新型車比較・ライバル車対決
更新日:2019.08.19 / 掲載日:2019.08.19

宿命のライバル激闘録 DAIHATSUタント vs HONDA N-BOX

ライバルヒストリー

この記事の目次

軽の常識を超える装備を武器に、ベストセラー街道まっしぐらのN-BOX。そこに勝負を挑むのが新型タントだ。最新技術を投入したかつてのベストセラーが返り咲きを狙う。

icon 最新軽カーの覇権を占うスーパーハイト系仮想対決

  • DAIHATSU 初代タント●価格:99万8000~146万円 ●発売日:03年11月27日

    スズキ・ワゴンR/ダイハツ・ムーヴのハイト系が軽No.1を争う中、ケタ外れの頭上空間を備えたスーパーハイト系として誕生。

  • HONDA 初代N-BOX●価格:124万~178万円●発売日:11年12月16日

    ホンダにはFRベースのポケバスバモスがあったが、こちらはFFベースのミニ・ミニバンで、タントに真っ向から勝負を挑んだ。

タントは元祖背高系スズキとの2強対決にNが風穴を空けた

ホンダは63年に軽トラックのT360で4輪市場に参入し、67年のN360で地位を確立した。軽自動車で世に出たものの、排ガス規制強化や市場の変化などを受けて、74年に一度は軽乗用車事業から撤退した過去を持つ。

85年にトゥデイで軽乗用車の開発販売に復帰後も、ダイハツとスズキの激しい販売合戦からは、距離を置いていた感があった。

その姿勢を改め、ふたたび軽自動車で勝負をかけることを宣言したのが新生Nシリーズ。その第一弾として11年末に発売されたのが、スーパースペースワゴンのN-BOXだった。

新Nシリーズは開発体制も一新され、F1マシンを手がけていたエース級のエンジニアを投入。開発と生産の拠点を同じ鈴鹿に置くことで、スピーディかつ効率的に開発された。

先行するタントとスズキ・パレット(現スペーシア)に対して、独自のセンタータンクレイアウトによる広い室内など、ライバルをことごとく上回るスペックを実現。さらにスロープフロアを備えたプラスや、ルーフをチョップしたスラッシュなどの個性的なバリエーションを取り揃えて、たちまちベストセラーの座を奪取した。

17年に誕生した2代目では、自動ブレーキを含むホンダセンシングを標準装備するなど、クルマとしての基本にも磨きがかけられ、ベストセラー街道を驀進し続けている。

一方、03年に初代が誕生したタントは、今日のスーパースペース軽乗用車のトレンドを創出したモデルだ。それまで軽乗用車市場の主流となっていたハイトワゴンに対して、さらに広い室内を追求。クラストップとなるホイールベースや全高を採用して、ミニバン感覚の使い勝手を実現した。

07年の2代目では、助手席側にミラクルオープンドアと呼ぶ、センターピラーレスのスライドドアを軽自動車初採用。13年の3代目もそうした美点に磨きをかけ、14年には派生車種のエグゼを含めた販売台数が、小型車をも抑えてNo.1に輝いた。そして19年、DNGAタントが再び首位を狙う。

今買いなのはどっちだ!?

カローラ/サニー、コロナ/ブルーバード……しのぎを削るライバルの存在が、国産車の発展を加速してきた。ここでは現行モデルのライバル関係に注目して、その競争の歴史と最新モデルのガチ比較をお届けする。

icon 現行モデル先取り比較

  • DAIHATSU 新型タント●価格:122万400~187万3800円 ●発売日:19年7月9日

    軽乗用車ながらファミリーカーとしての資質で人気を集めたスーパーハイトの元祖が、新世代アーキテクチャー「DNGA」を採用して刷新。安全&運転支援装備も軽トップクラスとなっている。

  • HONDA N-BOX●価格:138万5640~208万80円 ●発売日:17年9月1日

    FFベースの軽ミニバンとして誕生。現行型はクラスの常識を超える多彩な運転支援機能を備え、走りや機能性もダイハツ/スズキに迫り大ヒット。今、日本で一番売れている自動車だ。

比較1「エクステリア」骨太感を打ち出すN-BOXに対しタントはよりフレンドリー

  • タントは新型になって多少「かわいい」色が薄まったが、それでもN-BOXに比べるとフレンドリーな外観である。

  • 高めのベルトラインなどN-BOXは比較的骨太感を強調したスタイル。適応用途は共通しているが、イメージ付けがかなり異なっている。

比較2「インテリア」ユーザーニーズに応じて共通点が多い

  • 主観的な印象になるが、外観とは逆に細部にメリハリの利いた造形を施したタントの方がいくぶん男性的な印象を受ける。

  • ステアリング外に配置したメーターや棚状のインパネ、運転席前に設けた収納等々、共通点が多い。スーパーハイト系に求められるユーティリティを考えれば当然である。

比較3「パワートレーン」新型タントはD-CVTの採用で実変速比を拡大

  • ミッションはともにCVTを採用するが、スプリットギヤを用いた副変速機付きの新型(D-CVT)を導入したタントの方が10%以上ワイドレンジである。

  • どちらも燃料冷却域縮小や熱効率向上を図り、燃費のスイートスポットの拡大と実用動力性能の向上を主眼とした新設計エンジンを採用。

比較4「ユーティリティ/装備」気になるACc(追従クルコン)は、タントは全車速型だがターボのみの設定

  • タントはステレオカメラ、N-BOXがミリ波レーダー&単眼カメラを採用。ともに衝突回避は歩行者対応型だ。ACcはN-BOXが作動速度30km/h以上なのに対してタントは全車速型で、機能は上だが設定車種が

  • タントはドア開口部、N-BOXは後席アレンジが特徴的。

運転支援は必須として、機能面でタントターボコスパならN-BOX

タントはサーキットでの短時間の試乗だったが、そこで得た印象を前提にするとN-BOXとはかなりの高レベルでの接戦。ともに穏やかで、安心。スペック以上のゆとりを乗員に与えてくれる。大物積みではN-BOX、乗降性ではタントと、使い方による得意技は異なるが、広々室内やユーティリティも同様である。選択条件の優先順位で適不適も変わる。

価格はACc&LKA装着のターボ車を装備並びで比較するとほぼ同じ。ただし別項でも述べたようにタントでACcを選べるのはターボ車のみ、しかもOPである。対してN-BOXは全車標準だ。ここではダインサイザー向けにターボかつACc装着車として運転支援機能に勝るタントを推すが、限られた予算で運転支援の充実を求めるならN-BOXがいい。

今買うならコレだ!!

DAIHATSU タント Xターボ●156万600円(FF)

提供元:月刊自家用車

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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