。ブレーキを離したり、ハンドルを動かしたりすることでエンジンが再始動する。最近では多くの新型車に搭載されている定番装備だ。

  • マッサージ機能の画像

    マッサージ機能
    ハイグレード車で採用されているシートマッサージ機能は、長距離・長時間運転などで疲れ切った身体を癒やしてくれる。中には前・後席全てに備わっている車種や本格的なマッサージチェア同様に、ほぐす箇所を決めることができる優れモノもあり、種類はさまざまだ。

【Colimn】SUVだからといって 悪路に強いとは限らない

ワインディングの画像

 今回、紹介したヴェゼル、XV、エクリプスクロスの最低地上高はそれぞれ170/200/175mmと、SUVならではの地上高が確保されている。4WDモデルを選び、とくにXVのXモード、エクリプスクロスのS-AWCを活かせば、雪道はもちろん、悪路の走行も安心・安全に楽しめる。だが、SUVのカタチをしたすべてのクルマが悪路に強いわけではないのも事実。その一例が乗用車にSUV風の加飾を施した“SUV風”なモデル。例えば、アクア・クロスオーバーやスペーシア・ギアなどがそうで、最低地上高は乗用車とまったく同じ。キャストのアクティバのように、そのグレードだけ親切にも最低地上高を高めている車種は例外的ともいえる。
 また、4WDだから悪路に強いと過信するのもまずい。四輪駆動でも日常生活レベルの4WDモデルからクロカン性能と呼べる本格的な4WDモデルまでが混在しているからだ。もちろん、それでも、雨の高速道路や山道では、二輪駆動より安心であることは間違いないのだが……。
 今回のヴェゼル、XV、エクリプスクロスの3台では、XVとエクリプスクロスの4WD性能がより本格派に該当する。XVはインプレッサの車高を高め、SUVテイストのボディパーツを装着しただけのクルマではなく、スバル自慢のAWDと、同社のフォレスターにも使われる本格悪路用の『Xモード』を組み合わせることで想像以上にハイレベルな走破性を実現している。
 国産SUVで、ジムニーやランドクルーザー、ハイラックスなど、見た目でわかるとおり悪路に強い超本格SUVはさておき、パッと見た感じは都会派なスタイリッシュさを持ちながら、実は本格SUVとして悪路に強いクルマを挙げるとするならば、クロスカントリー性能を劇的に向上させた新型RAV4、悪路走破性に定評あるフォレスター、アウトランダー、エクストレイル、エスクードなどである。
 ちなみに、コンパクトカーではクロスビー、軽自動車ではハスラーの4WDモデルが最低地上高180mmを確保し、雪国のユーザーに好評だ。最後に、雪道や悪路など走る機会があまりない、という人でも災害時に役立つなど…… 4WDのSUVを選択するメリットはある。


まとめ

リアゲートの画像

人気のミドルクラスSUV3台の実用性比較、いかがだっただろうか。ハッキリいえば、いまどき大きな難があるモデルは皆無といっていい。それゆえに、自分のライフスタイルに合った実用性をもつクルマをシッカリと見極めることが、カーライフを充実させる上で大切になる。たとえばアウトドアの趣味をもつなら積載性を重視するだろうし、多人数乗車が多いなら室内のユーティリティや後席の居住性が重要になる。各車の特徴とユーザーの重要視する実用性とのマッチングが重要だ。

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グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

グーネットマガジン編集部

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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